漫画愛があれば、未経験から編集者を目指せる。comico編集部の「チームでヒットを生む」現在と未来

公開日:2025/12/18

変更日:2025/12/18

NHN comicoの担当エージェントが直接選考サポート!

縦スクロール&フルカラーの漫画サービス「comico(コミコ)」を運営するNHN comico株式会社。日本におけるWEBTOONのパイオニアとして12年目に突入し、国内累計ダウンロード数は2,500万件を突破しています。

多くの作品が世に誕生し、縦型動画の発展に伴う映像化も加速している今、comicoではさらなる発展に向けて「WEBTOON編集者」の採用を絶賛強化中です。経験者採用がほとんどの編集職において、異業種からの未経験スタートも歓迎している今回の募集はまさに嬉しいチャンス!

WEBTOON編集に必要な要素とは?comicoでWEBTOONに携わる魅力とは?ご自身も未経験から編集者となったcomico編集長のTさん(写真左)と、漫画編集経験者で編集マネージャーのNさん(写真右)に、さっそく詳しいお話を伺ってきました。

経験者は即戦力として、未経験でもマーケティングスキルを活かして夢の編集者へ

編集長Tさん
NHN comico株式会社は、「WEBTOONの制作」「作品の流通」「漫画アプリcomicoのプラットフォーム運営」と、3つの事業を展開しています。
NHN comico外観漫画アプリcomicoは、2013年10月にローンチしたサービスです。日本で初めてWEBTOON=縦カラー漫画を制作・配信して、今年で12周年を迎えます。当初は全作品無料で読めるビジネスモデルでしたが、途中から「待てば無料」という有料モデルに転換しており、私たちはその転換期以降に入社したメンバーです。

私は現在入社7年目で(※取材は2025年8月)、前職は電子書籍ストアのWebディレクターとしてストアを運営したり、Webマーケターとしてマス広告、SNS、コンテンツマーケティングなどを担当したりしていました。編集者としてのキャリアはcomicoからスタートしています。

最初はいち編集として入社しましたが、2021年から編集チームのマネージャーとしてcomico編集長を務め、現在は部長として編集部全体を統括しています。

Nさん
私は2018年の9月入社で、編集長Tよりも少しだけ早めに入社しました。前職は、見開きの漫画やライトノベルなど(以降、見開き)の編集をしていました。2024年に編集マネージャーになりまして、現在も担当作品を持ちながらチームの管理を行っています。

―――御社はプレイングマネージャー型なのですね。

編集長Tさん
はい。Nはマネージャーでありながら、チーム内では最多の連載作品を担当しています。流石に私はマネジメントがメイン業務ですが、元々漫画編集がやりたくて転職したこともあり、編集者として自分でもヒットを出し続けたいので、1~2本ほど担当しています。

―――クリエイター魂ですね……!Nさんはチーム最多本数とのことですが、何作品担当されているのでしょうか。

Nさん
連載中のものは6本ですね。準備中や企画中の作品も含めると、合計10本ほどを頭の中で動かしています。担当作家さんと相談して企画を連載会議にあげて、承認されたら制作を進めていくというフローなので、既存の作家さんとやり取りしたり、新しい作家さんとの出会いを増やしていったりする中で、少しずつ増えていったという感じです。
comico代表作―――おふたりの入社のきっかけは何だったのでしょうか?業界は近しいものの、WEBTOONど真ん中ではなかったということですが……。

Nさん
スマホ特化の形式や縦型ならではの表現に新しい可能性を感じて「私もやってみたい」と思ったのがきっかけです。当時はWEBTOON発展期で、comico=WEBTOONというイメージだったので応募してみました。

チャレンジではありましたが、どちらかというと「同じ漫画だし、まあできるか」と甘く考えていましたね(笑)。実際は表現や技法が大きく違うので、戸惑ったところもあるんですが、演出自体はそんなに難しくなくて、WEBTOONなりの技法を蓄積させていくのは楽しかったです。特にWEBTOONは分業制なので、仕組み化して再現性を高めていくこともでき、漫画家さんに対する考え方が以前よりも柔軟になったと思います。

それでも作家さんと協働してストーリーを作るというのは一緒ですし、WEBTOONでも分業をせず、ストーリー作りから着色まで一人で完成させる個人作家さんもいらっしゃるので、個人作家さんとやる時は作家さんがやりたいこと、得意なことなどの持ち味と、読者の求めるものをすり合わせて作っていくところは共通で、大きな違いはなかったなと思います。

編集長Tさん
私は漫画を「売る」側の立場だったのですが、漫画を「作る」側に行きたいという気持ちがずっとありました。転職活動は見開き・WEBTOON問わず、とにかく漫画の編集に未経験からでも挑戦させてもらえるところを軸に探していて、その中でご縁があったという形です。
編集長Tさん漫画編集の経験は無かったものの、電子書籍ストア時代に漫画・文字もの全般のプロモーションを考えて作品売上を管理していた経験や、SEOやSNS、マス広告も含めたマーケティング全般の知識を活かし、自分が向き合っていた読者に近い目線で、作るだけではなく売り方も含めた提案ができる編集者になれたらと考えました。だからこそ、中途入社でも自由に提案させてもらえる環境がいいなと思っていて、それがcomicoを選んだ決め手でしたね。

―――スマホライクのメディアだからこそ、Webディレクター・マーケター時代の経験が活きたのですね!

編集長Tさん
そうですね。WEBTOONは従来の見開き漫画とは違い、スマホで読むために最適化されているので、まずはcomicoの読者を分析して、漫画を読み慣れていないユーザーにも刺さる表現はどういうものか、その作品が世に出る時にどういうキャッチコピーで、どういうプロモーションをすれば読者に届くのかなど、自分が持っている経験を武器にしようと考えたのがスタートでした。

スター編集に頼るのではなく、チームでヒットを創る

―――おふたりとも、形は違えど新しいチャレンジだったと思いますが、入社にあたって不安はなかったですか?

編集長Tさん
最初は当然、未経験ということで周囲の経験者に追いつけるのだろうかという不安はありました。ただ、当時の編集長(元小学館の武者正昭氏)や顧問(元週刊少年ジャンプ編集長の鳥嶋和彦氏)など、業界の大先輩方と関わらせていただく機会が多く、新人の自分が生意気に意見したことなども、「良いね」と面白がって聞いてくださったんです。そのおかげで、あまりコンプレックスを感じることなく「自由にやってみよう」と思えるようになりました。

見開きとWEBTOON、昭和と令和という違いはありながらも、漫画の原理原則は変わりません。毎月勉強会などを開いて議論しつつ、最後は常に「あとはあなたが選んでいきなさい」と、選択権は自分にあるという話をされていました。その最初の3~4年で、編集者としての基本軸が作られたことを思うと、出会いに恵まれたなと感じます。いま編集長を務めているのも、その時に言われた言葉がベースになっているところも多いです。

あとは、comicoの方々は全体的に穏やかで、社歴や年齢、部署を問わず、業務のことなどを気軽に相談しあえる仲でした。雰囲気が良いというのは大きかったですね。

Nさん
私は特に不安はなかったんですが、社内の雰囲気は大きかったですね。昔ながらの出版社は多少体育会系な部分もあるのですが、それに比べるとおっとりした人たちが多いです。NHNグループはIT企業でもあるので、いわゆる出版とは別業界であることが良い方向に作用しているように感じます。
編集部Nさんまた、入社当初は運営体制や制作環境が今ほど整っておらず、作家さんに提示できる条件や待遇における葛藤があったのですが、それらも編集長をはじめとした皆さんのおかげで、今では作家さんにも不安なく働いていただける状況になりました。数字の見方もしっかりしていますし、契約体制は法務のバックアップもあって、契約書を締結する慣習がなかったり、事後的な契約締結になったりしがちな出版業界の中では、しっかりしているのではないかと思います。

漫画の素材費や作家さんの健康診断費用をcomicoで負担するサポート制度もあるので、作家さんに無理せずお仕事をしていただくことができ、編集として胸を張れるという意味で、今は本当に楽しくお仕事をさせていただいています。昔から受け継がれてきたノウハウは取り入れつつ、足りない部分は試行錯誤しながら整えてきた感じですね。

編集長Tさん
私たちが入社した2018年は、アプリができて5~6年くらいだったんですが、編集者のノウハウがしっかり蓄積されていない状態で、人がどんどん入れ替わっている過渡期だったんです。私が編集長になってまず手を入れたのは、契約書や作家サポート制度などを整え、企画の承認フローを新たに策定し、制作ノウハウを社内Wikiにまとめる……など、対作家と対編集者、両方の整備でした。

また、アプリの読者数や売上などの数値データはリアルタイムで見られるので、それを次の作品作りに活かせるのはプラットフォームを持っている編集部ならではの強みです。そういった数値的なノウハウや分析の仕方も、日々編集メンバーに共有して、全員が「考え続ける編集者」になるように育成しています。

―――強みというワードが出てきましたが、おふたりが考えるcomicoの強みは何でしょうか?

Nさん
編集のスキルアップを目的とした勉強会や研究会の取り組みが盛んなところです。 未経験でも学びながら制作に携われるので、それゆえにメンバーの前職の幅がめちゃめちゃ広いです。WEBTOONとは全く関係ない、金融業界出身のメンバーもいます。

編集長Tさん
現在、編集者は9名いますが、そのうちの大半が業界未経験で入社しています。未経験者が多いからこそ、今も色々とマニュアル化やノウハウ化を進めていて、Nが言った勉強会や研究会もその一環です。

例えば、ネームの作り方、出張編集部の持ち込み対応方法、BLなどのジャンル別研究会など、色々な勉強会や研究会を行って企画の精度を上げる取り組みをしています。私自身、未経験がゆえに苦労した部分があるので、自分が何年かやってきてわかったこと、同僚から学んだことも含めて、きちんと下の世代に伝えていきたいと考えています。
NHN comico会議室また、うちのモットーは「チーム戦」です。1人のスター編集に頼るのではなく、チームでヒットを作る。だからこそ企画相談を大切にしていて、連載会議(編集長が最終的に連載の可否を決める会議)に出す前に、メンバーに必ず企画を読んでもらうことをルールにしています。新人もベテランも平等に同じルールでやっているので、私やNの企画も年次が浅いメンバーに相談するんですが、「よくわからなかった」とか普通に指摘されます(笑)。チームの集合知で作品を作り、ヒットはみんなで喜んで、ヒットしなかったらみんなで要因分析する。それが強みに繋がっていると思います。

今は編集2年目のメンバーが最年少ですが、未経験なりに自分の武器を活かして、全員が中規模以上のヒットを出せるようになってきました。今までの土台作りが結実してきているんだとしたら嬉しいですし、いま異業種にいる方にも「やってみたい」と思ってもらえるきっかけになればと思います。
comicoの強みを語る編集長TさんとNさん

映像化も目指せる話題のコンテンツ×ホワイトな就労環境

―――漫画賞やnoteの企画運営も編集部でされていると伺いました。

編集長Tさん
そうなんです。昔のcomicoと今のcomicoはかなり様変わりをしていて、現在は女性向けのロマンスファンタジーや現代ドラマ、BLなどを中心に作っているので、新しい作家さんも獲得していく必要があるんですね。だからこそ、漫画賞の開催や編集部公式noteでの発信、専門学校や大学での授業、講評会などにも力を入れています。結果、WEBTOON業界で仕事をしたいという学生さんたちも年々増えてきています。
comico編集部noteWEBTOONは作家さん1人で制作している作品もありますが、割合的には分業制の作品が多いので、「着色だけ得意」とか「キャラデザが好きだから線画だけやりたい」といった希望を叶えることができます。学生さんや新人作家さんにとって、デビューの選択肢が多いのがWEBTOON業界だと思います。
中には在学中にデビューし、ネーム作家や着色作家として活躍して、担当作が映像化した作家さんもいらっしゃいます。「学生デビューで初連載がドラマ化!」みたいな夢を、comicoなら叶えられる。ということで、私が授業でこういう話をすると、みんな興味津々に話を聞いて、相談に来てくださいますね。

―――ドラマ化はすごいですね……!それもノウハウやコネクションがあるのでしょうか?

編集長T
2023年にNが担当する『around1/4 アラウンドクォーター』、2024年に『どうか私より不幸でいて下さい』という作品がドラマ化の機会をいただいたんですが、きっかけは制作会社やテレビ局からのオファーです。WEBTOONは一話が短く、見開きよりもテンポが速くて各話ごとに緩急がある展開なので、30分ドラマなどとの相性が良いとのことでした。
comicoドラマ化作品今は積極的に売り込んでいるわけではないのですが、ドラマ化でプロデューサーさんとの繋がりができているので、定期的に作品についてご相談をいただくことはありますね。

―――チャンスが巡ってくる機会も多そうですね。

編集長Tさん
そうですね。ただやはり、WEBTOONとして面白いかどうかが一番大切なので、あまり先を見すぎず、良い作品を地道に作るだけです。結果的にそういうお声がかかったら嬉しいなという感じですね。

―――御社の働き方という観点ではいかがですか?

Nさん
休みはすごく取りやすい環境だと思います。有休を使うにしても、特に他のメンバーや上長に気兼ねせずに休んでもらえている印象です。コアタイムが11時~15時のフレックスタイム制で、勤務時間の自由度も高いですし、時間休も取りやすいです。

自社ビルができたばかりというのもあってかなり綺麗ですし、一人当たりのデスクもかなり広くて、椅子もアーロンチェアです。完全出社な分、オフィスに来るのが楽しくなるような福利厚生を増やそうと全社で取り組んでいるので、お弁当を提供してもらえたり、おしゃれなカフェがあったり、インストラクター常駐の社内ジムもあります。
NHN comico社内ジム

「作家に寄り添い、読者に寄り添う物語を創る」

―――comicoの編集として求められるものは何だと思われますか?

編集長Tさん
商業漫画である以上、ロジカルな分析力と、売れるかどうかという客観的視点は必要です。作家さんはご自身の得意や好きを活かせるよう、クリエイティブ100%の思考でOKですが、我々は編集者である以上、作家と読者、両方を見るバランス感覚がないといけません。

comico編集部のビジョンは「作家に寄り添い、読者に寄り添う物語を創る」なのですが、作家さんの才能を見極め、やりたいことや悩みに寄り添いながら、読者の期待に応える意識を持ち続けるよう、編集メンバーに繰り返し伝えています。

Nさん
並行して何人もの作家さんの進捗管理やケア、諸々の事務作業をきちんとこなすことが求められます。前後の工程を踏まえたクオリティ管理とディレクション力は、WEBTOONの分業制ならではの要素かなと思います。仕組み化が得意な人は意外とハマるのではと思います。

編集長Tさん
先ほど言った、チーム戦で作ることがうちの強みという点で言うと、自ら考えて動きながら、利他的思考がある人が望ましいです。メンバーからの企画相談などを快く聞いてあげられる人ですね。

私が編集になって最初に言われたのが、「良い編集者になるにはダメな企画をいっぱい読むこと」という言葉なんですよ。これは本当に真理だと思うのですが、相談を受けるということは、自分が読む企画が増えるということです。自分一人で作れる企画数には限界があるので、他人の企画相談はどんどん受けた方がいいし、出張編集部の持ち込みもたくさん経験した方が、編集者としての自身のレベルアップにもなると思います。
comicoの編集者に必要な素養を語る編集長TさんとNさん最後に、編集者として当然ではあるのですが言語化能力ですね。作家さんへの提案も、メンバーへの相談も、相手に理解・納得してもらうための言語化を適切にできる方が向いていると思います。

Nさん
既に漫画編集の経験がある方は、ぜひご自身のご経験を経験が浅いメンバーに伝えていただけるとありがたいです。漫画の経験がなくても、アニメやゲームの制作進行やディレクターなど近接業界でのご経験や、WEBTOONや女性向け漫画が大好きという気持ちがあれば、まずはプレイヤーとして加わっていただけたら嬉しいです。

編集長T
comico 編集部は異業種組も多いですし、あまり経験の部分は気負わず、WEBTOONをいろいろ読んでいて、「読者としての目線を活かして自分でも企画を作ってみたい」といった純粋な動機があれば、ぜひお話ししたいですね。

―――新しく入社された方と目指したい将来を教えてください。

Nさん
現状comicoでヒットしているジャンルは、ロマンスファンタジーやドロドロ恋愛系の現代ドラマが多いのですが、それ以外のジャンルでもヒットする作品をどんどん増やしたいと思っています。

編集長T
ここ近年でヒット作品、映像化作品も増えてきたので、しっかり人を増やして新作をコンスタントに出せるような体制を整えたいです。今はまだ、マンパワー的に量産できる状況にはないので、早くいろんなメンバーが集まって知識を共有しあいながら、毎月常に話題作を出せるような編集部にしていきたいですね。

―――有難うございます!では最後に、応募を検討されている方に一言お願いします。

Nさん
WEBTOONの経験がなくても、その近接ジャンルへの興味関心、経験があれば、それを活かして充実したお仕事をしてもらえると思います。まずはサイトやアプリを実際に見ていただいて、面白いと思えたならぜひ気軽に応募してほしいなと思います。

編集長Tさん
編集者はマルチタスクを求められ、作家さんとの向き合いや、作品を出すまでの苦労、思うようにヒットの出ないつらさなど、大変なこともたくさんある職業です。でも、私は本当に編集者になって良かったと思っています。しんどい思いをした仕事ほど、ちゃんと成果が出た時の楽しさが段違いで、「やって良かった!」と実感します。作家さんとヒットを喜び合える嬉しさは何物にも代えがたく、編集者だからこそのやりがいだなと思うので、それを味わいたい方は、ぜひ門を叩いてほしいと思います。ご応募お待ちしています。

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この記事を書いた人

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HIGH-FIVE(ハイファイブ)は、IT/Web業界のクリエイター・デザイナーに特化した転職エージェントサービス。私たち編集部ではオウンドメディアだけでなく、転職サイトやSNSも運営。日々クリエイターの皆様へ向けて、クリエイターキャリアのお役立ち情報・転職ノウハウなどを発信中!
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