潜入!ゲーム開発スタジオ調査隊#3【2DCG PlaNet Studio編】

公開日

2021/01/27

変更日

2023/02/03

はじめに

みなさんこんにちは!
エージェントの嶋田です。

「潜入!ゲーム開発スタジオ調査隊」、第3回目となります!

今回からは、8つのゲーム開発スタジオそれぞれにフォーカスしてご紹介していきます!
第3回では、2DCG制作を担当している『2DCG PlaNet Studio』に潜入!

どうやってゲーム制作に取り組んでいるのか、
どんなメンバーが働いているのか、
どんな環境なのか・・・など、

スタジオの中を一緒に見ていきましょう!

『2DCG PlaNet Studio』とは?

『2DCG PlaNet Studio』は、クリーク・アンド・リバー社(以下C&R社)が運営する、2DCG制作に特化したゲーム開発スタジオです。
制作案件の受注とクライアント先への客先常駐を行っており、社内案件だけで細かいものも含めて常時80案件ほどが走っています。ジャンルはスマホ/ソーシャルゲーム系を得意とし、大手クライアントの有名タイトルや長寿タイトルも多く扱っています。
また、東京都内を始め名古屋、熊本など全国6か所にサテライトスタジオが存在し、各地でクリエイティブの受託制作を行っています。

体制は2DCG分野をアート、デザイン、アニメーションの3チームに分割し、
アートチームはキャラ、背景、コンセプトアートなどイラスト部分、
デザインチームはUI、グラフィックデザインなどのイラスト以外の部分、
アニメーションチームはLive2D、Spine、Anima2Dなどを利用した2Dアニメーション
をそれぞれ担当しています。

メンバーは総勢約150名が在籍し、各チームごとに
アート:デザイン:アニメーション=55:60:35の人数比となっています。(2021年1月現在) ハンゾーくん 2DCG PlaNet Studio:ホームページ

開発現場に潜入!

『COYOTE 3DCG STUDIO(潜入!ゲーム開発スタジオ調査隊#2【COYOTE 3DCG STUDIO編】)』と同じく、
C&R社東京本社の8階に拠点を構える『2DCG PlaNet Studio』。
2021年1月現在は、ほとんど全員がリモートで勤務をしています。

なんと!『2DCG PlaNet Studio』にはイメージキャラクターがいるんです!
名前はハンゾーくんです。(=以前、C&R社オフィスが半蔵門にあったから)
ちなみに奥のフィギュアは、スタジオチーフの平間さんが手作りされたものだそうです!
2DCG PlaNet Studioオリジナルグッズ 「PlaNet Studio」の名前の由来を教えていただきました!!
Plan=計画
Plane=平面(2D)
Net=ネットワーク、人脈
Planet=人間の運命を左右する占星術

という4つの単語を掛け合わせ、
「当社の強みである幅広いネットワークを活用し、クリエイターのキャリアプラン作りを支援していく」
という意味が込められているそうです。
名前を付ける際は、スタジオメンバーから公募で案を集めたとのこと。

『2DCG PlaNet Studio』についてクリエイターにインタビュー!

平間 則成(ひらま のりしげ)[写真右。以下:平間]
2DCG PlaNetStudioスタジオチーフ。

能村 麻梨(のむら まり)[写真左。以下:能村]
2DCG PlaNetStudio アートチーム ディレクター。C&R社に中途入社し4年目。

渡部 詩織(わたなべ しおり)[写真左から2番目。以下:渡部]
2DCG PlaNetStudio デザインチーム UIデザイナー兼グラフィックデザイナー。C&R社に中途入社し5年目。

佐口 裕太郎(さぐち ゆうたろう)[写真右から2番目。以下:佐口]
2DCG PlaNetStudio アニメーションチーム ディレクター。C&R社に新卒入社し5年目。
2DCG PlaNetStudio-member ~スタジオについて~

 Q.『2DCG PlaNet Studio』(以下スタジオ)の設立の経緯を教えてください。

平間:もともとこの形で独立していたわけではなく、様々な組織から枝分かれして、現在の『2DCG PlaNet Studio』が設立されました。
C&R社にクリエイティブスタジオが発足した当時は、1つの部署の中に開発チーム(BtoC)と受託チーム(BtoB)が存在していました。後にミッションが全く違うチームが同じ部署にあるよりも、それぞれのミッションに沿って業務拡大を目指すべきということもあり、あえて分けました。
受託スタジオは10名程度の小規模なチームから始まったのですが、徐々に仲間を増やしていき1年半で50名程度、そこから5年ほど経った現在で150名程度の規模になるまで成長しました。
人数の増加に伴って受託する案件も増えてきたところで、ゲーム開発スタジオのブランディングの一環として、2DCG制作特化の『2DCG PlaNetStudio』という名称と共に新たにスタートを切りました。

 Q.10名→150名とは、相当な増加率ですね!ここまで人を増やしてきた秘訣や、採用の際に重視していることはありますか?

平間:秘訣かは分かりませんが…僕の性格上、少しまったりした感じのチーム作りをしてきたことかもしれません。採用の際には、基礎技術はもちろんですが、特に人柄の素直さを重視して採用を進めてきました。そのため、スタジオ内には接しやすい方が多く、雰囲気に惹かれて入って下さる方も増えました。また素直さゆえアドバイスもまっすぐ受け止めてくれるため、人=組織としての成長スピードも速かったですね。

能村:技術面でいうと、アートチームはまず基礎画力を見ています。ポートフォリオには、きちんとした鉛筆デッサンでなくても良いので、キャラクターの全身イラストを何枚か入れていただけると分かりやすいですね。現状画力が少し足りていなくても、過去の作品と比べた時にすごく上手くなっているなと思えば伸びしろを期待して、面接の評価とも併せて判断します。

 Q.他社の受託制作会社と比べて、『2DCG PlaNet Studio』はどんな点が魅力だと感じますか?

渡部:受託開発と客先常駐の2軸で活躍の場が選べる点ですかね。社内の受託開発では様々な場で活躍するための基礎力を付けられますし、憧れの企業へ客先常駐して働くチャンスもあります。実際、自身で応募してお見送りとなった企業に、うちで経験を積みスキルを上げたことで就業できているという例もあります。
様々な案件に関わりつつ、自身の能力を伸ばしていける仕組みはとても魅力的だと思います。

平間:『COYOTE 3DCG STUDIO』の考え方とも共通していますが、うちでも客先常駐先への転職をポジティブに捉えています。社内はもちろん、社外でも活躍できるクリエイターを育てるための支援を色濃く行っているのが他社と比べた時の特徴だと自負しています。

 Q.クリエイターを育てるための支援を行っているとのことですが、具体的にはどんなことをやっているのでしょうか?

渡部:デザインチームでは、客先常駐したい案件にいつでもチャレンジできるよう「マンスリーポートフォリオプロジェクト」という取り組みを行っています。その月で一番出来の良かった作品をポートフォリオに盛り込んだり、自分の目指したい方向に進むためにはポートフォリオをどう構成したら良いかをメンバー同士でフィードバックしたりしています。
また希望制で、社内の他スタジオのプランナーやエンジニアの方々から開発のフローを学ぶことができる「クロスキャリア」という取り組みもあります。最近ではデザイナーにも開発の知識が求められることが多いため、ダイレクトにキャリアアップに繋がっている制度だと感じます。
社内の横のつながりでこういった勉強ができるのは、多くのゲーム開発スタジオを抱えるC&R社ならではだと思いますね。

能村:アートチームでは、若手・未経験のメンバーは社内でしっかりと制作の経験を積んだ上で、先輩のサポートのもと早くから案件の監修や取りまとめを任せるという動きしています。また、2年目からは外部客先常駐を目標にし、社外にも胸を張って送り出せるクリエイターを輩出すべく育成を行っています。 2DCGPlaNetStudio4 ~キャリアについて~

 Q.エージェントとして様々なキャリアのクリエイターにお会いしていますが、2D領域は多職種よりもフリーランスの方が多いように感じています。

平間:そうですね。2Dグラフィックはゲーム作りにおいて重要ではあるものの、末端部分であり、作業する人たちは指示書があれば一人で仕事ができてしまうから、ということもあると思います。
その分人と関わっているということを忘れてしまう時もありますが、うちでは会社の中で働くことで「ゲーム作りは一人ではできない」と実感してほしいと思っています。この感覚を持って独立出来たらフリーランスとして強いですし、そんなフリーランスとなった暁にはビジネスパートナーとしてまた一緒にお仕事ができたら良いですよね。

佐口:会社では多くの案件をこなす必要があるため、連携が必要となる場面が多いですよね。アニメーションチームは、3つのチームの中でも特にその傾向が強い部署だと思います。Live2Dなどは着せ替えでモデルを量産する場面も多いため、案件ごとの仕様を正しく読み解いてパーツ分けを行ったり、細部などをしっかり確認しあいながら均一なクオリティとなるようモデリングしたり、皆でコミュニケーションを取りつつ歩調を合わせながら制作をしています。
そういった連携の動きを積み重ねることで、チームワーク力をつけていってほしいと思っています。

 Q.平均勤続年数はどのくらいですか?

平間:5年間で人数が15倍ほどに膨れ上がっているため平均を出すのは難しいですが、クライアント先で常駐してそのまま転籍するケースも多く、今後ますます新陳代謝が高まると思います。

 Q.客先常駐から転籍する方が多いのには、何か理由があるのですか?

平間:転籍・転職をポジティブに捉える空気は勿論、キャリアについて考える場を積極的に提案しているからだと思います。
『2DCG PlaNet Studio』では「キャリア相談室」というものをスタジオ内に設けており、キャリアデザイン専任の社員が現場メンバーや上司には完全オフレコで悩み相談を受付けています。ここでの相談内容は、スタジオチーフの僕でさえ本当に何も教えてもらえないので、周りの目や評価を一切気にすること無くキャリアのことを考えられます。

また、相談先が多いというのもキャリアを考える一助になっているかなと思います。現場で一緒に頑張っている先輩、チーム全体を見ているリーダー、スタジオ全体を見ているチーフ…また社内には転職エージェントが常にいるので、エージェントに直接相談する人もいますね。個人的には、管理に興味ある方はスタジオに残りマネージャーとして若手の育成や業務拡大を一緒にしてくれたら嬉しいとは思っていますが(笑) 2DCGPlaNetStudio ~インタビュイーについて~

 Q.皆さんのこれまでのキャリアについて教えてください。デザインチームの渡部さんはいかがですか。

渡部:私は一般職として社会人スタートを切り、途中からグラフィックデザインの専門学校に通って紙のデザインを学びました。卒業後はほぼフリーランスとして絵を描く仕事もしていたのですが、自分はチームで仕事をすることが好きだと思い、ゲームメディアの会社でwebデザインやメディアに関係するデザインの仕事を始めました。その後、『2DCG PlaNet Studio』にゲームUIデザイナーとして転職しました。

 Q.もともとはゲームではなく、紙媒体やwebのデザインをされていたのですね!

渡部:そうなんですよ。当時働いていた会社がゲーム業界から撤退をすることになったのですが、その時に「私はゲームにまつわるデザインがやりたくて、これだったらずっと続けられる」と気が付きました。実はうちのデザインチームはwebや書籍、広告などゲーム業界以外でデザインをやっていた方も多いです。そのため、受注している案件はゲームUIがメインではあるのですが、webデザインやDTPなど幅広く対応できることも特徴です。

 Q.アニメーションチームの佐口さんはいかがですか。

佐口:僕は一般大学の学生で、独学でLive2Dを勉強していました。 最近はLive2Dを教えている専門学校も増えてきたのですが、当時はLive2Dを学んでいる方が少なかったため、僕のチームは同じく独学や未経験から入った方も多いですね。

 Q.独学からデザイナーとして入社!すごいですね!

平間:佐口君が面接に来た時のことはよく覚えています。いい意味でLive2Dオタクだなって思いました。 語る内容がとにかく熱くて、Live2Dだけで一晩語り明かせるんじゃないだろうかというくらいのレベルでした。(笑)

佐口:今もそうですが、2Dアニメーションが本当に面白いと思っていたので!前職がどんなご経験の方であっても、Live2Dや2Dアニメーションの技術を面白いと感じている人に入ってもらえると、成長がしやすいのではないかと思います。

2DCGPlaNetStudio6  Q.アートチーム能村さんはいかがですか。

能村:私は、ガラケーのゲームを作っている会社でアバターやUIのデザイナーになったのがファーストキャリアでした。次にゲーム開発段階の企業へ転職し、アバターだけでなくキャラクターのイラスト、アイテムなど幅広い業務を経験しました。ゲームをリリースしてから2年間ほどフリーランスとして仕事をした後に、今は『2DCG PlaNet Studio』に入社し社員として働いています。

 Q.能村さんもフリーランスをご経験されたんですね!

能村:はい。私はフリーランスの働き方自体はとても合っていたのですが、一人でやっていると自分の能力以上の仕事が取れないなと思ったんです。そのため、会社に所属して色々な案件に挑戦し、スキルアップをしたいと思い会社員の道を選びました。

 Q. スタジオチーフ平間さんはいかがですか。

平間:僕は大学在学中にデザインを学んでいたのですが、実は社会人になって一番最初は着物屋さんで営業職をしていました。でも、やはりデザインの仕事をやりたくて探し回っていたときに、地元・山形に当時唯一のゲームの受託制作会社を見つけたんです。そこになんとか滑り込み、ドット絵からスタートし、最終的には3Dモデリングやモーションなども学ぶことが出来ました。
それから東京に出てゲーム制作会社→広告代理店→遊技機会社→ガラケー・スマホのゲーム制作会社をデザイナーとして渡り歩き、一通りのデザインスキルを習得しました。
この経験を活かして、今度はマネジメントをやってみたいと思ったことから、『2DCG PlaNet Studio』に来ました。ここに来てからはほぼマネジメント専門で担当しています。

 Q. 最後に、スタジオの今後の展望について教えてください。

平間:今年は、いかにリモートワークで個人個人が成長のためのモチベーションを保ちながら仕事できるか、ということを目標にしています。

『2DCG PlaNet Studio』では、「現在(いま)の自分を超えろ」というビジョンを掲げています。これは、会社のために成長を求めるのではなく、クリエイター1人1人の将来に向けて、去年より今年、昨日より今日の自分が必ず成長していてほしいという願いを込めています。
コロナ禍でリモートワークになっている今、みんながフリーランスのような働き方になっていると思います。周りの同僚や先輩の働き方が見えづらい中、今の自分の仕事だけに満足してしまっていると必ず成長は止まります。そうならないような工夫を今年はやっていかないといけないと思っています。

クリエイティブ追求はクライアントに満足をしてもらうために不可欠な部分ではありますが、同時にスタジオから業界へ羽ばたいていく人を支援することにも重点を置いているため、スタジオのメンバーには今の自分に満足しないでほしいですね。

2DCGPlaNetStudio7

最後に・・・

4人とも、スキルアップやキャリアアップへの余念の無さがひしひしと伝わるインタビューでした。
実際にスタジオとしても、他スタジオとの協業で開発フローを学ぶ「クロスキャリア」や、フラットな関係でキャリア相談ができる「キャリア相談室」など、キャリアアップのための仕組みが体現されている点で力強い組織だと感じました。
また、皆さんご自分のチームのことをすごくワクワクした様子でお話ししていて、メンバー自身からも愛されているスタジオなのだと分かりました!

次回予告

次回は、シナリオ制作を行う『WRITE SAVERS』へ潜入調査!
・どんなチーム体制なの?
・どんな環境で制作しているの?
・働くメンバーにインタビュー!
をお届けします!お楽しみに!

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この記事を書いた人

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