Webディレクター・デザイナーの職務経歴書の書き方ヒント(サンプル付き)|Webデザイナー・クリエイター専門の転職エージェントHIGH-FIVE
公開日:2023/03/30
変更日:2024/10/29
こんにちは、HIGH-FIVE転職エージェントの川原です。
WebディレクターやWebデザイナーが転職活動をするにあたり、避けては通れないのが職務経歴書での自己PRです。自分の良さや強みはなかなか自身ではわかりづらいですが、かといって身近な人に聞くのもなんだか気が引けるもの。
そこで今回は「Webデザイナー・クリエイターが企業に会いたいと思ってもらうための職務経歴書(自己PR)」のヒントをご紹介します。
参考:Webデザイナー・クリエイターの履歴書・職務経歴書の書き方|選考通過率が高まるポイントを解説
目次
職務経歴書は採用担当者に「実務のイメージ」を湧かせる
今回のテーマは「会いたいと思ってもらうための自己PR」ということで、わかりやすく「これは応募書類に書いておくと良いよ」というものからご紹介します。
まずは、やはり「実績」です。これはむしろないと始まりません。過不足の基準は求人の内容によるので、通期でLP制作〇本/担当案件数〇件など、数字にできそうなものは全て書いておきましょう。自分では普通だと思っていても、他社から見たときに魅力となっている可能性があるからです。
そのうえで、直接アピールポイントとは言えないまでも「この方は会ってみたい」と思ってもらいやすくするために、心がけておきたいポイントを以下にまとめます。
Webデザイナーの職務経歴書の書き方のヒント
★ポートフォリオを作成し、担当範囲を記載する
Webデザイナーの職務経歴書には、必ずポートフォリオを添えましょう。ポートフォリオを作成する際は、ただ成果物を載せるだけではなく「ディレクターが作成したワイヤーに沿ってデザインのみを担当した」「ワイヤー作成~コーディングまで全て担当した」など、自分が担当した範囲を詳細に記載しておきましょう。採用側が実務の様子や規模をイメージしやすくなります。使用したツールも添えておくと良いですね。
★職務経歴書は2~3枚に。プロジェクト毎に内容と役割を書く
情報を整理しわかりやすく伝えることこそ、デザイナーの仕事と言えます。たくさん盛り込みたくなってしまうかもしれませんが、あまりに多いものや煩雑なものは「見る側の心情を想定できない人なのかな?」という印象に繋がりかねません。多くても2~3枚くらいでまとめるようにしましょう。
細かいかもしれませんが、応募書類の時点でこのあたりができている方は意外と多くありません。裏を返せば、わかりやすく整理されているだけでもとても好印象です。
行間やスペースを調整するのはもちろん、まとめられるものはまとめて、できるだけ1つの項目は同じページ内に収まるように情報整理をしましょう。そのうえで、1ページ目の最初に概要として略歴(3~5行程度)や一言コメントを記載しておくと、忙しい採用担当も全体像を把握しやすいです。
Webディレクターの職務経歴書の書き方のヒント
★ディレクションした成果物を整理する
ディレクションした成果物を整理し、Webデザイナーと同様に自分が携わった業務を具体的に記載しましょう。
・プロジェクトメンバーの編成(ディレクター:本人/デザイナー:〇名/エンジニア:〇名 等)
・携わった業務(企画/メンバーアサイン/外部への発注/SEO 等)
・担当案件数やペース(月間平均〇本 等)
・ジャンル(金融/ライフスタイル/美容 等)
・自分で手を動かす仕事の有無(ライティング等)
などがあると仕事の様子がイメージしやすいです。
★自身のスキルを整理
ディレクター業務には大きく分けて
・担当メンバーを自身でアサインし、直接ディレクションするパターン
・編プロや制作会社などに外注し、外部ディレクターをディレクションするパターン
がありますが、それぞれに優劣はなくどちらがマッチするかは求人の内容によります。希望がある場合、またどちらも対応可能な場合は、その旨も書いておきましょう。
転職活動は相対評価!惜しくも”落ちる”ポートフォリオの特徴、教えます>>
職務経歴書の「資格」は意外と見られていない
上記以外にも、
・某大手・有名企業の仕事をしていた
・〇〇系が得意
・チームメンバーには(仕事がしやすい、指示がわかりやすいなど)と言われていた
なども書けるようであれば書いておきましょう。特に転職エージェント経由で応募している場合は、その情報をもとに推薦コメントを書いてくれるかもしれません(詳細は後述します)。
その際も、「自分はどの役割だったのか」を明確にしておくこと。入社したあと、既存メンバーとどのように関わって、どんな感じで働いてくれそうかをリアルにイメージさせることを心がけましょう。
なお、資格に関しては「あれば書いておくと良い」くらいに考えてOKです。経験上、資格があるからといって採用が有利になるケースは、クリエイターの転職活動においてはほぼありません。それよりも、実績やポートフォリオを充実させることのほうが大切です。
もし応募企業に合わせて効果的に自己PRを作りたいという方は、まず応募企業が実際に求めている人材像を知っている必要があるため、ぜひ転職エージェント経由でご応募いただいて、担当エージェントに相談してみてください。
『評価されるポートフォリオ』のポイントとは? クリエイター転職のプロが徹底解説>>
Webディレクター・デザイナー向け職務経歴書テンプレート
職務経歴書
■職務要約
株式会社○○○○○に入社後、約x年間はWebデザイナーとしてポータルサイトやLP、バナーなどのデザイン制作に従事。
その後、Webディレクターとして5年以上の経験を有し、複数のプロジェクトにおいてユーザー中心のデザインと効果的なディレクションを提供してきました。
クライアントの要求に応じたクリエイティブな提案と実現力で、プロジェクトの成功を導くことが得意です。
チームリーダーシップとプロジェクト管理能力に優れ、品質の高い成果物を提供します。
■活かせる経験・知識・技術
・要件定義と企画提案(ワイヤーフレーム作成、サイトマップ設計)
・プロジェクト管理(スケジュール管理、予算管理、リソース配分)
・ユーザー中心設計(ユーザーリサーチ、ペルソナ作成、ユーザージャーニーマップ作成、ユーザビリティの高いデザイン)
・基礎的なSEOの知識、Webマーケティングの知識
・Google Analyticsなどを用いたWebサイト分析
・デザインツール(Adobe Creative Suite(Photoshop, Illustrator, XD)、Sketch、Figmaなどを用いた制作)
・フロントエンド技術(HTML、CSS、JavaScriptを用いたプロトタイプ作成および簡単なコーディングが可能)
・コミュニケーション(クライアントとの折衝、チーム内外での円滑なコミュニケーション能力)
■職務経歴
株式会社〇〇〇〇〇(http://〇〇〇〇〇〇〇〇.jp/)
【プロジェクト概要】 xxx万PV/月
大手スポーツメーカーECサイトは直帰率が高く、CVRが低下していたため、
ユーザー層を分析し、リニューアルでCVにつながるサイト設計を意識しました。
【意図・目的】
ユーザーの直帰率を低減し、コンバージョン率(CVR)を向上させるため、
サイト全体のユーザーエクスペリエンスを改善し、ユーザーの購買意欲を引き出すことを目指しました。
【業務内容・取り組み】
ユーザー層の分析:Google Analyticsなどのツールを用いて、ユーザーの行動パターンや属性を詳細に分析しました。
特に直帰率の高いページや離脱ポイントを特定し、改善点を抽出しました。
ユーザーエクスペリエンス(UX)の改善:ユーザーのニーズに合わせて、ナビゲーションの見直しや情報の整理、
購入手続きの簡素化など、サイト全体の使いやすさを向上させるための改善を行いました。
A/Bテストの実施:新しいデザインや機能を導入する際にはA/Bテストを実施し、効果的な要素を選定しました。
ボタンの配置や色彩、コンテンツの表現方法などを比較し、最適な選択肢を採用しました。
コンテンツの最適化:検索エンジン最適化(SEO)を意識して、コンテンツの見直しやキーワードの選定を行いました。
ユーザーが求める情報に応えるコンテンツを提供することで、検索結果からの流入を増やしました。
【成果・実績】
直帰率の低減:リニューアル後、直帰率がxx%からyy%に低減しました。
CVRの向上:サイト設計の改善により、CVRが前年比zz%増加しました。
ユーザー満足度の向上:ユーザーからのフィードバックも好評で、サイトの使いやすさや情報の充実に対する満足度が高まりました。
【使用ツール】
Google Analytics
A/Bテストツール(例:Optimizely、Google Optimize)
SEOツール(例:SEMrush、Ahrefs)
デザインツール(例:Adobe Photoshop、Sketch)
コミュニケーションツール(例:Slack、Microsoft Teams)
■テクニカルスキル
デザインツール: Adobe Photoshop(x年xカ月 実務レベル), Illustrator(x年xカ月 実務レベル), XD(x年xカ月 実務レベル), Sketch(x年xカ月 実務レベル), Figma(x年xカ月 実務レベル)
プロトタイピングツール: InVision(x年xカ月 実務レベル), Marvel(x年xカ月 実務レベル)
フロントエンド技術: HTML(x年xカ月 実務レベル), CSS(x年xカ月 実務レベル), JavaScript(x年xカ月 知識レベル)
プロジェクト管理ツール: Backlog(x年xカ月 実務レベル),Redmine(x年xカ月 実務レベル)
アナリティクス・BIツール:Google Analytics(x年xカ月 実務レベル),サーチコンソール(x年xカ月 実務レベル)
その他: Git(x年xカ月 実務レベル), WordPress(x年xカ月 実務レベル)
■資格
ウェブデザイン技能検定 2級 / 20xx年xx月取得
UXデザイン認定資格 / 20xx年xx月取得
■PCスキル
Word / 社内打ち合わせ用の資料作成、社外プレゼン資料作成が可能なレベル
Excel / 関数を組み合わせての数式作成が可能なレベル
PowerPoint / 社内打ち合わせ用の資料作成、社外プレゼン資料作成が可能なレベル
■自己PR
<顧客の課題を解決する提案力>
これまでの経験を通じて、顧客のニーズや課題を深く理解し、それに基づいた効果的なデザイン提案を行ってきました。
特に、ユーザビリティ向上のための提案や、SEO対策を考慮したサイト設計において、具体的な成果を上げてきました。
例えば、あるプロジェクトでは、ユーザー行動データを分析し、ナビゲーションの改善やコンテンツ配置の最適化を提案・実施した結果、
ユーザー滞在時間の増加やコンバージョン率の向上に貢献しました。
また、SEO対策に関しても、キーワード選定からコンテンツの最適化までを一貫して行い、検索エンジンの順位向上を実現しました。
こうした実績を基に、クライアントにとって最適な解決策を提供する能力に自信を持っています。
<積極的な情報収集と学習意欲>
常に最新のデザイントレンドや技術情報をキャッチアップすることに努めています。
定期的に業界のセミナーや勉強会に参加し、知識のアップデートを行うことで、
クライアントに対して最適なソリューションを提供できるよう心がけています。
例えば、新しいデザインツールやフレームワークの導入に関する知見を深めるため、
オンラインコースを受講したり、専門書を読んだりしています。
さらに、デザインコミュニティでの交流を通じて他のプロフェッショナルとの情報交換を行い、
実務に活かせる知識を積極的に取り入れています。
これにより、常に最新の技術とトレンドを踏まえた提案ができ、クライアントの期待を超える成果を生み出すことが可能です。
以上のように、顧客の課題解決に対する提案力と、積極的な情報収集・学習意欲を持って、クライアントのビジネス成功に貢献していきたいと考えています。
Webディレクター・デザイナーの転職では履歴書の書き方も大事
Webディレクターやデザイナーの転職に限ったことではありませんが、職務経歴書だけではなく、「履歴書」も非常に重要です。履歴書を通じてあなたの職務経験、スキル、成果を具体的に伝え、プロフェッショナルな印象を与えることが成功の鍵となるでしょう。また通常の職種よりも、特に視覚的に整ったデザインと内容の充実を意識すると良いかもしれません。履歴書・職務経歴書・ポートフォリオをしっかり準備をして、次のキャリアステップに進みましょう。
忙しい人は積極的に転職エージェントを利用するのも手
ここからは、プラスアルファのお話です。
クリエイターの転職に限ったことではないのですが、転職エージェント経由の応募と自己応募の違いの1つが「エージェントからの推薦文の有無」です。
転職エージェント経由であっても履歴書・職務経歴書はご自身で用意していただく必要がありますが、企業へ推薦するにあたりエージェントから「なぜこの方を推薦するのか」という書面を添えるため、応募書類に載せきれなかった部分を推薦文上でカバーしてもらえる可能性があります(※もちろん、その情報をエージェントが把握できている場合に限ります)。
先日、わたしが支援させていただいた転職希望者の方で、実際にあった事例をご共有させてください。
その方(Aさんとします)はWebディレクターで、毎日日付が変わる前まで働いているような、非常に忙しい方でした。とてもお仕事ができる方だったために、社内外のあらゆる方面から依頼が集中してしまい、業務過多に陥っていたのです。「もっと自分の時間が欲しい」という理由で転職活動を始められました。
最初の面談で直接ヒアリングした結果、Aさんがとても優秀な方であることがわかりましたが、ご提出いただいた職務経歴書の内容がどうも薄いのです。確認すると、毎日遅くまで働く中で少ないスキマ時間を縫って、応募書類ではなくあくまで面談の参考資料として簡易的に作成したものとのことでした。
現状の書類ではとてもAさんの魅力をアピールできているとは言えず、面談中「今のお話は絶対書類に書いたほうがいいですよ」とお伝えしたものの、Aさんは面談の時間すらなんとか捻出したほどで、これ以上時間をとるのはなかなか難しいとのこと。私も、Aさんの激務のご様子に「もっと時間をとって」とはなかなか言えませんでした。
中途採用(キャリア採用)は、募集ポジションが充足すればそこで終わりです。その時出ている求人は、ずっと募集されているわけではありません。Aさんは間違いなく優秀な方なのに、このままだとチャンスを逃してしまう……。そう思った私はAさんの書類更新を待たず、推薦文で職務経歴書に不足していた部分をフォローし、応募意思をいただいた企業への推薦を進めることにしました。
結果、Aさんは書類選考を一発で通過。実際にお会いすればしっかりお話できる方なので、その後の面接もトントン拍子で通過され、次に最終面接を控えています。
転職エージェントは魔法使いではないので、転職希望者の方の全ての要望を叶えることはできません。でも、Aさんのように自分の力だけではどうしても難しいことをフォローすることは可能です。
本記事を読んで自分で職務経歴書やポートフォリオを作ってみたけれど、どうもアピールしきれている気がしない……という方は、ぜひ自己応募だけでなく転職エージェント経由の応募も検討してみてください。何か力になれることがあるかもしれません。
まとめ
職務経歴書の自己PR、作れそうな気がしてきましたか???
採用担当が会ってみたいと思うポイントは意外と細かい部分なのだなあ、と編集部も目からウロコでした!転職エージェントを経由すると、自力だけでは難しいところをフォローしてもらえるというのも心強いですね。
自分の強みや魅力を余すことなく伝えるために、さっそく今までの棚卸から始めてみましょう!
今回教えてくれた転職エージェント:川原 祥平
この記事を書いた人
HIGH-FIVE編集部
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