UXデザイナーの仕事|必須スキルや資格、将来性を徹底解説|仕事図鑑2024

公開日:2024/11/12

変更日:2024/11/12

現代のデジタル社会でますます注目されている職業の一つがUXデザイナーです。ユーザーにとって使いやすく魅力的なプロダクトやサービスを提供するため、UXデザイナーの役割は非常に重要です。しかし、具体的な仕事内容や必要なスキル、資格、キャリアパスについて詳しく知っている方はまだ少ないかもしれません。

この記事では、UXデザイナーとしてキャリアアップしたい方やUXデザイナーへの転職を考えている方向けに、仕事内容や求められるスキル、業界別の年収、将来性、そしておすすめの資格など、UXデザイナーになるために役立つ情報をお届けします。これからのキャリアを成功に導くために、ぜひ最後までご覧ください。

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UXデザイナーってどんな仕事?

UXデザイナーという職業は、ユーザーにとって使いやすいプロダクトやサービスを提供するために欠かせない存在です。しかし、「何となく聞いたことがあるけど、具体的にどんな仕事なの?」、「Webデザイナーと何が違うの?」など、疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?

UXデザイナーを一言で表すと、製品やサービスを使う人々が「使いやすい」と感じるような体験設計を行う専門家です。

ここでは、UXデザイナーの主な3つの業務、「ユーザーリサーチと分析」、「プロトタイピングとユーザビリティテスト」、「設計とインターフェースデザイン」について詳しく説明します。また、UXデザイナーとUIデザイナーの違いについても解説するので、それぞれの役割の区別がイメージできると思います。

それでは、まずUXデザイナーの主な3つの業務について見ていきましょう。

ユーザーリサーチと分析

UXデザイナーはまず、製品やサービスを利用するユーザーが何を求めているのかを調べます。これを「ユーザーリサーチ」と言います。たとえば、インタビューやアンケート、実際に使ってもらって意見を聞く方法があります。これらのデータを分析して、ユーザーが何を求めているか、どんな問題があるかを見つけ出します。こうして得た情報をもとに、使いやすい製品を作るための計画を立てます。

プロトタイピングとユーザビリティテスト

UXデザイナーは「プロトタイプ」と呼ばれる製品の試作品を作ります。これは、アイデアを具体的な形にするための初期段階のモデルです。このプロトタイプを使って、ユーザーに実際に試してもらい、「ユーザビリティテスト」を行います。テストの結果を基に、どの部分が使いやすく、どの部分が改善が必要かを判断し、デザインを調整します。

設計とインターフェースデザイン

最後に、UXデザイナーは実際のデザイン作業に入ります。ユーザーが使う画面やボタンの配置、色、フォントなどを決め、使いやすいインターフェースを作ります。この作業を「インターフェースデザイン」と言います。UXデザイナーは、ユーザーの行動を予測し、直感的で使いやすいインターフェースを構築することが求められます。

UIデザイナーの仕事との違い

UIデザイナーとUXデザイナーの違いは、フォーカスする部分にあります。

UIデザイナーは、画面の見た目やデザインを担当します。色やフォント、ボタンの形など、見た目の部分に重点を置きます。

一方、UXデザイナーは、ユーザーの製品全体の使いやすさを担当します。これは、製品の使いやすさやユーザーが目的を達成しやすいかどうかを重視します。

つまり、UIデザイナーは見た目、UXデザイナーは使い心地に重点を置いているのです。

UXデザイナーに必要なスキル

UXデザイナーとしてキャリアを築くためには、さまざまなスキルが求められます。

ここでは、特に重要な「デザインスキル」、「ユーザー体験の理解と分析能力」、「コミュニケーション能力」、「マーケティング知識」の4つのスキルについて詳しく説明します。

これらのスキルを身につけることで、ユーザーにとって魅力的で使いやすい製品をデザインし、UXデザイナーとしてのキャリアを築くための基盤を作ることができます。それでは、それぞれのスキルがどのように役立つのかを見ていきましょう。

デザインスキル

UXデザイナーにとって、デザインスキルは非常に重要です。デザインスキルとは、見た目の美しさだけでなく、情報を分かりやすく伝えるためのレイアウトや色の使い方などを指します。アプリやウェブサイトの画面をデザインするためのツール、例えば、Adobe XD、Sketch、Figmaなどのデザインツールを使いこなすことが必要です。これらのスキルを身につけることで、使いやすくて魅力的なデザインを作れるようになります。

ユーザー体験の理解と分析能力

ユーザー体験(UX)の理解と分析能力も欠かせません。UXデザイナーは、ユーザーがどのように製品やサービスを使用するかを深く理解し、それに基づいてデザインを最適化します。

ユーザーリサーチを行い、ユーザーのニーズや行動を分析することが重要です。ユーザーにインタビューをしたり、アンケートを取ったりして、ユーザーの意見やフィードバックを収集します。これにより、ユーザーが抱える問題点や改善点を見つけ出し、デザインに反映させることができます。

コミュニケーション能力

優れたコミュニケーション能力は、UXデザイナーにとって不可欠です。プロジェクトを成功させるためには、チームメンバーやクライアントと効果的にコミュニケーションを取り、アイデアやフィードバックを共有することが必要です。

特に、デザインの意図やユーザーのニーズを他のメンバーに正確に伝える能力が求められます。デザインの意図を説明するプレゼンテーションや、プロジェクトの進行状況を報告する資料作成も、プロジェクトの進行状況を共有するための重要な手段です。こうしたコミュニケーション能力があると、スムーズに仕事を進められます。

マーケティング知識

マーケティング知識も、UXデザイナーにとって重要なスキルの一つです。マーケティング知識とは、ユーザーが何を求めているかを理解し、そのニーズに応えるための方法を学ぶことです。

例えば、SEO(検索エンジン最適化)やコンテンツマーケティングの知識があると、ユーザーのニーズに合うデザインを行うことができ、ビジネスの成功につなげることができます。これにより、製品やサービスの魅力をより多くの人に伝えられるようになります。

【業界別】UXデザイナーの年収

UXデザイナーとしての年収は、業界や企業の規模、個人の経験やスキルによって大きく異なります。具体的な年収の目安や、各業界で求められるスキルや経験も紹介するので、キャリアプランを立てる際の参考にしてください。

どの業界で働くかによって、キャリアの方向性や収入にどのような影響があるのかを理解し、自分に最適なキャリアパスを見つけましょう。それでは、各業界のUXデザイナーの年収について詳しく見ていきましょう。

①IT業界

IT業界では、UXデザイナーの需要が非常に高く、年収も他の業界と比べて高い傾向があります。平均年収は約600万円から800万円程度ですが、経験やスキルによっては1000万円を超えることもあります。特に、ユーザーリサーチやプロトタイピング、UIデザインのスキルが求められます。急速に変化する技術に対応できる柔軟性と最新のトレンドを取り入れる力も重要です。

②金融業界

金融業界でもUXデザイナーの需要が増えています。デジタルバンキングやフィンテックの発展により、使いやすいユーザーインターフェースの提供が求められるためです。平均年収は約500万円から700万円程度です。金融に関する知識やセキュリティに対する理解が求められることが多く、データ分析のスキルも重視されます。

③ヘルスケア業界

ヘルスケア業界では、患者や医療従事者が使いやすいシステムやアプリケーションのデザインが重要です。平均年収は約500万円から750万円程度で、医療に関する知識や規制に対する理解が求められます。ユーザーリサーチや使いやすさのテストに重点が置かれ、デザインの細部まで気を配るスキルが必要です。

④エンターテインメント業界

エンターテインメント業界では、ゲームやメディアコンテンツのUXデザインが求められます。平均年収は約450万円から700万円程度ですが、ヒット作を手がけると年収が大幅に増える可能性があります。クリエイティブなデザインスキルやストーリーテリングの能力が重視され、ユーザーのエンゲージメントを高めるための工夫が求められます。

UXデザイナーの将来性と今後の需要

UXデザイナーの需要は、テクノロジーの進化とともに急速に高まっています。特に、デジタルプロダクトやサービスの普及が進む中で、ユーザー体験(UX)を最適化することが競争力のカギとなっています。このため、企業は優れたUXデザイナーを求めており、その需要は今後も増え続けると言われています。

UXデザイナーのキャリアパス

UXデザイナーのキャリアパスは多岐にわたります。以下に主なキャリアステップを紹介します。

キャリア段階

説明

ジュニアUXデザイナー

キャリアの初期段階では、ジュニアUXデザイナーとして基礎的なスキルを身につけます。ユーザーリサーチやワイヤーフレーム作成、基本的なプロトタイピングなどを担当します。

ミッドレベルUXデザイナー

3~5年程度の経験を持つUXデザイナーです。プロジェクトのリードやクライアントとのコミュニケーション、デザイン決定など、より複雑なタスクを担当します。

シニアUXデザイナー

5年以上の実務経験を持つUXデザイナーです。プロジェクト全体を統括し、チームメンバーの指導や育成を行います。複雑なデザイン問題の解決や、ユーザーエクスペリエンスの全体最適化を担当します。

UXマネージャー/ディレクター

キャリアの最終段階では、UXマネージャーやディレクターとして、複数のプロジェクトを管理し、企業全体のUX戦略を策定・実行します。チーム全体の成長を支援し、企業のビジネス目標達成に貢献します。

UXデザイナーの今後の需要

UXデザイナーの需要は、デジタル技術の進化とともにますます高まっています。特に以下の分野での需要が急増しています。

IT業界:Webサイトやアプリ、ソフトウェアなどの開発に携わる企業
金融業界:オンラインバンキングやフィンテックサービスを提供する企業
小売業界:ECサイトやオムニチャネル化を進める企業
医療・介護業界:医療機器や介護用品の開発に携わる企業
教育業界:オンライン学習システムやEdTechサービスを提供する企業

さらに、近年注目されているのが、メタバースやWeb3.0といった新しい技術領域におけるUXデザイナーの需要です。これらの領域では、従来とは異なるユーザー体験の設計が求められるため、新たなスキルや知識を身につけたUXデザイナーが求められています。

UXデザイナーとして成功するために、常に最新のトレンドや技術を学び続けることが重要です。

UXデザイナーにおすすめの資格

UXデザイナーとしてのキャリアを築くためには、専門知識を証明し、スキルを磨き、競争力を高めることが重要です。資格を取得することで、あなたのスキルを証明し、転職市場での競争力を高めることができます。しかし、数多くの資格が存在するため、どれを選べば良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

ここではUXデザイナーにおすすめの資格を5つ紹介します。それぞれの資格の重要度や難易度も考慮しながら、自分に合った資格を見つけて、UXデザイナーとしての専門知識を深めましょう。

ウェブデザイン技能検定           

難易度:★★★★☆

ウェブデザイン技能検定は、ウェブデザインに関する知識と技術を証明する資格です。試験内容は、デザインの基礎から応用まで幅広くカバーしています。実務経験が問われるため、経験者向けの試験ですが、その分取得価値は高いです。ウェブデザインの全般的な知識を深めたい方に最適です。

人間中心設計(HCD)専門家資格      

難易度:★★★★★

人間中心設計(HCD)専門家資格は、ユーザーのニーズに基づいてデザインを行う能力を証明する資格です。取得には実務経験と高度な専門知識が必要であり、ユーザー体験の理解と分析能力を高めたいUXデザイナーにとって、非常に価値のある資格です。

Google UX Designプロフェッショナル認定  

難易度:★★★☆☆

Googleが提供するこのUXデザイン認定資格は、オンラインコースを修了することで取得できます。コース内容は、実践的なスキルを重視しており、プロジェクトベースの学習を通じてUXデザインの基本から応用までをカバーします。初心者でも取り組みやすい内容ですが、しっかりとした学習が求められます。実務経験がなくても始められる点が魅力です。

ユニバーサルデザインコーディネーター認定資格

難易度:★★★★☆

ユニバーサルデザインコーディネーター認定資格は、誰もが使いやすいデザインを作成するための知識とスキルを証明する資格です。試験では、多様なユーザーに対応するデザインの原則や実践方法が問われます。多様なユーザーに対応するデザインを学ぶことで、UXデザインの幅を広げることができます。UXデザインの幅を広げたい方に特におすすめの資格です。

HTML5プロフェッショナル認定試験     

難易度:★★★★☆

HTML5プロフェッショナル認定試験は、最新のウェブ技術に関する知識を証明する資格です。試験内容は、HTML5の基礎から高度な技術まで幅広くカバーしており、ウェブデザインの基本から高度なスキルまでを学べます。この資格を取得することで、UXデザイナーとしての技術力を高めることができ、実務に直結したスキルを持つことを証明できます。ウェブデザインやフロントエンド開発に関わる全てのUXデザイナーにおすすめの資格です。

UXデザイナーになるには?

UXデザイナーに必要なスキルや資格について理解したあなたは、どのようにUXデザイナーになるのか疑問を抱くのではないでしょうか。

UXデザイナーは、ユーザー体験をデザインする専門職であり、幅広いスキルと経験が求められます。ここでは、UXデザイナーになるための「知識をつける」「成果物を作る」「経験を積む」という3つのステップを解説します。ぜひこの解説を参考に、効果的にスキルを身につけ経験を積み、UXデザイナーとしてのキャリアをスタートさせましょう。

知識をつける

UXデザイナーとしてのキャリアをスタートするには、まず必要な知識を身につけることが大切です。ここでは、独学で学ぶ方法とデザインスクールや専門学校で学ぶ方法について解説します。

独学で学ぶ方法

独学でUXデザインを学ぶ方法は、コストを抑えながら自分のペースで進められるため、現職で忙しい方にとってもとても魅力的です。以下におすすめのオンラインコースを3つ紹介します。

CourseraのGoogle UX Designプロフェッショナル認定
Googleが提供するこのコースは、基礎から実践的なスキルまでを学べる内容です。全7つのモジュールを通じて、デザインプロセスやツールの使い方を習得できます。

UdemyのUX & Web Design Master Course
初心者向けのこのコースでは、UXデザインの基本概念から実践的なプロジェクトまでを網羅しています。実践的なケーススタディを通じて、学びを深めることができます。

Interaction Design FoundationのUXデザインコース
専門家による詳細な講義と豊富な教材が揃っており、理論から実践まで幅広く学べます。コミュニティのサポートもあり、質問やディスカッションを通じて知識を深めることができます。

デザインスクールや専門学校で学ぶ

より体系的に学びたい場合は、デザインスクールや専門学校に通うことが効果的です。デザインスクールや専門学校では、実際のプロジェクトを通じて実践的なスキルを習得でき、業界で必要とされる知識を包括的に学べます。また、現役のデザイナーから直接指導を受けられるため、最新のトレンドや実務に即したノウハウを身につけることができます。

個人のポートフォリオサイトなど成果物を作る

学んだ知識やスキルを実際のプロジェクトで活用し、自分のポートフォリオサイトを作成することが重要です。

ポートフォリオは、自分のデザインスキルや経験をアピールするための最適なツールです。ポートフォリオには、完成した作品や進行中のプロジェクトを掲載し、成果物を通じて自分のスキルをアピールします。また、定期的に更新し、新しいプロジェクトや改善点を反映させることが大切です。

クラウドソーシングなどで経験を積む

実際のプロジェクトに参加することで、実務経験を積むことができます。クラウドソーシングサイトを活用すれば、様々なプロジェクトに携わる機会が得られます。

また、プロジェクトに参加することで、クライアントとのコミュニケーションや実践的な問題解決能力を磨くことができます。

また、実務経験を積むことで、ポートフォリオの内容も充実し、転職活動において大きなアピールポイントとなります。

まとめ

この記事では、UXデザイナーの仕事内容、必要なスキルや資格、将来性について解説しました。UXデザイナーは、ユーザーが使いやすいデジタル製品やサービスを作る仕事です。

業界別の年収についても触れましたが、UXデザイナーの需要は今後も高まる一方です。特に、IT業界、金融業界、小売業界、医療・介護業界、教育業界など、さまざまな分野でのニーズが増えています。さらに、メタバースやWeb3.0といった新しい技術領域でも、UXデザイナーの重要性は増しています。

これからUXデザイナーを目指す方は、最新のトレンドや技術を学び続けることが成功のカギとなります。より具体的なキャリアアドバイスやサポートを希望される方は、ぜひ転職エージェントHIGH-FIVEにお問い合わせください。あなたのキャリアを次のステップへ進めるために、しっかりとサポートします。UXデザイナーとしての未来を前向きに切り開いていきましょう。

この記事を書いた人

HIGH-FIVE編集部
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