実務未経験からのキャリアチェンジの方法!Webデザインスクールにいくだけでは転職できない理由

公開日

2023/05/16

変更日

2023/09/27

はじめに

Webクリエイターとは、いわゆる専門職。美大や専門学校を出ないとなれない狭き門というイメージがありますよね。ただ、全く畑違いの仕事からWebクリエイターに転身している人がいるのもまた事実……。

・未経験からWebクリエイターになるには?
・異業種から転職する方法ってあるの?

そんな素朴な疑問について、HIGH-FIVE転職エージェントの大谷に聞いてみました!

転職エージェント大谷 航也
転職エージェント大谷 航也

今回教えてくれた転職エージェント:大谷 航也

理系の大学にて「ものづくり」を学ぶも挫折。自身は創る側でなく売る側の人間だと知る。卒業後は、製造小売大手企業へ新卒入社。店舗に配属され個人営業を1年経験後、2年目から人事部へ異動。採用担当者として、毎年100名以上の採用に携わる。
人事キャリアを活かしながら、自身では出来ない「ものづくり」を出来る方を支援したい思いからクリーク・アンド・リバー社へ転職。現在までIT/Web業界を担当しクリエイターのキャリア支援を行っている。

未経験からのキャリアチェンジは工夫が必要

こんにちは、HIGH-FIVE転職エージェントの大谷です。

「実務未経験ですがWebデザイナーになりたいです」といった転職相談は、定期的にいただきます。もちろん不可能ではないのですが、中途採用ではやはり実務経験のある即戦力が求められていることがほとんど。未経験からのキャリアチェンジは、やり方を考えて動く必要があります。

方法はいくつかありますが、共通しているのは「まずは肩書きを得る」ということです。

※希望職種に必要な最低限の知識とスキルは既に習得している前提

1:自社内でポジション異動する

転職せず、今いる会社の中で異動希望を出すパターンです。社内に希望職種が存在する場合は、異動に向けて周囲に働きかけてみましょう。転職だと評価されにくい現ポジション(非クリエイティブ職種)での経験も、同じ社内であれば評価してくれる可能性があります。

例)営業として自社商品を拡販してきた経験を活かし、自社ECの制作・運用担当に異動する。

希望のプロダクトやサービスではなかったとしても、まずは自社で実績を作りましょう。実績があれば次は実務経験者として転職ができるので選択肢が広がります。

自分ではタイミングをコントロールできないのがデメリットですが、年収などの待遇を含め環境の変化が少ないので、私が一番おすすめしている方法です。

2:アルバイトや契約社員も含めた「未経験OK」の求人を探す

「1の方法では流石に先が読めなさすぎる……」「条件が下がっても構わないから早く経験を積みたい」と考える方もいるでしょう。その場合、アルバイトや契約社員という条件であれば、実務未経験でも希望職種で採用される可能性がぐっと上がります。これらの求人はWebに掲載されていることが多いので、希望職種で検索してみましょう。

アルバイトや契約社員であっても、実務経験者になれば正社員希望で転職活動することができます。もちろん、そのままアルバイトから社員登用を目指すのもOKです。

3:副業で実績を作ってから転職する

副業が可能な場合は、今の仕事を続けながらクラウドワークスランサーズなどのクラウドソーシングサービスを利用して、低単価の業務委託からWeb・クリエイティブ制作のお仕事を始めてみるのも良いでしょう。

企業での実務経験を作るのがいちばん望ましいですが、「ビジネスとして成立している」状態を作ることができれば、副業でも実務経験と見なすことは可能です。また案件の依頼元が企業だった場合、お仕事が継続して良い関係が築ければ「社員として働きたい」と交渉することもできるかもしれません。

実際に私が転職支援したWebクリエイターの方で、未経験からクラウドソーシングで受託した仕事を実績として積み上げ、都度SNSで発信していたところ(※)だんだんとSNS経由で仕事をとれるようになり、その結果Twitter上でとあるベンチャーにスカウトされ社員として採用された方がいました。ベンチャー企業はSNSで採用活動しているところもよくありますし、またSNSの運用実績自体が評価される場合もあるので、併せて注力すると良いかもしれません。

※成果物をSNSで発信して良いかどうかは必ず依頼元に許諾をとるようにしてください。

「スクールに通って学びました」だけでは難しい

実務未経験からのキャリアチェンジの方法!Webデザインスクールにいくだけでは転職できない理由なぜそんなに実務経験についてばかり言及するのか、少しお話させてください。

企業が転職エージェントに紹介を依頼するのは、「紹介料を払ってでも自社にマッチした質の高い人材が欲しいから」。つまり転職エージェントを経由した場合、紹介を依頼した企業側の心情としては希望要件が上がりやすいのです。企業によっては、公募用と転職エージェント用で募集要項を分けているところもあるくらいです。

希望要件は上がりやすいですがその分しっかり支援をするので、転職エージェントを利用するにあたって必ずしもずば抜けたスキルや実績を持っている必要はありません。ただ「実務経験がない」という部分だけは、私たちではどうすることもできないのです。

逆に言えば、未経験の方に限っては「敢えて転職エージェントを経由しない」という手もあるということ。求人サイトや企業サイトの採用ページから直接応募すれば、そのまま採用担当に応募情報が届きます。

直接採用担当にアプローチしたからと言って採用ハードルが下がる保証はありませんし、エージェントの支援がないので企業研究や選考の対策は大変かもしれませんが、少しでも可能性を広げるという意味で試してみる価値はあるかと思います。

採用ハードル=需要と供給のバランス。自分の志向とよく照らし合わせて

せっかくなので、採用ハードルについてもお話ししますね。

実務未経験だからといってどこでもお断りされてしまうのか?と聞かれれば、必ずしもそうではありません。実際、未経験スタートを許容し採用ハードルを下げ、代わりに研修制度を充実させて「まずは人材を獲得してから社内で育てる」ことを採用戦略に置いている会社はたくさんあります。

わかりやすい例が「制作会社」ですね。やはり割合的には事業会社で自社サービスに携わりたい人が多いので、自社サービスを持たない制作会社は「未経験もOK」として応募を集めているところも多いです。

要は需要と供給のバランスなので、事業会社の中でもスポーツ・ゲーム・アニメなどは応募が殺到するため採用ハードルが高く、保険・金融・アダルト・占い(スピリチュアル)・アミューズメントなど人を選ぶ業界・業種やニッチな業種は採用ハードルが低くなりがちということになります。

受託でも良いし業界にもこだわらないという方は、そういった切り口で未経験OKの企業を探すのもありかもしれません。ただ、特にデザイナーの場合はニッチな業界の色に染まりすぎると、他業界に転職したい際にその業界での癖が足かせになる場合があります。 業務とは別に自主製作を進めておくなど、柔軟性やバランスは考えておくと良いでしょう。

まとめ

以上、転職エージェント大谷に聞いた「未経験からキャリアチェンジする方法」でした。社内異動、アルバイトからのスタート、副業、あえてニッチな業界を選ぶ……方法はさまざまですが、とにかく「実務経験者」の肩書きを得ることが第一歩ということですね。

最初は誰もが未経験。あなたの「なりたい」を叶えるため、本記事が少しでも参考になれば幸いです。無事に未経験を卒業した際は、今度こそぜひHIGH-FIVEでキャリア支援させてくださいね。

  • twitter
  • Facebook
  • Linkdin
  • LINE
  • はてなブックマーク

この記事を書いた人

HIGH-FIVE編集部
HIGH-FIVE編集部

HIGH-FIVE編集部

HIGH-FIVE(ハイファイブ)は、IT/Web業界のクリエイター・デザイナーに特化した転職エージェントサービス。私たち編集部ではオウンドメディアだけでなく、転職サイトやSNSも運営。日々クリエイターの皆様へ向けて、クリエイターキャリアのお役立ち情報・転職ノウハウなどを発信中!

関連記事