スマホゲームの知見を武器に「縦読みマンガ」で日本一を目指す。TOON CRACKERでゲーム・アニメ出身者が活躍している理由

公開日

2024/04/19

変更日

2024/04/26

縦スクロール型のフルカラーデジタルコミック、通称ウェブトゥーンの制作・プロデュースを幅広く手掛ける株式会社トゥーンクラッカー。2022年設立のスタートアップ企業でありながら順調にお問い合わせを増やし、2023年には楽天グループ株式会社のデジタルコミック配信サービス「R -TOON」の初期パートナーとなるなど、確実に足跡を残してきています。

2028年には3兆円を超えるとも予測されているウェブトゥーン市場で、さらなる成長を遂げるべくクリエイターを大募集中の同社に「今」ジョインする魅力について、クリエイティブ統括と採用を手掛ける鷲山さんにお話を伺いました。

PROFILE:
株式会社トゥーンクラッカー 取締役/クリエイティブ統括/制作担当役員 鷲山 優作
2011年にサイバーエージェントグループに中途入社し、クリエイティブディレクター、アートディレクター、UIUXデザイナーとしてサービス系アプリや数多くのスマホゲーム開発を手掛ける。採用、育成責任者として組織開発にも従事。2022年に取締役CCOとしてトゥーンクラッカーに参画。

ウェブトゥーンはすごく「夢がある」仕事

―――――改めて事業概要と、鷲山さんのご担当領域についてお伺いさせてください。

鷲山さん
基本的には出版社のような立ち位置で、様々なプラットフォームに縦スクロール漫画、一般的にウェブトゥーンと呼ばれる作品を制作・プロデュースをして出していくということをやっている会社です。
トゥーンクラッカーのR-TOON先行配信作品2022年に設立したばかりの若い会社なので、出していく作品の方向性はこれといって決めていません。今リリースしている作品(※上記画像参照)を見ていただけるとわかると思うのですが、各作品ジャンルもテイストも全然違う。まずはいろんな作品を作って可能性を探っていきたいので、何かのジャンルに絞ってやる予定は現時点ではないです。求職者の方や学生さんにもよく聞かれますが、基本的に現状はそういうスタンスです。

現状のウェブトゥーン市場で売れ線とされているジャンルはもういくつかあって、そういった王道ジャンルはしっかり作りつつ、これからどんどん大きく広がっていく日本の市場ならではの新しい作品をチャレンジ枠で作るという両軸でやっていきたいと思っています。

―――――王道の売れ線とチャレンジ枠、面白そうなものは幅広くなんでもというイメージですね。

鷲山さん
そうですね。その中での僕の役割は、いわゆる編集長です。ディレクター(編集者)陣を束ねたり、ネームや作画の工程などで「今ならこういう方針で作ると良さそう」とか「こういうことを大事にするといいかも」というようなディレクションをしています。

―――――作品の方向性を決めたり、実際にそれを動かしていくところまで担当されるんですね

鷲山さん
はい。あとは採用を含めた組織づくりも僕の役割ですね。いろいろやることがあって大変です(笑)。

―――――クリエイターの採用は、作品のクオリティにも関わってきますものね……!ちなみに、作品作りや採用において大事にしていることはありますか?

鷲山さん
日本一のウェブトゥーン会社を目指そうというのが最初にあって立ち上がった会社なので、目線としてまずはそこをゴールにしています。そのために面白い作品、魅力的な作品を作るというのはとても大事なことで、じゃあそれを成し遂げるためにはどういうメンバーが必要かというお話になるかと思うんですけど。

現在のメンバーに関しては、アニメやゲームなど様々なバックボーンを持っている人が集まってきています。日本のウェブトゥーン市場はまだまだこれからのフェーズなので、そういった成長が見込める市場で爪痕を残したいとか、一番を目指したいといった強い野心、目標を持っている人を歓迎しています。

あとは、すごく難しい課題に直面したり大変なことが起きても、手段を選ばずあらゆることを模索し、解決に向けてアクションを取れる人。具体的なアクションが難しくても、ちょっと声を上げてみよう、Slackで一文送ってみようとか、なんでもいいんです。

―――――今働いていらっしゃる方も実際にそういう方が多いですか?

鷲山さん
はい、何か思いついたら「鷲山さん、こういうのはどうですか?」という意見をめちゃめちゃ言ってきてくれます。僕も立場上は役員なんですが、普通の会社だったら現場のメンバーが役員に直接意見なんて言いづらいじゃないですか(笑)。でもガンガン言ってくる。そういうマインドを持たれている方だと弊社の現状の環境にはすごく合うのかなと思います。今も毎日のように色々な提案があるので、それにすごく助けられています。
メンバーについて語るトゥーンクラッカー鷲山さん「こうあるべき」とか「こうじゃないとダメ」みたいな凝り固まった価値観みたいなものが少ないメンバーが圧倒的に多いように思います。これから新しいもの、より良いものをどんどん作っていくという上では、そういう(価値観が凝り固まっていない)人の方が相性が良いと思います。

加えてウェブトゥーン業界はとにかくサイクルが早いので、変な話、昨日までは「Aが良い」と言われていたものが今日になったら「やっぱりBが良い」となることって結構あるんです。「昨日までAって言ってたのに、なんでそんなこと言うんだろう」ってなっちゃうと、そこで止まってしまう。変化を恐れない、むしろ楽しめる人だと、伸び伸び楽しく働けるんじゃないかなと思います。

―――――では、直近で取り組まれている目標は何ですか?

鷲山さん
会社としてはやはりヒット作、既にある人気作に並んで追い越せるような作品を1日でも早く作りたいですね。そして、そういった作品を再現性高くたくさん生み出せる状態に持っていきたいです。

あと、韓国のウェブトゥーン作品は歴史も長いし、優秀な作品も多くて、実写・アニメ・ゲームなどのメディアミックス事例がたくさんあるんですよ。基本的には、弊社の作る作品、携わっている作品もそういった(メディアミックス)展開を視野に入れてやっていきたいというのがあります。

―――――メディアミックス!すごく夢がありますね。

鷲山さん
原作者の立場でゲームやアニメになっていくのを眺めていられるって、すごく夢がありますよね。ここはかなりのポイントかなと思います。

僕は前職でスマホゲームを作っていたのですが、ゲームを原作にしたメディアミックスで映画やアニメになるのはほんの一部です。従来の横読み漫画やライトノベルなどが(映画やアニメになるものでは)やはり主流なわけですが、じゃあ漫画家になるか!小説家になるか!というのもなかなか難しい。一部の才覚を発揮されている人だけがなし得る、それが今まででいう「(メディアミックスの)原作」のポジションだったんです。

でもウェブトゥーンは従来のそれとは違って、環境や市場がどんどん開けてきているので、メディアミックス展開に対する夢がすごくある。また従来の漫画のように1人で全ての作業をする必要もなく、それぞれの得意を活かしてチームで作品を作りあげることができます。

―――――チームで作ったものがコンテンツとして生まれて広がっていくというのは、確かに今までとはちょっと違いますね。

鷲山さん
そうなんです。「漫画のコマ割りは上手に作れるけどお話を作るのはちょっと苦手」とか、「お話は作れるけどキャラデザや漫画にする能力には自信がない」など、「1つ得意なものはあるがそれ以外は苦手」という人でも活躍できるのがウェブトゥーンの世界なんです。

ウェブトゥーンの専門知識は入社後の研修やOJTで学べばOK

―――――現在の採用状況について教えてください。

鷲山さん
ディレクター、アートディレクター、作画クリエイター、ネームクリエイターの4職種が基本です。募集状況はその時々によりますが、ディレクターとアートディレクターは現在特に注力している職種です。

―――――そうなんですね!では働く環境に関してはいかがでしょうか?

鷲山さん
仕事で使うツールや環境は、基本的に入社される方の希望を聞いて揃えるようにしています。ワンフロアに全員の席があり、ディレクターの島、ネームの島、アートディレクター兼作画クリエイターの島と、デスクがざっくり分かれています。職種を横軸とすると、縦軸で作品ごとのチームもあり、1つの作品にディレクター、ネームクリエイター、アートディレクターと作画クリエイターがいます。このメンバーでミーティングや雑談などコミュニケーションを取りながら作品の制作を進めています。

―――――では入社後は、担当する作品のチームに配属されて、他職種の皆さんと協力しながら進めていく?

鷲山さん
そうです。もちろん同じ職種同士で島が固まっているので、わからないことや最初の導入に関しては、同じ職種の先輩についてもらって学んでもらうことができます。

特にネームクリエイターに関してはウェブトゥーンならではの要素が多分にあるので、雇用形態関係なく一律で研修があります。用意した課題をやっていただきながら、1ヶ月ぐらいかけて基本的な作り方、考え方を理解していただいた上で、本番に携わるという流れです。もちろんその間のお給料もしっかり出ます。

他の職種にはそういう課題研修はないですが、同じ職種の先輩クリエイターのサポートから入ってもらい、お仕事の流れやどういったものが必要になるか、どういう人たちとどうコミュニケーションを取るのかなどを少しずつ理解してから、担当作品を決めていくという流れになります。

―――――OJTのような感じですね!いきなり一人で放り込まれることがないので、とても安心だと思います。
働く環境について語るトゥーンクラッカー鷲山さん鷲山さん
OJTというと少し気恥ずかしいのですが(笑)、そうかもしれないですね。

表現したいものを裁量高く、速いサイクルで世に出せる

―――――他にもいろんなウェブトゥーンの会社がある中で、トゥーンクラッカーの魅力は何だと感じていらっしゃいますか?

鷲山さん
他社様との違いを強いて挙げるとすれば、代表の桑田も僕も元々スマートフォンゲームの会社でスマホ向けのコンテンツ製作や運用、宣伝に10何年と関わってきました。とにかくスマホにおけるコンテンツで良いものを作るということを、かなりやってきた自信があるんです。ウェブトゥーンが従来の漫画と違うポイントは「どれだけスマホに最適なものを作れるか」ということなので、そういったノウハウを持った経営陣がいるというのは1つ強みとしてあるかなと思います。

あと一概にはもちろん言えないですが……例えばゲームや他メディアの現場だと、アートディレクターってそんな簡単になれないと思うんです。御社(クリーク·アンド·リバー社)もゲームを作られている部署がありますよね。実際にアートディレクターをやっている人ってごく一部じゃないですか?

―――――確かに、そうかもしれません。

鷲山さん
人数に対してポジションが少ないので、そもそも打席に立ちたくても立てないんです。でもウェブトゥーン業界のアートディレクター、ディレクターであれば、比較的すぐに打席に立つことができます。世界観を自分で作ったり、キャラクターデザインはこうしようとか作画のトンマナをこうしたいとか、こういう狙いでこう設計したらきっとハマるよねみたいなものを、自分で仕切っていける。

下積みで経験を積んだ先にステップアップをしたくても、ベテランや中堅が上に詰まっていてチャンスが来ないというのは、エンタメ業界ではよくあると思うんです。そういう人はぜひウェブトゥーンに来てもらえたら良いと思っています。

ゲームやアニメといったエンタメコンテンツは、開発・制作に3~5年かかるのが普通です。仮に開発に5年かかる規模のスマホゲームを2本担当した場合、10年かかっているので(2本リリースしたときには)新卒で入社したとしてもそのときには32歳です。その点ウェブトゥーンは1本6ヶ月とか10ヶ月のサイクルなので、その速さで酸いも甘いも経験できると考えると、同じ10年後にはかなり大きな違いになるのかなと。

―――――なるほど……!それは実際に前職で鷲山さんも感じられていたモヤモヤだったりしたんでしょうか?

鷲山さん
僕個人はありがたいことにいろんな経験をさせてもらえたし、裁量も大きくいただけていたので、不満というものはなかったんです。でも、やっぱりスマホゲームも競争が激化していてクオリティ上げは年々シビアになり、それらに耐えうる作品を作るとなると開発期間に4、5年はどうしてもかかっちゃうというのがあって。自分のキャリアを考えたとき、あと2、3本作ったら年齢的にもう何歳で……というのがリアルに見えてしまったんですね。

そのときに、よりすごいものを作るためゲームの業界に骨を埋める覚悟で続けるか、新たなチャレンジをするか……というので周りを見渡した時に、ウェブトゥーンがすごく面白そうだったので「ここでチャレンジしよう」と思いました。

サイクルが早い分、僕自身もプレイヤーとしてたくさん携われるし、「原作が作れるかも」みたいな夢もあるスマホゲームを作っていた時とはまた違った面白ポイントが結構あるので、ゲームや他業界にいる方にも魅力が伝わると良いなと思っています。

モチベーションの源泉は人によって違いますが、「自分が考えているもの・表現したいものを世の中に出す」ということを、裁量高く実現できるというのは、とても魅力的なんじゃないかなと。

急成長中の新しい市場を、全員で試行錯誤して前に進む

―――――実際に新しい方が入社されたらまず何をやりたいですか?

鷲山さん
1日でも早く戦力になっていただいて、どんどん作品を作りたいですね。

―――――例えばゲームやアニメのような他業界から来る人だと、やはりディレクターやアートディレクターみたいなところが経験を活かしやすかったりするのでしょうか?

鷲山さん
特にそんなことはなくて、(ゲームやアニメ出身の方は)ネームや作画もできると思います。実際、弊社のメンバーでウェブトゥーン経験者って1割2割しかいないんです。漫画は作っていたけどウェブトゥーンはほとんど未経験とか、それはネームの人も作画の人もディレクターも、全てのポジションで同様です。

ポジション関係なく、僕たちもみんなと一緒に(ウェブトゥーンの)ノウハウを貯めていっている途中なので、他業界から来た方でも意見が言いやすいんじゃないかなと思います。「どんどん気づいたことは言ってくれ」と本当に毎日のように言っているので。

―――――経営陣も一緒になって最先端の情報をインプットしたり、「また何か状況が変わったらしいぞ!」のように日々試行錯誤しながら、全員で前に進んでいく……。そこがまた1つ御社の魅力のような気がします。
普段心がけていることについて語るトゥーンクラッカー鷲山さん鷲山さん
確かに「これ知ってます?」「この作品新しく出てたけど読んだ?」みたいな会話はよくしています。どの業界でも、「この人は信用できるな」という意思決定者って誰より情報収集しているものじゃないですか。やっぱりその辺はちゃんとやらないとと思っているので、負けられないですね(笑)。

―――――だんだん見えてきました!経験者が少ない新しい業界で、現場も経営陣も一緒になって試行錯誤しながら会社を動かしていく。既にセオリーがあるわけではない、本当の意味でのゼロイチができるというのは魅力だなと……!

鷲山さん
そうですね。作品作りもそうだし、このフェーズだと「今」いてくれてるメンバーって雇用形態関係なく会社のキーマンなんですよね。それこそ文化形成だったり、育成の土壌とか雰囲気作りみたいなことに協力してくれるメンバーが、ありがたいことに多いんですよ。

なので、ものづくりはもちろん、このフェーズの会社ならではの「一緒に会社も作れている感」もあるのかもしれないですね。もちろんそういったことに興味がない方に振ることはないですが、興味がある人だとなお楽しみやすいフェーズではあるかなと。

―――――この業界、この規模だからこその楽しみがありますね!それでは最後に、転職を考えている人にメッセージをお願いします。

鷲山さん
最初にも言いましたが、すごく高いところを目指しているので、大変な仕事ではありますが一緒に高い目標に向かって突き進めていける人を待っています。ぜひお力を貸してください!

―――――有難うございました!

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この記事を書いた人

HIGH-FIVE編集部
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