【東映アニメーション中途採用説明会レポート|前編】他社には真似できない強みと歴史を武器に“新しいアニメーション”へと挑む!

公開日:2023/03/30

変更日:2023/12/13

『ドラゴンボール』『ワンピース』『プリキュア』シリーズなど、これまで多くのアニメーション作品を手がけ、映画『ONE PIECE FILM RED』『THE FIRST SLAM DUNK』の大ヒットが記憶に新しい東映アニメーション株式会社。

同社としては初となる職種を広くまたいだ中途採用イベントが、2023年2月4日(土)・8日(水)の2日に渡って行われました。

今回は8日に行われた説明会より、「人事部による会社説明」および「企画・製作スタッフの登壇パート”現場からみた東映アニメーションでのお仕事”前半」について、当日の様子をお届けします。

仕事とプライベートを両立させやすい職場環境(人事部:石沢)

まず最初に、中途採用担当の人事部 石沢さんより、職場環境や働き方についてご紹介がありました。

コロナ禍をきっかけにフレックスタイム制度や在宅勤務制度の導入が進み、完全週休2日制かつ年間休日は120~130日程度。育児休職制度に関しては最長2年間、育児時短勤務制度も子どもが小学校6年生になるまで利用が可能など、想像以上に整った職場環境に驚かされます。

※スライドは2020年度、もしくは21年度の実績

石沢さん「育休取得率は女性で100%、男性は42.8%です。他社と比較しても高い方かなと思います」

事業所は都内に2か所。本社の中野オフィには製作部門以外の企画・営業・管理部門の機能が集約され、部署間の連携が取りやすいよう仕切りのないワンフロアになっているのが特徴です。

また製作部門である大泉スタジオは2017年11月に新スタジオとして生まれ変わった自社ビルで、フリーランスを含めるとなんと600名を超えるアニメーション製作スタッフが稼働中。アニメ製作専用に作られたスタジオのため、社内シアターやラッシュチェック用の専用ルーム、監督・演出・作画陣がとりまとめ時に集まるスタッフルームなど、専門設備が充実しているのも嬉しいポイントです。

石沢さん「企画力・製作技術に加え、利益を最大化させるIP用のノウハウがあり、また保有IPの知名度や海外子会社との連携によって世界へスケールさせやすいのも特徴。これらを全て自社で担える企業は、国内を見渡しても多くはないと思います」
中途採用に関しては直近2年で年間約50名ペースと積極的で、事業の発展に伴う人員増加とグローバル展開に向けた人材確保がその理由とのこと。単なる欠員補充ではない、ポジティブな採用背景も魅力の1つです。

続いて、特に採用熱の高い企画職におけるリアルな現場の様子と製作部全体についてのご紹介がありました。前編の本記事では、プロデューサー2名のお話を取り上げます。

スモールスタートでビジネスに挑戦できる(小池プロデューサー)

登壇者:東映アニメーション株式会社 プロデューサー 小池隆太
2017年にキャリア採用で入社。アシスタントプロデューサーとして、デジモンアドベンチャーtri.等に携わり、2022年12月3日(土)公開の映画『THE FIRST SLAM DUNK』では音楽プロデューサーなどを担当した。

企画部IP戦略室所属のプロデューサーである小池さんは、2017年にアシスタントプロデューサーとして中途入社。なんと前職は音楽レーベルで音楽の製作や宣伝業務に携わっていたとのことで、異業種からのキャリアチェンジ組です。アニメ好きが高じてアニメ製作・IP創出に興味を持ち、この世界に飛び込んだそう。

◆担当業務について

一言に「企画から納品まで」と言っても、小池さん個人としてはプロデューサーの業務に具体的な線引きはあまりないと感じているようです。

小池さん「どんなアニメを作って、どんなふうにビジネスをして、どんなふうに宣伝をして……といった、本当に最初から最後までどこにでも関わりますし、関わらなくてはいけないと思います。人によってはシナリオにコミットする人もいるでしょうし、私みたいに音楽のプロデュース業までやる人もいます。何でもできますし、何でも自分で決めるというようなことだと思います」

契約書作成のような細かい事務作業から、新しいビジネススキームの構築・回収エンジンの設計まで、全てがプロデューサー業の範疇と言えそうです。

◆大変なこと、やりがい

アニメプロデューサーにおける折衝業務は、主にクリエイターと営業部門のハブ。小池さんはその距離感に特殊な難しさを感じるものの、やりがいでもあるとのこと。

編集部としても意外だったのは、「新しいことを考え、挑戦する文化」です。歴史の長い会社はつい保守的な風土をイメージしてしまいますが、小池さんは「むしろ挑戦的でオフェンシブで、アグレッシブな姿勢を求められた」そう。特に映画のような長編アニメ製作においては莫大な時間とお金がかかるため、何か小さく始められるような企画を動かしながら、いつか花咲くような仕事を準備するという動きが必要だと語りました。
小池さん「そういった意味でスモールスタートなビジネスとかも色々挑戦させてもらえますし、そこはとても幸せな環境で働いています」

◆活かせる経験

すぐに活かせるのは、色んなものの間に立つ「折衝業務経験」。意外にも動画編集の経験やツールの使用経験などについては「めちゃくちゃ触る機会が多いので、逆に今使えなくてもすぐに使えるようになります(笑)」とのことでした。

◆一緒に働きたい人物像

小池さんが一緒に働きたいのは、「企画をよく立てられる人」。具体的には、世の中の流れに広くアンテナを張っていたり、逆に興味があることに狭く深くコミットして、常に楽しいことや求められていることを考えているような人が当てはまるようです。

小池さん「自分の場合は音楽業界にいたということもあって、音楽についてはすごく専門的に知っているので、音楽の企画などをよく提出しています。何か自分にとって得意なものがある人ほど、企画は立てやすいのではないかと思います」

▼小池さんの詳しいインタビューはこちら
大手ならではの安定感と、スモールスタートへの理解。アニメプロデューサー・小池隆太の考える東映アニメーションの魅力

前職で培った経験やコミュニティを活かし、各部門のハブになる(橋本プロデューサー)

登壇者:東映アニメーション株式会社 プロデューサー 橋本信太郎
2017年にキャリア採用で入社。前職は制作会社のアニメーションプロデューサー。プロデューサー補として「第6期ゲゲゲの鬼太郎」「TVシリーズワンピース」に携わり、現在放送中の「デジモンゴーストゲーム」ではプロデューサーを務める。

主にTVシリーズを手掛けているプロデューサー・橋本さんは、キャリア採用組の中でも前職からのアニメーションプロデューサー経験者です。様々なコンテンツと連動したアニメーション映像を、企画の立場からプロデュースしたいと思ったのが転職を決めた理由だったそう。

◆担当業務について

製作の前半工程にあたるプリプロダクションでは、企画・開発からビジネススキームの構成、契約宣伝施策、作品のシナリオ開発、メインスタッフの選定。その後、後半工程にあたるポストプロダクションで音声収録を始めとしたキャスティング、音響工程の構築から作品映像の納品に至るまでを、製作現場のスタッフと連携しながら担当しているそう。また企画・映像製作に加え、潤滑油的な形で営業部門をはじめとした全部門との連携もプロデューサーが担っています。

なおTV、配信などのシリーズものは4クール以上の長期間放送される作品が多く、また毎週納品作業があるために週単位で決まったルーティンで動くことが多いようです。

◆大変なこと・やりがいについて

アニメーション製作には、数多くの人間が関わるもの。社内外問わず多くのスタッフと連携を取り、上手く調整をしていく必要がある点が、橋本さんの感じるプロデューサー業の大変な部分とのこと。

橋本さん「また、オリジナル要素の強い作品に関しては1からストーリー・キャラクター・キャラクターの性格・世界観などを構築していく必要があります。苦労が耐えませんが、逆にすごく楽しい部分があるなという風にも思っています」

苦労して作り上げた作品が視聴者から「面白かったよ」と言ってもらえることが橋本さんにとって1番のやりがいだそうです。

◆一緒に働きたい人物像

橋本さん「もう言うまでもなく、映像製作が好きな人というのが重要かと思います」

また、職務上どうしても調整役に回ることが多いため、社内外問わず調整できるような経験値は重要とのこと。

橋本さん自身も「今まで培った知見やコミュニティを生かして力を発揮してほしい」と言われたことが転職の決め手だったそうで、「今後は企画プロデューサーがビジネスの中心となり、社内各部門との相乗効果で効果的に展開するような映像製作にチャレンジしたい」と語っていました。

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HIGH-FIVE編集部
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