“社会実装力”を武器に、敢えて高難易度の案件で存在価値を発揮。Alceoが目指す「本当に使われる」ためのプロダクト開発とは
公開日:2025/10/28
変更日:2025/10/27

\Alceo担当エージェントが直接選考対策!/
「Hello world, Hello innovation. イノベーションを世界へ」をスローガンに、戦略から設計、開発、運用保守まで一気通貫で提供しているシンプレクス株式会社。その中でも注目したいのが、ビジネス×デザイン×テクノロジーを高度に融合させたデザインオフィス「Alceo(アルセオ)」です。
難易度の高い複雑な要件を満たし「実際に使われるためのプロダクト」を生み出すためのスペシャリストで組成されたAlceoは、2026年時点で60名規模のチームを目指し、UIデザイナー・UXデザイナー・UXリサーチャーを積極採用中です。
そこで今回は、シンプレクスの執行役員でAlceo責任者である武石さん(写真左)と、中途入社で活躍中のUXデザイナー粟井さん(写真右)に、Alceoが目指すビジョンややりがい、仕事の魅力について詳しいお話を伺いました。
目次
難易度の高い開発が得意なSIerから生まれた「UIUXデザイン専門チーム」
―――それではまず貴社の概要と、お二人の自己紹介をお願いします。
武石さん
当社は1997年に金融領域を主としたテックファームとして創業しました。金融機関内のリスク管理システムやディーリングシステムといった、ユーザーが限られているかつ金融工学の知識がないとアルゴリズムが組めないような難易度の高い開発を行っていたのですが、東証一部上場後の2005~2006年あたりから徐々にリテール向けのシステム開発にも進出し始めました。例えば、証券会社や FXの事業会社に対して、エンドユーザー向けのシステム提案と開発をするようになりました。
2000年代はまだUI/UXの考え方が日本であまり定着しておらず、エンジニアが画面構成を考えているような時代でした。2010年代後半には日本でもUI/UXが加速していきましたが、こと当社においては金融の中でもニッチな領域という参入障壁の高さも相まって、そのあたりの意識がワンテンポ遅れていたんですね。2016年時点でも、未だにエンジニアがExcelでワイヤーフレームを引いているような世界線にいました。
当時は私もエンジニアとして仕事をしていましたが、少しでも良いものを作りたくて、「より先進的な事例は何だろう」「皆はどのようにやっているんだろう」と模索しているうちに、これはもっとUI/UXに対して腰を据えてやっていかなければまずいという考えにたどり着きました。これがAlceoの前身であるUI/UX専門チームを立ち上げることになった背景です。
現在はAlceoという名前でブランディングを始めて4年目、前身のUI/UXチームから数えると6年目になります。「エンジニアがデザインチームを作る」というのは、一歩間違えるとディスブランディングになりかねません。売り物にするために必要なデザインクオリティを最初に把握しておくことが何より大切だと思ったので、外部のUX専門会社とも連携/協業をしながらノウハウを形にしつつ、外からも一流の人材を採用して組織を成長させてきました。
現在は50人ほどの組織となっており、UIデザイナー・UXデザイナー・UXリサーチャー・フロントエンドエンジニアが在籍しています。私自身はAlceoと、約100人規模の開発組織の統括を兼任しており、デザインと開発がシームレスに融合するような体制作りを進めています。
粟井さん
僕は社会人になって7年目で、当社が3社目です。新卒で入社した国内大手SIerでは、新規事業開発部でデザイン組織の立ち上げと、他事業部へのデザイン支援を担当していました。社会人としてまだ右も左もわからない頃にデザイン思考に触れて感銘を受け、その後デザインにどっぷり浸かっていくきっかけになりました。
2年半ほど活動した後、デザイナーとしてどこまで通用するかチャレンジしたいという思いから、UXに強みのあるデザイン会社に転職しました。たくさん勉強させていただきましたが、あくまで「デザイン」が主軸であるがゆえに、実装して世に出ていくまでの伴走が叶わないことにだんだんと違和感を持つようになりました。
そんな中、戦略コンサルや企画などさまざまな上流のロールで案件に携わっていると、自身の専門分野が定まらないように感じてきてしまって……。そこで、次のステップでは「デザイン+コンサルティング」または「デザイン+実装」のどちらかに特化して、しっかりと取り組みたいと考えるようになりました。そうして出会ったのがシンプレクスです。
シンプレクスは先ほど武石がお話したように開発・実装に強い会社で、さらにグループ企業としてXspear Consulting(クロスピア コンサルティング)というコンサルティング会社があります。同じグループ内で(コンサルと実装の)両方に携われることに魅力を感じ、今から2年ほど前に入社を決めました。
現在はUXデザイナーとして、公共サービス系、建設系といった大きめの業務システムを企画構想から体験設計、実際に画面を作るところまで、自分の手を動かしながら担当しています。規模にもよりますが常に1~3案件に携わっています。
技術はあって当たり前。重要なのは「クライアントのビジネスを推進する力」
―――現在は、非金融領域も手掛けられているのですね。
武石さん
やはり立ち上げ当初は金融機関向けのUXコンサルティングやデザイン案件が多かったのですが、今はむしろ金融以外の領域に注力しています。DXに追い風が吹いていることもあり、Alceoに限らずシンプレクスグループ全体として、金融以外の領域で付加価値を出せそうなところを攻めるという大きい戦略があります。またコンサルティングやUXデザインは営業のフックとしてもお話を聞いていただきやすく、そういった提案に特に反響があったのが公共や建設、メーカー、キャリア系などの領域だったというのもありますね。
私たちは高い金額でお客様からご発注いただいているので、難易度の高いプロジェクトをお任せいただかないと、付加価値を感じていただきづらいんです。そういう意味でも、業界で区切るというよりは、IT投資へ積極的な会社の複雑な案件の方がバリューを出せると考えています。
粟井さん
お客様のことを理解すればするほど要件が複雑になっていくのですが、そこでシンプレクスがもともと培ってきた技術力が活きてくるんです。要件を満たすデザイン力と、それを実装できる技術力を持っているというところが、品質の高さを感じていただける理由なのかなと思います。
武石さん
それでいうと、もちろんデザイン力や技術力はあって当然なのですが、私たちが真に付加価値として求められているのは「ビジネスを土台としたプロジェクト推進力」だと思っています。
例えば、官公庁系の案件は特にいろいろな省庁が複雑に絡んでいるので、依頼元の長の方のGOが出れば全てOKというわけにはいきません。だからこそ、私たちは関係各所と直接やりとりをしながら、依頼元と一緒に「次はきっと〇〇の部分を気にされるから、こういうゲームプランで話を持っていきましょう」というように作戦会議をしながら推し進めていくことが求められるんですよね。実際、粟井くんはそういう能力にすごく長けているんです。
粟井さん
若手であっても主体性が求められるので、当社のそういったスタンスが僕は好きです。今までいた環境で一番自由で、良い意味のプレッシャーや責任感をメンバー全員が持っているように感じます。担当案件に深くコミットしながら、全員がそれぞれの強みを持って、横並びで物事を一緒に決めていくスタンスが当たり前に備わっている。それが僕はすごく楽しいし、より良いものを作ることができる理由なんだろうなと思います。
―――前職では「自由度が高すぎて専門性が見えなくなった」というお話もありましたが、現在の「自由度」との違いは何だと思われますか?
粟井さん
自由度の目的が「クリエイティビティ」か「お客様のビジネス」かの違いなのかなと、最近考えています。もちろんクリエイティビティが求められる場はたくさんあって、それこそがデザイン会社の強みですし、Alceoにクリエイティビティがないということでも全くありません。
シンプレクスには「5DNA」という行動規範があり、その中に「Client first」というものがあります。どこの会社も言っていることだとは思いますが、プレイヤー「全員」がお客様のビジネスに目線を置いているということがすごく大事だと思うんです。極端な話、作るのは自分たちじゃなくてもいいと身を引けるかどうかって、すごく大きいと思うんですよね。僕は作りたいものを自由に作るためにクライアントワークをやっているわけではないので、そういう意識がしっかりと全員に根付いている上で自由度高く動けるところが、前職にいたときとの違いかなと思います。
武石さん
今年度から社内で専門のプロジェクトチームを作って、これまで作ったアセットのインデックス化を始めました。Alceoのメンバーが増えてきたので、最低限のクオリティレベルの目安や、迷った際のお手本を簡単に共有できるようなグランドルールとしてまとめているのですが、逆にいえばルールはその程度にとどめたいという意図でもあります。
5DNAやSimplex Philosophyといった行動規範があり、Alceoとしての価値観も存在していて、それらを全員で完璧に共有できていることが当社の強みです。その先の方法論や成果物例がまだなかったので今回作ったわけですが、それ以上の細かいルールは不要だという考えです。あとはビジネスパーソンとしてあるべき姿を日々メッセージさえし続けていれば、きっと大丈夫なんだろうなと思っています。
誰よりも深いユーザー理解と、「あくまで仮説」という割り切りの両立
―――その他、日々のお仕事で大切にしていることはありますか?
粟井さん
2つあります。1つ目は先ほどもお話しした「深くコミットすること」です。UXデザインというものは「自分がその立場だったらどうなるか」ということを深く理解しないと作れないと思っているので、例えば医療系のお客さんを担当する場合、医師を志す方向けの参考書まで読みます。そうすることで知識はもちろん、なんとなく言葉の使い方や考え方までインストールされるので、お客さんとの会話も合わせやすくなるんですよね。お客さんが変わるたびに完全にゼロからのスタートなので大変ではありますが、お客さんに本音で喋っていただくという意味でも、そこはまず大事にしている点です。
2つ目は、1つ目と少し矛盾するのですが(笑)、「とはいえ全て想像上の仮説でしかない」という割り切りです。いくらユーザーのことを考えて作ったとしても、ユーザーが置かれている状況や環境によって感想は一気に変わってしまいます。だからこそ、まずは実際にユーザーに当ててみて、柔軟に修正し、アップデートしていく。深くコミットしつつも過信はせず、アジャイル的に取り組むバランスを大事にしています。
武石さん
私が大切にしているのは、まず「期待値を超える」というマインドです。やはり高いフィーをいただいて外注していただく以上、自社内では生まれない新しい価値を提供しないといけないということは常に意識しています。
もうひとつ、「ユーザーリサーチを“ちゃんと”やる」ということはかなり強く意識しています。粟井くんの話とも少し重なるのですが、「わかっているつもり」から始まるプロジェクトも結構多くて、ユーザーリサーチが意外とないがしろにされがちです。コンテキストが違うだけでユーザーのマインドやUIへの期待値が変わるのはもちろん、何より私たちが自分の目で見て耳で聞くことで、初めて課題解決欲が湧いてくると思うんです。
複雑な案件を扱っているからこそ、ユーザーリサーチをしっかり行うことで迷ったときに立ち返るチェックポイントにもなります。どうしても予算やスケジュールの都合でお客様側がやりたくないという場合を除いて、基本的にユーザーリサーチはやる前提でプロジェクトプランを立てていますね。
「本当のやりがいって何だろう」と考えている人に来て欲しい
―――絶賛採用強化中とのことですが、そんな貴社にマッチしそうな方とは?
粟井さん
作ったものを「実際に世に出す」ことに目的意識を感じられるデザイナー、エンジニアには最適な場所なんじゃないかなと思います。冒頭にお話した技術力もそうですし、企画、開発、運用、グロースと幅広いフェーズに取り組める環境が整っているからです。
武石さん
実際、今シンプレクスを選んで入社してくれている人たちは、当社の「実装力」=作ったものをリリースして社会実装していく力に魅力を感じてくれた人たちがダントツで多いです。
これは私自身も話を聞いていて気づかされたのですが、分業制が進んでいる企業では、自分がUXデザイナーとして関わったプロジェクトがその後どうなったのかが一切わからずじまいで終わってしまう。あるいは、担当プロダクトが持つ実力以上の「見せ方」を考えることはできても、(機能追加など)実力そのものを高めるような直接的な関わり方はできない……そういったもどかしさを抱えて私たちのところに来てくれるんですね。ここなら自分で考えたものが実際に世に出て、その先のフィードバックも得られる。そこに魅力を感じている人がすごく多いです。
そういう意味で、自分の担当ロールを一通り経験した上で「自分にとっての本当のやりがいはなんだろう」と考え始めた人に向いているかもしれませんね。あとは成長意欲の高い方、仕事にコミットしてスキルアップとキャリアアップをしっかりやっていきたいと思っている人は、入社後の持続性が高いと思います。
当社は案件の単価が高い分、デザイナーの給与水準も相場より高めです。それだけ難易度の高いことをお願いしているということなんですが、そのあたりも程良いプレッシャーとしてキャリアアップ・スキルアップに繋がる良い循環になっているのかなと思います。
一方で、PoC(Proof of Concept=概念実証)のような「予算はつかないが実験的で面白そう」な取り組みには迂闊に手を出さないので、それがデザイナーからするとちょっと物足りなかったり、案件のバリエーションが少ないように映ったりする場合もあるかもしれません。ただ私たちは今確信を持ってそのポジションを獲りに行っているので、ここに共感していただけるようであればきっとwin-winなんじゃないかなと思います。
粟井さん
僕も内定の段階で(オファー年収の額に)びっくりしたのを覚えています(笑)。前職の給与はあまり意識されていなくて、本当にその人個人を見て提示してくれていると思います。選考結果が出るのも早かったですし、その意思決定の早さも良く映りました。年度ごとの評価も、自分が関わった上位者全員からの評価で決まるのですごく明確です。もちろん、常に良い結果になるとは限りませんが、何か目に見えない力学が働いているのではなく、目の前の上位者が自分をしっかり見てくれていることが実感できるのは魅力だなと思います。
―――新しい方を迎えて、どういう未来を目指したいですか?
粟井さん
さまざまなプロジェクトに関わらせていただく中で、業界や関わる領域など、もっと広げていく先があると感じています。というのも、新しく関わったエンジニアやコンサルの方と話していて「デザインの魅力や強さを初めて知った」と言っていただくことがあって、Alceoの強みやデザインの価値にはまだまだポテンシャルがあるんだと思ったんですよね。人が増えることによって、Alceoから出すもの全てにしっかりとデザイン思考でコミットしていく機会をどんどん増やしていけるといいなと思っています。
武石さん
定量的な目標としては、120人規模の組織にしたいと考えていて、まずは今年度中に60人程度にまでメンバーを増やす計画です。ゆくゆくは、日本一のプロダクトデザインチームと呼ばれるようになりたいと思っています。
―――ありがとうございます!それでは、最後に応募を検討している人へのメッセージをお願いします。
粟井さん
求められるレベルは高いですが、その分チャレンジできる機会や領域がかなり幅広いので、社会実装に対して興味があるならぜひ思い切ってチャレンジしてもらえたらと思います。
武石さん
最近の若い人が好むローリスク&ローリターンの真逆を行く、ある意味時代を逆行するところがある会社です。「デザインを真剣に考えていたら楽しくて、ついつい寝食を忘れて時間が過ぎていた」みたいな人が合うと思っています。とはいえ、本当にそうなってしまうと不健全なので良くないのですが(笑)、どこかにそういう価値観を持っている人であれば、当社の環境はとても良いと思います。ぜひ飛び込んできてもらいたいなと思います。
▼担当エージェント
カテゴリ
この記事を書いた人

HIGH-FIVE編集部

クリエイティブ業界に精通した転職エージェントが、一人ひとりの転職活動をきめ細かくフォロー。
ご登録いただくことで、あなたの強みを引き出し、企業との本質的なマッチングを叶えます。















