フリーランス、会社経営、そしてインハウスデザイナーへ。 ミクシィデザイン室長が語る「これからのデザイナーに求められるもの」 ~ミクシィ横山氏×クリーク・アンド・リバー社渡辺対談(前編)~

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はじめに

世界の流れとともに、求められるスキルが変化し続けるデザイン職。今後、デザイナーとして活躍するために必要なものは何なのでしょうか。

今回「HIGH-FIVE」では、株式会社ミクシィ(以下ミクシィ)デザイン本部クリエイティブ室室長・横山氏と、株式会社クリーク・アンド・リバー社(以下C&R社)執行役員・渡辺の対談インタビューを実施しました。
横山氏は渡辺の転職サポートを受けミクシィへ入社しており、ふたりは転職パートナーでもあります。
前編となる今回は、フリーランスや会社経営など、デザイナーとして多様な立場を経験した横山氏のキャリアを振り返りながら、「デザイナーのキャリア形成」と「これからのデザイナーに必要なスキル」について語っていただきました。

(プロフィール)
横山義之(写真右)
デザイン本部クリエイティブ室室長。デザイン事務所でキャリアをスタートし、フリーランス、デザイン会社起業から事業売却、カカクコムGrデザイン部長、メディア事業会社執行役員を経て、2019年1月ミクシィ入社。

渡辺和宏(写真左)
2002年株式会社クリーク・アンド・リバー社入社。映像分野で活躍する派遣就業クリエイターを担当、また制作受託の営業に従事。その後2005年から人材紹介事業を担当。クリエイター・エージェンシー・グループ執行役員。

「デザイン×経営」にデザイナーとしてチャレンジしたい

渡辺:対面でお話するのは久しぶりですね。お元気そうで (笑)

横山:お久しぶりです。渡辺さんもお元気そうですね (笑)

渡辺:早速ですが、横山さんはミクシィにご入社されてから現在まで、どのような仕事に取り組んでこられたのですか?

横山:はい。僕は入社以来、ミクシィの経営戦略とデザインの現場のベクトルを合わせるためのマネジメントをしてきました。ミクシィは200名位※のデザイナーが在籍している大規模な組織なので、経営の熱量を冷まさずにどうやって現場へ浸透させるかを試行錯誤しています。
※2021年3月31日現在、外部パートナー、組織開発/支援を行っている社員も含む。

渡辺:特に力を入れているのは、どんなことですか?

横山:“縦と横のつながり”を円滑にすることですね。先程の経営と現場の接続は“縦のつながり”ですが、デザイナー同士の“横のつながり”にも力を入れています。
ミクシィのデザイナーは「事業本部所属」と「デザイン本部所属」に分かれていますが、所属する部の垣根を超えたリレーションを奨励しています。部門を超えた活発な交流によってナレッジやノウハウをシェアすることができ、より質の高いクリエイティブアウトプットが生み出されると考えています。

また、デザイナーの評価やマインドセットの指針を定期的に発信し、アップデートするよう心がけています。評価については「評価基準が包括的な分、デザインに求められていることが分かりにくい」という声があったので、ミクシィの現行の目標設定や評価制度をデザイナー向けに翻訳し、内容をより明確にしました。
マインドセットについては、ミクシィが持つミッション「フォー・コミュニケーション」を実現するために、デザイナーである私達ひとりひとりはどうあるべきなのだろう?と常に自ら問い続けましょうと話しています。
デザイナーの評価や持つべきマインドセットは、社会の流れやミクシィの成長とともにアップデートし続けるものだと思うので、旗を振りながらベクトルを示しつつも、デザインの現場と一緒に解像度を高めていくようにしています。

渡辺:それは…まさに組織マネジメントですね。 渡辺:転職活動時に私は横山さんのご支援をさせていただいていたので、少し当時を振り返りたいのですが、そもそも転職を考えたきっかけや経緯はどんな思いからでしたか。

横山:僕は2019年1月にミクシィへ入社したのですが、その前年2018年5月に、経済産業省がデザイン経営宣言を発表しました。これを機に、デザインが事業や社会に与える影響が語られる機会が爆発的に増え、デザインに更なる期待がかけられるようになりました。

渡辺:たしかに、その頃から「デザイン×経営、CDO(Chief Design Officer)やCCO(Chief Creative Officer)」といったキーワードを聞く機会が随分と増えましたね。

横山:前職はWebメディアを運営する事業会社で、元気で優秀な若手ととても楽しく働いていたのですが、「デザイナーとしてこの流れにチャレンジしなくていいのかな」という思いは、いつも頭の片隅にありました。

そんな時、たまたま渡辺さんと情報交換する機会があり、コーヒー飲みながらあれこれ語り合い、それから連絡を取り合ううちに転職機運が高まっていきましたね(笑)

渡辺:転職する際に大切にしたいこととして、「世の中をより良くする事業を展開していること」「仕事に集中できる環境があること」「優秀な仲間を集め続けていること」、この3つを挙げていらっしゃったのをよく覚えていますよ。
そんな中、最終的にミクシィ社への入社を決断した決め手はどんなものでしたか。

横山:僕自身これまで経験したことのない規模の仕事にチャレンジできることと同時に、僕が経験してきたことをミクシィに還元することができれば、ミクシィがより良くなりそうな未来が見えたことが決め手ですね。

渡辺さんは、どうして僕にミクシィを紹介してくださったのですか?

渡辺:ミクシィはコミュニケーションを軸にした事業を展開していることもあって、透明性の高いコミュニケーションや相手に対する誠実さを企業文化として非常に重視されていますよね。「仲間と共に働くこと」を大切にしている横山さんにその文化がマッチすると思ったんです。

そして当時ミクシィ社は、SNSやソーシャルゲームで大きく成長を遂げ、これからさらに事業拡大を目指していくフェーズでもあったので、規模の大きい企業かつさらなるグロースを求められる環境は、今後の横山さんのキャリアにとってプラスになるはずだと。

横山:なるほど。ご紹介いただきありがとうございます(笑)

渡辺:そう言えば、たしか当時「仲間がいることは心強い」ともおっしゃっていましたよね。

横山:そうなんです。先程もデザイン経営宣言の話をしましたが、デザイン×経営の成果をこれから各社、あるいはデザインコミュニティ全体で出していくフェーズなので、ビジネスの現場ではまだまだデザインはチャレンジな場面も多く、時には上手くいかずに落ち込むこともあります。
そんな時でも、同じ視座で語れるデザインの部室長が何人もいるというのは心強いなと思ったんですよね。経営層にリーチできるデザイン責任者がいない企業もまだまだあるので。

渡辺:たしかに。それは複数の事業を展開しているミクシィならではの話かもしれませんね。

横山:彼らとはお互いが持つ強みやバックグラウンドが違うので、得意でないことは変わりに誰かがやる、というようにお互いを補いながらチームとして仕事に取り組めました。

デザイン事務所、フリーランス、起業、会社経営・・・様々な立場を経験してたどり着いた「組織をデザインする」ということ

渡辺:横山さんはここに至るまで、デザイナーとしていろいろな立場をご経験されていますよね。

横山:はい。キャリアのスタートはデザイン事務所で、毎日忙しくも楽しく働いていましたね。ただ、7年ほど過ぎた頃から、ネームバリューのある事務所で働く幸せを感じる一方で、「事務所の看板をとった時、僕はひとりで何ができるのだろう?どこまでいけるのだろう?」と腕試しをしたい気持ちが膨らんでいきました。そうして2006年にフリーランス、2011年に起業するに至ります。

渡辺:2000年以降、働き方の常識や価値観が大きく変化していた時でもありましたよね。

横山:そうですね。2006年フリーランスになってからも、「もっともっといける…」と思いながら働いていましたが、やがて「他のフリーランスと差別化するにはどうしたらいいのか」と考えるようになり、「株式会社を起業して、経営経験を持つことだ」と思い立ちました。
そうしてデザイン会社を4年間運営し、最大15人位のデザイナーと仕事をしながら、決算をして納税するという一連の流れを経験しました。その頃は「会社に関わる全ての経験が僕のポートフォリオになる」と信じてやっていましたね。

渡辺:フリーランスや起業、会社経営と、様々なキャリアを経験されて、再びデザイナーとして組織に戻ろうと考えたのはどんなきっかけがあったのですか。

横山:理由はいくつかあるのですが、僕個人の報酬が増えても幸せが増えなくなってしまったことが大きかったです。腕試しをするために始めたことなのに、周りから事業を大きくすることを求められるようになってきて、「何のためにこれやってたんだっけ?」となってしまって(笑)
このような経緯から、「僕はそもそも事業を大きくし続ける気概がないから代表の器ではない、向いていない」と考えるようになりました。

丁度その頃に、後に一緒に働くことになる前々職の代表と話しをする機会がありました。「様々なデザイナーと話をしているが、経営目線でデザインを率いることができる人が見つからない」という話を聞いて、「そこに需要があるのか…」と気付きました。ならば、これまでの経験を活かして企業に戻り、組織に貢献してみようと。組織に属するデザイナーとして再びチャレンジしようと決めたのはそれがきっかけですね。

渡辺:そういえば、横山さんの話で印象に残っているのが、会社経営時代に「自分で仕事を選べるようになったら、クリエイティビティが減った」とお話ししていたことです。自分で案件を選べるほうがデザイナーにとっては楽しそうにも思えますが・・・

横山:仕事を選べるようになると、面倒な仕事は断ることができてしまうので、厳しい制約や無理を言う人がだんだんと周りからいなくなるんですよね。
ただ、デザインが思わぬ場所にたどり着いたり、新しいアイデアが生まれたりする時って、実はそういう“厳しい制約や無理を言う人”がトリガーだったりするんです。

渡辺:“厳しい制約”や“無理”を解決していくのがクリエイティブやデザインですからね。組織に所属するというのもある意味では、制約がある環境ともいえますね。そういう枠がある中でスケールさせていく面白さは、確かにあるかもしれません。

これからのデザイナーには、課題解決力とビジネス思考が求められる

渡辺:横山さんは様々な立場を経験されてきたからこそ、デザイナーが世の中から求められている役割について人一倍考えられてきた方なのではないかなと思いますが、「インハウスデザイナーとして組織の中で働く意義や、デザイナーのキャリアパス」をどのように考えていますか?

横山:まず事業会社のインハウスで働く意義は、自らのデザインが企業の事業活動に直結する面白さがあること、人や社会とデザインがダイレクトにつながっているのを実感できること、この2つがあるのではないでしょうか。
ミクシィで言えば、プロダクトやサービスを通してたくさんのコミュニケーションが広がっていく喜びを感じられることが働く意義だと思います。

そして、事業会社でキャリアを作っていくには、何よりもまず、事業視点を手に入れることが大切です。事業視点を持つことさえできれば、プロダクトやサービスの開発工程のあらゆる場面にデザインすべきものや、デザインで解決できる課題があると気付けるはずです。
デザイナー自らが課題を見つけデザインしていくことで活躍の場は大きく広がり、企業の中でなくてはならない存在になれると思いますね。周りの期待を少しでも超えていくことが重要なのではないでしょうか。

渡辺:まだまだ、そのようなビジネスの視座を持ったデザイナーは、現状少ない印象ですね。

横山:さらに近年世界に目を向けると、CSR(企業の社会的責任)に代表されるような、企業のあり方や姿勢についてもデザインがリードしていくことが期待されてきています。共感社会におけるインハウスデザイナーが応えるべき仕事は、拡大し続けていくように感じますね。

渡辺:たしかに!インハウスデザイナーに限らず、世界の流れを常にキャッチアップできる力は今後すべてのデザイン人材に求められていくでしょうね。広く社会課題に対してデザインでアプローチできる方は市場価値が間違いなく高まるはずです。 渡辺:横山さんが考える「理想のデザイン組織」とは何でしょうか。

横山:理想のデザイン組織は企業によって異なるはずなので、僕は「ミクシィの理想のデザイン組織」を、ミクシィで働く仲間と一緒に作っていきたいと思っています。

ミクシィは事業を通して世の中のコミュニケーションをより豊かにしていくことを目指しているので、時代と共に変化し続けるコミュニケーションのあり方を、デザインし続けられる組織を目指していきたいです。

渡辺:ミクシィ社は、事業の成長や変化のスピードも速い企業なので、デザインだけでなくビジネスやテクノロジーも、実務の中で一気に学べそうな環境ですよね。

横山:自分から手をあげることができる方には、いつでも活躍と成長の機会が与えられるのはミクシィの良いところですね。事業と個人の成長を同時に達成できるようなデザイン組織を一緒に作りながら、デザイナー個人としてもユニークなキャリアを作っていきたい方がいらしたら、ぜひ一度お話ししてみたいですね!

終わりに

様々な環境で活躍されてきた横山氏ですが、一貫して「デザインが世の中を良くする」という思いを持っている姿がとても印象的でした。

ミクシィ社では、デザインスキルを高めていくことはもちろん、これからのデザイナーに求められる「デザイン以外の視点」を培うような組織づくりにも力を入れています。横山氏がマネジメントするデザイン本部では、デザインの力で一緒に世の中を豊かにしていく仲間を募集しています。

ミクシィの非公開求人も多数ご紹介することが可能ですので、まずはC&R社のエージェントへお気軽にご相談ください。

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