転職時にWebデザイナーが評価されるポートフォリオのポイントとは?Webデザイナー・クリエイター転職のプロが徹底解説

公開日

2022/12/21

変更日

2024/03/06

転職エージェント川原 祥平
転職エージェント川原 祥平

今回教えてくれた転職エージェント:川原 祥平

大学を卒業後、関西の広告代理店へ入社し、営業として求人媒体の広告販売や雑誌メディアの広告販売、SPツールの企画、提案、制作進行管理を4年ほど経験。クライアントは地元関西の企業や飲食店、美容室などがメインでほぼ新規での営業を経験。その後、クリーク・アンド・リバー社へ転職し、15年のキャリア。IT・Web、DX領域で活躍するクリエイターの転職支援、キャリアアドバイス支援などに従事。現在はマネージャーとしても活躍中。クリエイターからバイネームで仕事ができる、とれる(川原さんにお世話になりたい、川原に頼みたい)ようになるのが目標。

クリエイターの転職活動に必ずついて回るのが「ポートフォリオ」。特にデザイナーにとって、自分の持っているスキルや今までの実績をわかりやすく伝えるための重要な資料です。

ところで。
あなたのそのポートフォリオ、本当にわかりやすいですか……?
そもそも採用担当にとっての「わかりやすい」とはなんぞや……

もし、自分の魅力が確実にわかりやすく伝わりそうなポートフォリオを作ることができたら、より自信をもって転職活動できそうですよね!

そこで今回は、クリエイターの採用において実際に採用担当が見ているポイントおよびそれに沿った評価されるポートフォリオの作り方をHIGH-FIVE転職エージェントの川原に教えてもらいました。

ポートフォリオに必要な5つの項目

こんにちは、HIGH-FIVE転職エージェントの川原です。
まず、ポートフォリオを作成するにあたって必要な基本項目をおさえましょう。

プロフィール

名前や連絡先などの基本情報はもちろん、自己紹介やキャリアの要約を記載します。自分がどのようなデザイナーで、何に興味があるのかを簡潔に伝えましょう。

スキルレベル

自分のスキルを明確に示すために、使用できるデザインツール(Adobe Photoshop、Adobe Illustrator、Sketch、Figmaなど)と使用年数、その他具体スキル(UIデザイン/UXデザイン/グラフィックデザイン/プロトタイピング/モバイルデザイン/フロントエンド技術などあれば)を記載しましょう。

関連する学歴や資格などもあれば記載しておきましょう。

過去の作品・成果物

自分が担当した成果物のスクリーンショットや、オンライン上で閲覧可能なものはリンクURLを記載しましょう。その際、作品ごとに「プロジェクト名とその説明」「使用ツール」「担当した役割と貢献度」「成果・反響」は必ず記載するようにしましょう。実際のクライアントやチームメンバーからのコメントなどもあると信頼性が向上します。

得意なデザインと業務で心がけていること

「カラフルでポップなトーン」「女性向け商材」など得意とするジャンル・デザインや、業務プロセスにおいて重きをおいているポイント(例:UX、ペルソナ作成、クライアントとのコミュニケーション等)を記載しましょう。

将来のビジョン

この先どのようなデザイナーになりたいか、それに向けてどのようなスキルや経験を積みたいかを具体的に述べましょう。自分自身のスキル向上だけでなく、チームや事業ひいては社会にどう貢献したいかが添えてあると尚良いです。

採用担当者がポートフォリオを見るときのポイント

次に、採用担当者が見ているポイントを整理します。

成果物およびポートフォリオのデザイン品質

成果物のデザインはもちろん、ポートフォリオそのもののデザインについても見られていると考えましょう。適切なセクションにわかりやすく整理され、視覚的に洗練されているかどうか意識しましょう。

スキルレベルや使用できるツール

成果物のデザインと併せ、求人票に記載されている要件と一致しているかどうかチェックされています。

デザインへのこだわりや創意工夫

成果物ごとに、どのようなオーダーに対し、どのように取り組み、解決した結果なのかを見られています。説明文の内容から、コミュニケーション能力についても見ている場合があります。

評価されるポートフォリオにするための4つのポイント

全ての基本は「読み手の立場を考える」こと

書類選考の過程で関わってくるのは主に人事担当者と現場担当者ですが、人事担当者はあくまで窓口であり、実際にポートフォリオを詳しく見るのは現場担当者です。それを踏まえて、まず避けておきたいのが以下の2点です。

・容量が重たすぎるもの
・データ以外の提出方法(紙やファイルの郵送)

現場担当者は、本業と並行しながら空いた時間に応募書類を見ています。たとえ本業の手が空いていたとしても、まず書類のダウンロードに5分、開くのに5分……というのは煩わしく感じてしまいますよね。直接合否に関わるポイントではないものの、読み手の立場を考える意識は持っておきましょう。

また最近はほぼないとは思いますが、郵送でいきなり送り付けるのもNGです。企業側が指定した形式で提出するようにしましょう。なお、面接で印刷したものを見せながらお話するのはOKです。

ポートフォリオ自体も「作品」と意識する

書式についても、読み手を意識しながら作ることが大切です。上記でも触れましたが、今まで作ってきたものを単に貼り付けるだけのポートフォリオは避けたほうが吉です。なぜなら、成果物に対してあなたがどう関わってきたのかがわかりづらいからです。

映像のクリエイターも、自分のポートフォリオをテンポよく見てもらうために、複数の映像を1つの作品として編集しまとめます。Webであってもポートフォリオは1つの作品として意識し、起承転結でまとめると良いでしょう。

ポートフォリオ作成が上手な方は、ご自身のキャリアに沿って流れを構成している方が多いです。例えばWebデザイナーであれば、成果物を時系列に並べつつ、「青のアイコンは制作会社時代」「赤のアイコンは事業会社時代」と色分けするなどですね。

さらに、デザインに対してあなたは何の役割を担ったのかもテキストで記載するようにしましょう。一言にデザイン担当といっても、例えばコーディングまで担当したのか、ワイヤーだけつくって外部業者にアウトソースしディレクションをしたのか。制作期間はどれくらいで、なぜこのようなデザインにしたのか。などが自分の言葉で書かれていると、その人の具体的な仕事ぶりが想像しやすくなります

成果物を提出した「その先」まで伝えよう

【転職サイトと転職エージェントの使い方】複数利用する場合の使い分け方も解説!また忘れずに必ず記載してほしいのは、このデザインをした「結果」です。Before/Afterの形で書かれているとよりわかりやすいです。売上が伸びた・滞在時間が伸びた・アクセスや資料請求が増えたなど、特に事業会社に行きたい場合は必須と思っていただいたほうが良いです。

もし受託のお仕事で詳細な結果数値までは開示されなかったとしても、わかる範囲で良いのでできるだけ記載しましょう。「受託のためエンドユーザーの話までは聞けていませんが、先方担当者に〇〇の点で評価いただきました」と書いてあるだけでも、デザイン完成のその先まで意識していることが伝わりますよね。

なお、当たり前のことではありますが、情報解禁前の成果物を許可なくポートフォリオに載せることは絶対にNGです。もちろん、ボツ案の掲載であってもNGです。

どうしてもメインでアピールしたいご経験が解禁前の成果物にひもづく場合は、我々転職エージェントにご相談ください。伝え方のアドバイスもできますし、詳細を伏せつつ応募先企業に推薦することも可能です。こういったご相談はもちろん無料ですので、うまく使ってほしいと思います。

ほんの少しの工夫で差がつけられる

我々転職エージェントは、デザインの詳しいノウハウやテクニックの知識などは本職のデザイナーさんたちに敵いません。ですが、クリエイター転職のプロとして「採用企業にアピールできているか否か」はわかります。

ポートフォリオは、クリエイターの転職活動において一番最初に見られる大切な書類であるにも関わらず、あまり手をかけられていない現状があると感じています。ポートフォリオでうまく魅力を伝えられていないがために、書類選考に通らない例を実際に見てきています。

多くの人が成果物をただ貼り付けて提出してしまいがちなポートフォリオだからこそ、そこに気を付けるだけでも「お!」と思ってもらいやすくなります。デザイナー・クリエイターとしての力をアピールしたいわけですから、ポートフォリオ自体もデザインするつもりで作成しましょう。

転職活動は相対評価!惜しくも”落ちる”ポートフォリオの特徴、教えます>>

まとめ

評価されるポートフォリオ、作れそうな気がしてきましたか?これから新しく作成する方も、今まで使っていたポートフォリオを手直しする方も、ぜひ上記の視点をもって作成してみてくださいね。

ちなみにHIGH-FIVEの転職エージェントでは、転職支援の一環としてポートフォリオの添削・制作支援も行っています。本記事でもご紹介したように、各エージェントが現場の採用担当者の求めるポイントを熟知しているため、”選考を通過しやすいポートフォリオ”の制作を支援することが可能です。

もちろんご相談はすべて無料なので、プロの視点で添削してほしい!という方はぜひ気軽にご相談してみてくださいね。お待ちしています!

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この記事を書いた人

HIGH-FIVE編集部
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HIGH-FIVE編集部

HIGH-FIVE(ハイファイブ)は、IT/Web業界のクリエイター・デザイナーに特化した転職エージェントサービス。私たち編集部ではオウンドメディアだけでなく、転職サイトやSNSも運営。日々クリエイターの皆様へ向けて、クリエイターキャリアのお役立ち情報・転職ノウハウなどを発信中!

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