ビジネス×ユーザー体験、目まぐるしい変化×長期的思考……圧倒的成長を続けるワンキャリアの比類なき“バランス感覚”とは
公開日:2025/04/22
変更日:2025/05/07

「人の数だけ、キャリアをつくる。」をミッションに、仕事選びに関するあらゆるデータを可視化したキャリアデータプラットフォーム事業を展開する株式会社ワンキャリア。創業当初から求職者ファーストに振り切り続けた結果、新卒採用メディア「ONE CAREER」は就活サイトとしては後発ながらも、今や約3人に2人(※)の学生が利用する主要サービスの1つとなっています。
※各大学もしくは大学院を卒業するユーザーの、就職者数の総数に対するシェア率。 2024年12月末時点の実績。
着実な成長を続ける同社は、今後のさらなる事業拡大を見据え様々な職種で採用を強化中です。今回はワンキャリアのデザイン組織およびUI/UXデザイナーのお仕事について、執行役員CTOの岩本さんとデザインマネージャーの守田さんに詳しいお話を伺いました。
■PROFILE(敬称略)
執行役員CTO 技術開発部 部長 岩本さん(写真左)
技術開発部 デザインチーム マネージャー 守田さん(写真右)
徹底的に“求職者ファースト”。デザイナーはユーザー体験を守る最後の砦
―――さっそくですが、まずは事業概要とおふたりのご担当領域についてお願いします。
岩本さん
ワンキャリアは、新卒の就職活動領域および中途領域において、サービスを展開しています。
新卒領域の「ONE CAREER」は創業当初から展開しているサービスで、先輩の就職活動の体験談やエントリーシート、会社の探し方、希望の会社に入るための対策といったコンテンツが豊富に掲載されています。またそれらの情報を目的にご登録いただいた求職者の方々へ向けて、企業が求人掲載やスカウト送信ができる人事向け採用クラウド「ONE CAREER CLOUD」も展開しています。YouTubeライブでの説明会配信や、オフラインでの合同企業説明会など、新卒採用をトータルでサポートするサービスを提供しています。
中途領域は「ONE CAREER PLUS」というサービスで、2021年にリリースしました。コンセプトを「次のキャリアが見える、転職サイト」と打ち出しています。新卒領域同様、ユーザーからクチコミ情報を集めており、中でも「どの企業からどの企業に転職したのか」という転職経路を明らかにする情報を投稿いただいています。それによってユーザーは、今の会社で得た経験を次はどこでどのように生かしていくのかといったキャリアプランを検討する際の参考にすることができます。
私は、執行役員CTOとして全プロダクトの企画、デザイン、実装までの全てを管掌しています。
守田さん
私はUI/UXデザインチームのマネージャーとして2名をマネジメントしつつ、私自身も主にtoBプロダクトのデザインを担っています。デザイン組織は私を含め3名のデザイナーが在籍していて、全員がそれぞれ軸足を置くメイン担当を持ちながらワンキャリアの全サービスを包括的に見ています。デザイナー本人の希望や個々のタスク量なども鑑みつつ、臨機応変に対応するようにしています。
―――普段toBのプロダクトを担当されている中、スポットでtoCのお仕事をする場合、ギャップはないのでしょうか?
守田さん
もちろんプロダクトが異なるので、考えることもデザインのコンポーネントも違いはあります。ただ普段から全員で相互レビューをするようにしていて、デザインを見たことがないとか、データを触ったことがないといったことはないようにしているので、プロダクト間の行き来はスムーズにできていると思います。
―――なるほど……!では続いて、現時点でのおふたりの目標や展望などはありますか?守田さん
弊社に興味を持ってくださった方と一緒に、その人のやりたいことと事業上やりたいことを可能な限りすり合わせながら両方実現していきたいですね。現状、複数のプロダクトが存在し、それぞれやりたいことが多数ある一方で、それを実現できる人数は他社に比べたら少なめです。また今はプロジェクト内でデザインする仕事がほとんどなので、メンバーが増えた際はユーザーインタビューやデザインシステム管理などにもメイン担当を立てて、今の仕事とさらに深く丁寧に向き合うことができると思います。
岩本さん
現時点で新卒領域のtoC・toB、中途領域と大きく3つプロダクトがありますが、開発チームはその倍くらい存在しています。理想としては開発1チームにつきデザイナーが1人ずついる体制がいいなと思っています。やはり各チームに専任のデザイナーがいることで新しいことを考えやすくなりますし、フロントエンドの実装と連動してデザインシステムを作るといったことにも取り組みやすくなるんじゃないかなと思っています。
―――前向きに、より良い状態を目指していくための採用強化ということですね。
岩本さん
はい。デザイン組織として目指したい未来のポイントは3つあります。
1つ目はプロダクトや領域におけるデザイン担当を流動的に保つことです。例えば、転職を踏まえた先々のキャリアを就職活動の段階から考えやすいよう、2024年8月に新卒採用メディア「ONE CAREER」、エンジニア学生向け新卒採用メディア「ONE CAREER for Engineer」と中途採用メディア「ONE CAREER PLUS」のユーザーIDを統合しました。領域をまたいでも同じ体験の中で使っていただけるよう、これらを接続するUI/UXが重要です。一社目の内定から最初の転職を考えるまでの数年の間、ユーザーにとってノイズにならない形でキャリアのことを頭に残しておけるプロダクト作りというのは、難易度が高くやりがいのあるチャレンジだなと思っています。そういう意味で、現状もそうではあるのですが、今後もデザイナーの担当領域によって分断されない組織作りをしたいと思っています。
2つ目のポイントは、当社のコアバリューである「エンドユーザーファースト」がサービスの開発にも効いているということです。人材系の事業は求職者と企業をマッチさせることでビジネスが成立するため、売り上げが発生するのは企業側からというのが特性ですが、これには求職者側に金銭的な負担がかからない一方で、企業側の視点が強いサービスになってしまう側面があります。「情報の非対称性をなくしたい」というのが弊社の創業時から一貫している想いなので、選考過程のデータをあえて公開するなど、あくまで「求職者にとって」良いサービスであることを大切にしています。そのためには、利益を追求する役割のPdMや経営陣に対し、デザイナーがユーザー体験を守る最後の砦となって、双方のバランスを保てるような組織でありたいと考えています。
最後の3つ目ですが、デザイナーは専門職だと考えているので、常にスキルを向上させていく組織にしたいです。ユーザーの声を集め、事業戦略とのバランスやシステムとの整合性も踏まえた上で、スピード感を持ってクオリティ高くデザインを落としこんでいくためには、やはりデザイナーのスキルが重要です。そのための勉強会は頻繁に行っていますし、そういったことを大切にする組織でありたいです。
守田さん
勉強会に関しては、PdMの方も含め「プロダクトデザイン」というカテゴリーで、週に1度開催しています。期初に全員でテーマを決めて運用していて、毎週1人ずつ学習した内容を発表するLT会(Lightning Talks=短いプレゼンテーション)や、テーマに沿った関連書籍を使ったワークなどを行っています。また、社内にコーポレートデザイン室という別のデザイン部もあり、交流会という形で直近のアウトプットやデザイン中の思考などをシェアする会を月1で行ったりもしています。
ビジネスとユーザー体験の両立を、他にない高水準で追求する
―――ワンキャリアのデザインチームとして大切にしていることはありますか?
岩本さん
プロダクト開発をビジネス的な観点から考えた場合、機能の利用率などKPIを設定・計測し数字を高めていくことが重要です。一方、ユーザー体験の観点から考えた場合、本当に気の利いたプロダクトとはむしろそういった数字に表れない部分がしっかりとケアされているものです。我々は株式会社なのであくまで利益を上げていくことが大前提でありながら、先述のようなビジネスとユーザー体験の両立に関しては、常に意識して取り組んでいます。単純比較はできませんが、おそらく他社ではやらないようなレベルで追求している自負があります。
具体的にやっていることとしては、まず開発におけるリターンとコストを都度算出して、売り上げに対するインパクトをデザイナー、PdM、エンジニアが一緒に話し合いながら一つひとつ設定しています。例えば「求人へのエントリー数」はわかりやすいリターン指標の1つですが、求人一覧画面のデザインを変更した場合、最終的なエントリー数にどれくらいポジティブな影響がありそうか、その先の売り上げに対してはどれくらいヒットしそうか……といった具合で話し合い、決めていきます。一方で、開発工数の一定の比率は、リターンを明確化せずともチームの裁量で行えるようにしています。それにより、ユーザー体験を守る立場として「リターンは考慮せずユーザー体験を優先する」といった意思決定をチームで行えるようになっています。もちろん最終的な責任の所在は私にありますが、自由度が高くて裁量も大きいというところが弊社のデザイナーの難しくもおもしろいところでもあるかもしれませんね。
―――何をリターンとするかはマネージャーの皆さんから降りてくるのですか?
岩本さん
いえ、見込んでいるリターンや具体的な費用に関しては、メンバーから申請をあげるフローになっています。結果的に各チームのリーダーが取りまとめることにはなりますが、中身の数字は現場で作っていますね。
守田さん
何故やるのか、何のリターンを見込むのかというところから一緒に考えるので、よくわからないプロジェクトが上から降りてくるといったことは本当にないですね。「これはユーザーにとってプラスになる改修ではないのではないか」といったことも忌憚なく発言できる環境なので、納得感がないまま作るといったこともありません。
―――メンバーからの申請制だと、「このくらいのリターンを見込める」ではなく「見込みたい」といった意志も入ってきそうな印象なのですが、支障はないのですか?
岩本さん
最終的にはどうしても決めの要素が除けない部分はあります。ただ、事前にユーザーインタビューを行うなど「保守的に見てもこのくらいのリターンはあるよね」といった客観的な説明はなるべくできるようにしてもらっています。事前調査ができない場合はまず概算で申請をあげつつ、結果がネガティブに触れるなら再度検討して申請し、ポジティブに触れるならそのまま進めていく感じですね。ABテストを繰り返しながら、狙った数字に到達したら本番適用といったやり方をすることもあります。
―――なるほど!常に仮説と検証をシビアに繰り返しつつも、定量に寄りすぎないバッファを許容しながら、最後はデザイナーが砦となってユーザーを守っている……。
岩本さん
仰る通りです。とはいえ、長期的に考えて本質的に良いプロダクトにユーザーはついてくるはずなので、どちらにしろ良いものを作れば良いという解釈ですね。
圧倒的成長率を続けながら、常に本質を問う文化
―――それでは、そんなワンキャリアにはどういった方がマッチしそうですか?
守田さん
少なくとも「数字に興味がある人」ですね。先ほどの岩本の話にもあったように、自分のやったことがどう売上に繋がるのか、ちゃんと興味と責任を持てる人。あとはやはりユーザー体験を守る最後の砦でもあるので「ユーザーに興味を持てる人」です。ユーザーが何を望んでいるのか、どうなったら嬉しいのか、逆に何が嫌なのか……それらをユーザーインタビューで自ら取りに行くことが苦にならない人がマッチすると思います。
岩本さん
共感能力や想像力の高さがすごく大切だなと思っています。現在、新卒の求職者の約3分の2以上がONE CAREERをご利用くださっているのですが、それはつまり、多様な方々が我々のユーザーにいるということを意味しています。大学、地方、理系や文系などによっても感じ方は変わってくるはずなので、いろんな人格を自分に憑依させて、その憑依した自分でデザインできることが大切だと思っています。
また、お互いに同僚を尊敬する気持ちの高い人はすごくマッチすると思いますね。弊社のコアバリューの1つに「誠実さ」があるのですが、私自身ワンキャリアに転職してきて、人間関係で悩まされることが全くないんです。これは他のメンバーからもよく聞くことで、部署ごとにカラーはありますが、前提としてどんな距離感であってもお互いのアウトプットにリスペクトを持って接しているからなんですよね。特にワンキャリアはその部分をよく感じられる環境なので、リスペクトを持てる方に入ってきていただけると会社がより良くなるなと思います。
―――その他、おふたりが実際にワンキャリアで働いていて魅力に感じるポイントはありますか?守田さん
「誠実さ」でいうと確かに、人に対しても仕事に対しても誠実な人が多いと感じます。成果を上げるために個人が工夫するということを、誰に言われずとも全員がやっているんです。目の前のことから逃げないし、「これくらいでいっか」みたいな妥協がないんですよね。もちろん人それぞれに合った働き方がありますが、頑張ることを楽しめる人が多いというのは弊社の良いところだなと思います。
岩本さん
成長率が高いところは魅力だと思います。現在、当社は9期連続で増収、5期連続で最高益を更新しているのですが、売上が増えるということは社員やプロダクトも増えていくので、それによってさまざまなポジションが新たに生まれることになります。多様なキャリアを経験したい方にとっては、周りの環境が自然と変わっていくので、常に新しいことに取り組むことができます。私自身、その部分をすごく楽しんでいます。
往々にしてそういった環境はカオスになりがちですが、そんな状況でもコアバリューである「本質的・長期的思考」をする方が多いんです。特にプロダクトは少なくとも5年スパンで動いていくものなので、目まぐるしく変わっていく環境ではありつつも、本当に必要なものは何なのか長期目線で常に問いながら動いているところが、上手くバランスを取れている理由なのかなと思います。
あと、Slack上ではただ感謝だけを伝えるサンクスチャンネルが活発に動いているのですが、仲間同士で些細なことでも感謝を伝え合う文化が根付いているところも魅力だと思います。会社の成長スピードが早いとその分課題に直面する回数も増えますが、自分自身が肯定されている感覚を味わいながら仕事をできるのが良いなと。単純に気持ちいいですしね。
―――有難うございます!それでは最後に、応募を検討している方に向けてメッセージをお願いします。
守田さん
やりたいことができる裁量がありながら、適度な負荷の中でやりがいを感じて働くことができ、とても良い環境だなと思っています。勢いやパッションだけではなく、論理的に本当にベストな方法を考えて、提案して、話し合うことができます。デザイン領域において、自分のできることを伸ばしていきたい方にはとても向いている会社だと思うので、ぜひ仲間になってほしいです。
岩本さん
「人の数だけ、キャリアをつくる。」というミッションがあるように、我々は集めたデータをもとにより良いサービスを作っています。ようやく新卒事業が市場で一定の存在感を示し、さらに︎ワンキャリア IDによって新卒と中途がサービス上で繋がるようになりました。キャリアとは、新卒だけでなくその先20年、30年と続くものです。そのためのベースがようやく整って、ここから実際にキャリア作りを支援するプロダクトを一緒に作っていけるフェーズです。そういったことに興味のある方は、きっと楽しく取り組んでいただけると思います。
この記事を書いた人


HIGH-FIVE編集部

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