クリエイターの為の”選考通過率が高まる”履歴書・職務経歴書の書き方ポイント

公開日

2021/12/08

変更日

2022/12/14

転職エージェント川原 祥平
転職エージェント川原 祥平

今回教えてくれた転職エージェント:川原 祥平

大学を卒業後、関西の広告代理店へ入社し、営業として求人媒体の広告販売や雑誌メディアの広告販売、SPツールの企画、提案、制作進行管理を4年ほど経験。クライアントは地元関西の企業や飲食店、美容室などがメインでほぼ新規での営業を経験。その後、クリーク・アンド・リバー社へ転職し、15年のキャリア。IT・Web、DX領域で活躍するクリエイターの転職支援、キャリアアドバイス支援などに従事。現在はマネージャーとしても活躍中。クリエイターからバイネームで仕事ができる、とれる(川原さんにお世話になりたい、川原に頼みたい)ようになるのが目標。

はじめに。書類を作成するときは「読み手の気持ち」を意識してまとめよう

クリーク・アンド・リバー社でクリエイターの転職エージェントをしている吉田です。
この記事では、転職活動に必要な履歴書、職務経歴書の書き方をまとめました。

特に初めて転職活動をされる方からは「何を書けばいいのかわからない」「まとめ方がわからない」等のお悩みの声をよく聞きます。
そんな皆様はもちろん、2回目、3回目の転職をお考えの方にも参考になるようにまとめました。これから転職をお考えの方にはぜひ読んでいただきたい内容です。

まず本題に入る前提として、履歴書、職務経歴書の作成にあたっての大事なポイントを先にお伝えします。それは「読み手が何を知ろうとしているか」を意識して内容をまとめるということです。書類を見た人事担当者や現場の選考官が「魅力的な方だな」と思うような内容にしていきましょう。読み手の気持ちを意識することを念頭に置きながら、それではさっそく書類作成に取り掛かりましょう!

履歴書の書き方

履歴書は学歴や職歴、賞罰などを記載するものですが、注意点はただひとつ。「嘘を書かない」ということです。基本的すぎて拍子抜けしてしまったかもしれませんが、学歴や職歴を偽ると「詐称」となります。もし発覚した場合には内定取り消しや入社取り消しはもちろん、損害賠償請求をされることもありますので、絶対にやめましょう。故意的でなくとも、うっかり在籍年数を間違えている方はよくいらっしゃいます。完成後に必ず見直しをしましょう。

ここからは履歴書作成においてよくある質問と回答を記していきます。

手書きがいいのか、データがいいのか

結論、どちらでも構いません。ですが、データでの作成を強くお勧めします。 今はほとんどの企業がメールやエントリーフォームを通じて書類データを提出する流れをとっています。よって、WordやExcel、Google Docsなどデータ形式で用意をしておいたほうがよいです。一度書けば、志望動機や自己PR以外の部分は使いまわしができ、時間削減にもなります。

写真は自撮りでいいのか

前述の通り、履歴書はデータでの提出が基本となっているので、写真もjpeg画像等データで用意しましょう。街中にあるスピード写真撮影のサービスでもデータ提供してくれるものがほとんどです。写真を撮りに行く時間がない方は、スマホで自撮りでも大丈夫です。無色の背景を選んで撮影しましょう。服装は気をつけてください。ビジネスカジュアルの服装がよいでしょう。

西暦で書くのか、元号で書くのか

これも気にされる方が意外と多いのですが、統一されていればどちらでも構いません。
企業側で「元号で表記してほしい」という声を聞いたことはないので、西暦表記が分かりやすいですし、お薦めをしています。

同じ会社での異動や昇格は記載するか

履歴書には記載しなくてよいと思います。異動や昇格などで職務内容が変わった場合は、職務経歴書にその詳細を書くことになりますので、わざわざ履歴書に同じことを書かなくてよいというのが私の考えです。
同じ会社に長く在籍されている方が社内でいろいろな業務を担当されていて、職歴欄に何行も書くとぱっと見、「ジョブホッパーかな」と思われてしまう可能性があります。シンプルに入社年月、退職年月のみを記載するようにしましょう。(ただし、派遣会社所属から派遣先企業に所属が変わった場合は、その旨を記載しましょう)。

志望動機は応募企業ごとに書き直したほうがよいか

回答を先に申し上げると「はい」となります。書類を見る人事の立場を想像してみれば、多くの応募者の書類の中で志望動機が明確に書かれていない書類は後回しにされてしまう可能性があります。
会社ごとにゼロから書き換える必要はなく、転職をしようと思ったきっかけや次の会社で成し遂げたいことなど活動の根底に通ずる共通項があるはずです。それをベースとして、応募企業ごとに肉付けをしていく形で書いていくと良いでしょう。

職務経歴書の書き方

職務経歴書は、あなたのこれまでの仕事経験や仕事に対する価値観、今後どういうことをしていきたいのか未来の希望まで盛り込みます。
あなたのすべてをこの書類に込めることになります。
クリエイターの中には個性的なデザインやレイアウトをする方もいらっしゃるのですが、職務経歴書にも一般的なひな形が存在します。読み手にとって、一般的なひな型に沿っていない職務経歴書は、実は読みづらく、敬遠される傾向があります。

デザイン性や情報設計のアピールはポートフォリオで行い、職務経歴書はあくまで一般的なひな型を使い、内容で惹きつけられるようにしましょう。

ここからは、職務経歴書に記載するべき項目について記していきます。記載の順番通りに書いてくと良いでしょう。

職務要約

まず、あなたのこれまでの半生をまとめます。職務経験だけでなく、学生時代から振り返ってもよいでしょう。これまでの半生をまとめるつもりで書いてみてください。あなたのこれまでの物語です。特にクリエイターとして活躍している方は、この業界で働きたいと思ったきっかけや原体験となる出来事やずっと記憶に残っている作品がありませんか? そういうものも織り交ぜながら、300~400字ほどでまとめましょう。

活かせる経験

箇条書きで、得意なことを記載しましょう。
例えば、エージェントを長くやっている私の場合は 「クリイター職の方のキャリア支援/転職支援」「営業チームのマネジメント」等を書いています。Webディレクターの方であれば「ワイヤーフレーム作成」「ペルソナ設計」「ユーザーインタビュー」「エンジニアとの業務進行調整」など、業務を細分化してみるとたくさん出てくると思います。その中で特に自分が得意な部分をいくつかピックアップして書くと良いでしょう。

職務経歴詳細

この項目がいちばん重要です。
職務経歴書は言わずもがな、応募した企業の採用担当者や現場面接官が目を通すものになります。
多くの人は、職務経歴部分に、今まで取り組んできたことや実績の事実のみを箇条書きしているケースが多く見られます。それも必要ではありますが、「採用する側」の視点で考えたとき、それら実績や成果を「どのような手段で出してきたのか」が分かるように書きましょう。
例えば、「プロダクトのUIデザインの改修」という業務を記載する場合、改修前の課題は何か、それに対してどんなデザインアプローチで解決を試みたのか、改修前と改修後のユーザーの反応はどう変わったか、の一連の流れを記載しましょう。

これまでと異なる環境下でも成果を出してくれるだろうか、という「再現性」を選考官は見ています。自身の仕事の進め方や考え方がアピールできるように意識して内容をまとめましょう。

経歴を記載する順番に決まりはありませんが、選考官は直近の成果や取り組みを気にしますので、新しいもの(つまり現職の内容、離職されている方はひとつ前の職務内容)から遡って書くとよいでしょう。

PCスキル、利用可能ツール

オフィスツールやデザインツール、プロトタイピングツールなどに加え、Slackなどのコミュニケーションツール、Notionなどコロナ禍に広まったツールも経験があれば記載しましょう。

自己PR

職務経歴書を締めくくる項目は自己PRです。締めになるので、箇条書きよりも文章でまとめると良いかなと思います。
前述した通り、職務経歴書には必ず採用担当者という「読み手」がいます。読み手がこの書類から何を知りたいと思うかを想像して書くことが重要です。
自己PRにおいても「こういう強みがある」「これからはこういうことにチャレンジしていきたい」という思いだけを羅列しても、心に刺さる内容にはなりません。

今後なぜそれをやりたいのか、社会人時代だけでなく、学生時代や幼少時代まで遡って繋がるストーリーを感じられると、読み手に納得感を得られます。
強みについては、これまでの社会人で取り組んできた内容を踏まえてなぜそういう力をつけてこられたのか、自身の行動や考えも織り交ぜながらまとめるとよいでしょう。

過去と未来の自分を棚卸して、会いたくなる書類を作成しよう

いかがでしたか。この記事では、転職活動を始めるにあたって必要となる履歴書、職務経歴書作成のポイントを紹介しました。

多くの企業では、書類選考のあとは面接が実施されます。
直接会話をすることで初めて気づける企業の魅力がありますし、書類だけでは解らない魅力や強みを伝えられる場が面接です。
私は一社でも多くの企業と面接や面談を実施して求職者、企業双方が、書類や求人票上の情報だけでは気づけなかった魅力をお互いに発見できればいいなと思っています。

多くの企業と面接実施ができるよう、魅力的な書類を作成してみてください。

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この記事を書いた人

HIGH-FIVE編集部
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HIGH-FIVE編集部

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