【内定承諾、待たせるのって正直アリ?ナシ?】内定が複数出そうなときにやっておくべきことを転職のプロが解説!

はじめに
苦労して作り上げた応募書類が見事選考を突破して、面接ラッシュが始まった!
選考が上手く行き始めるタイミングって、何故か重なるんですよね……
実際にやってみるとわかるのですが、複数社の選考を同時並行で進めるのは思ったより大変。
忙殺され流されてしまわないよう、しっかりと軸を持って動く必要があります。
そこで、複数社で内定が出そうなときにやっておくべきこと、知っておいたほうがいいことについて、
・選考が進み始めたらまずやることは?
・選考を複数同時進行する上で大切なこと
・複数社受けている場合の内定承諾のタイミングって?
などの観点から、HIGH-FIVE転職エージェントの川原に教えてもらいました!


今回教えてくれた転職エージェント:川原 祥平
まずは選考の足並みを揃えよう
こんにちは、HIGH-FIVE転職エージェントの川原です。
複数社で選考が進みだしたとき、まず大切なのは「選考スケジュール管理」の徹底です。特に求人サイト等から自己応募している場合など、自分がどこに応募したのかすらあまり把握できていない方もいます。Excel等で可視化し、管理するようにしておくと便利です。
選考が進んでいる企業を把握できたら、なるべく進捗を揃えましょう。理由は、比較検討する余裕を残しておくため。内定フェーズに進むと、スケジュールによっては承諾までの期限を切られてしまい、冷静な判断がしづらくなってしまう可能性があります。慌てて決めなければならない状況を避けるためにも、内定が出そうな時期はできるだけ揃えられるようにしましょう。転職エージェント経由で応募している場合は、担当エージェントが「選考に時間がかかる企業」「一発で内定がでる企業」など特性を把握しているので、内定時期が揃うよう上手く調整してくれるはずです。打診された時間外での面接も交渉可能なことが多いので、気軽に相談してみてください。
スケジュールを管理しておきたいもう1つの理由は、「事前準備の時間」を確保するためです。転職活動をしている側からするとたくさんある中の1社でも、企業からすると大切な候補者のひとり。面接を無駄な時間にしないためにも、応募した求人内容の再確認や関連インタビューを読み込むなどして、きちんと1社1社面接対策しましょう。
逆にやらないほうが良いのは、志望順位を考えすぎること。自分の中でなんとなく持っておくことはもちろん構いませんが、現時点で志望順位が低いからといって対応がおろそかになってしまうのは、とてももったいないことです。事前準備の段階で抱いていた印象と面接での印象が全然違い、面接後に志望度が大きく上がったというのはリアルに「あるある」で、実際にそういう転職希望者の方を何人も見てきています。内定が出揃うまではある程度柔軟にとらえておいたほうが、結果的に良いと思います。
内定承諾するか考えるのは、最後まで選考を受けきってから
気を張って面接を受け続ける中、やっと最初の内定が出た。嬉しくてついそこに決めたくなってしまう気持ち、とてもよくわかります。それでも、最後まで選考を受けきってから考えることをおすすめします。先述のように、面接で話をした結果気持ちが変わることは、本当によくあることだからです。
一定の期限内であれば、内定先に承諾を待ってもらうことによるマイナスは一切ありません。不要に承諾を迫ってくる転職エージェントもいますが、「絶対に〇月から働きたい」という事情がある、もしくは今回の選考においてよほどの個社事情がない限り、気にする必要はありません。転職するのは自分なので、迷いがないようじっくり考えるべきです。そのためには、判断材料は多い方が絶対に良いはずなのです。例え最初に内定がでたのが第一志望の企業だったとしても、最後の選考まで受けきってそれでも気持ちが変わらなければ「やっぱり自分にはここなんだ!」と改めて意思を堅くできますし、他社の結果を聞かずに承諾して万が一入社後に「なんか違うな……」と感じてしまった場合、「あのとき他社を選んでいたほうが良かったのでは」という後悔が生まれてしまいます。選考時点で見送られていれば諦めもつきますが、選考を途中辞退した後にこのような後悔が生まれてしまうと、今の環境でつまづいたときに頑張り続けるモチベーションの妨げになる可能性があります。
なお「辞退するのが申し訳ないので、第一志望以外は面接やめておきます……」という方がいるのですが、第二志望・第三志望として最後まで選考を受けても全く問題ありません。転職エージェントはもちろん、企業側も応募者が複数受けていることは当然承知の上なので、他社と比較検討されることには慣れています。企業も応募者と同じように最終面接までやりきって辞退されたのなら致し方ないと考えますし、途中辞退された場合は「もっとこういう点で(条件UPなど)頑張れたのに」と思っていたかもしれません。そういった意味でも、最後まで選考を受け切らずに1社に決めてしまうのはもったいないことがわかります。
ちなみに内定辞退=悪ではないので必要以上に気にすることはないのですが、断るのが苦手な人ほど転職エージェントを経由しておくと安心かもしれませんね。辞退など直接言いづらいことも代わりに伝えてくれますし、選考の過程でも期待値調整をしてくれるので、応募先の企業は自社がいま応募者にどう思われているのか既に知っています。それに合わせて、懸念されている点を予めカバーしようと動いてくれることもあります。
複数内定が出たときの選び方
最後まで選考を受けきり内定が出揃ったら、最低でも一晩置く・できれば土日を挟むなどして、じっくり考えましょう。思考を整理するために、以下を紙に書き出すことをおすすめします。
①自分が転職したい背景
前職の何がネックで、何を叶えたくて転職をするのか?初期の段階に戻って改めて書き出してみましょう。これが転職の軸になります。
②内定先のGOOD/BADを整理する
①で棚卸しした軸に沿って、内定先企業の魅力と懸念点を整理しましょう。例えば通勤時間がネックで転職を考えていたならば、A社は通勤時間はほぼ変わらないが年収が高い、逆にB社はフルリモート可能だが年収は少し微妙……といったイメージです。
この場合、年収をとったとして、後悔せずに通勤し続けられるか?提示された年収が微妙でも、フルリモートのB社で自分の時間を作って勉強し、キャリアアップや副業でカバーはできないか?というふうに考えていきます(もちろん、「これだけ年収アップするなら通勤でも問題ない!」と心から思えるならA社でも良いでしょう)。
また年収比較に関しても、見た目の額で判断するのは尚早です。例えば年収500万円と520万円で打診された場合、単純比較だと当然520万円の方が良く見えますよね。でもここで500万円のほうの会社に1日1000円分のランチ補助がついていた場合はどうでしょう?月あたりの営業日が20日として月2万円、年間24万円分の補助が出るということは、年収524万円に相当するという考え方もあるわけです。
上記はわかりやすい例ですが、自己啓発費用として書籍代やセミナー受講代が出るなど、企業によって補助金が出る制度はさまざまです。細かいかもしれませんが福利厚生などの部分までしっかり見ておくと、迷ったときに判断しやすいと思います。
このように、それぞれの企業に強み・弱みの特徴がありますが、それらは相対的なものなので比較して初めてわかるものです。これらを分析するためにも、比較対象として2~3社内定があったほうがより良いことがわかりますよね。
企業の選び方についてはこちらの記事(『自分が本当に活躍できる会社』ってどんな会社?)でも解説していますので、迷った際はぜひ参考にしてみてください。
まとめ
複数社同時に選考を受けていると、現職の仕事も相まってどうしても忙殺されてしまいがち。「もう一番最初に内定でたとこでいいかも~~~」なんて思いが脳裏をよぎってしまうときの気持ち、編集部にも覚えがあります……。ですが今回の川原の解説を聞いて、次の環境でモチベーションを高く・長く保って活躍するためにも「最後まで受けきって自分で選ぶ」ことが大切なのだと編集部も思いを新たにしました!
面接ラッシュが始まりそうなあなたも、ラッシュ真っただ中で揺らいでいるあなたも、ぜひ本記事を参考に納得いく転職活動にしてくださいね。
この記事を書いた人


HIGH-FIVE編集部
