クリエイターファーストを体現した新サービス「ゲームキャリアスカウト」をリリース!開発者が考えるゲーム業界の未来とは
公開日:2023/05/30
変更日:2024/09/19
クリーク·アンド·リバー社の中でゲーム・エンタメ業界での事業を行うデジタルコンテンツ・グループ。日本最大級の開発スタジオ「C&R Creative Studios」と育成機関をもとに、「ゲーム業界の人事部」として、エージェンシー、プロデュース、ゲームパブリッシング(ライツマネジメント)等、年間約1,000タイトルのゲーム開発にも携わっています。
そんなDGより、「ゲーム業界特化型 転職スカウトサービス ゲームキャリアスカウト」が5月にリリースされました。転職先を探すクリエイターにとっても、優秀なクリエイターを探す企業にとっても便利な業界特化型新サービスとは……?
今回は開発メンバーであるDGディビジョンマネージャー安藤・セクションマネージャー小山にインタビューしてきました。
\業界専門用語で会話OK!/
目次
ゲーム・エンタメ業界の人事になる
――それではまずお2人の経歴を教えてください。安藤さんからお願いします!
安藤
はい。僕は2008年に入社して、2019年まで現在所属しているデジタルコンテンツ・グループ(以下DG)でゲーム業界の人材派遣、人材紹介をメインに行ってきました。あとは社内にC&R Creative Studiosがあるので制作の請負や営業だったりとか、スケジュール管理だったりとか、それに伴う採用だったり……本当に多岐に渡り業務を担当してきました。その後別部署に異動になったのですが、2年前に小山と共にDGに戻り、グループ内に人材紹介ディビジョンを新しく新設したんです。プレイヤーも好きなので、現在は プレイングマネージャーとして従事しています。
――安藤さんは数々のサービスに携わったとか。
安藤
そうなんです。新卒3年目の時に今や日本最大級のクリエイティブスタジオ「C&R Creative Studios」やゲーム業界特化型のエージェントサービス「ファミキャリ!」、2016年にはゲーム業界未経験者を完全無料の実践型学習で育成する「C&R Creative Academy」の立ち上げを経験しました。2018年にはエフェクトの事業部とスタジオの立ち上げも行ったんですよ。
――エフェクト事業部というのは?
安藤
エフェクトデザイナーって業界的に希少性がすごく高いんです。専門学校でもエフェクトを学べる学科って実はあまりなくて、 どちらかというと他の職種からエフェクトデザイナーに転身する方が多いんです。入り口が狭いことも含めて、クリエイターのためになるのではないかと思い、エフェクト事業部と同時にエフェクトのスタジオ「VFX STUDIO」を立ち上げました。
――ありがとうございます!それでは小山さんお願いします。
小山
安藤さんの後ってなんか嫌だな~(笑)僕は新卒で入社して今9年目になります。安藤さんは、派遣とか業務委託とか人材紹介とか色々やっていますが……僕は人材紹介1本で9年目を迎えました。担当はゲーム業界ですが、元々パチンコとかパチスロが好きなので、遊技業界をどんどん尖らす形でゲームに行きついたという感じです。両面型のキャリアアドバイザーとして、候補者の面談だけでなく、企業側のニーズのヒアリングや採用支援も行っています。2020年にセクションマネージャーになり、安藤さんの下でメンバーの管理を行ったり、自分自身も営業としてプレイングマネージャーとして働いています。
――ありがとうございます!様々なご経験をされていらっしゃるんですね。お二人が所属するDGはどのようなビジョンを持った方が集まっているのでしょうか?
安藤
DGではグループ全体の行動指針として「業界の人事になる」ということを掲げています。1年に1~2回、半日かけてクリーク・DGの行動指針について理解を深めるための研修を総合職・専門職正社員を対象に行っているんですよ。
クリーク·アンド·リバー社の大きな統括理念がある中で、DGとして目指すべき姿やそれに伴う行動指針も大事にしていこうというマインドで、そこをまずは徹底して、同じ方向を向いて、クライアントとクリエイター双方のためになる働き方をしていくんだっていうことを常日頃から意識をしているようなチームです。
小山
DGが掲げる「業界の人事になる」っていうところに関しては、 チームにいるほぼ全ての人間が答えられるんじゃないかな。
――大きなチームなのに素晴らしいですね!
「即戦力」の取り合い?ゲーム業界のHR事情
――人材紹介を始められた時と現在を比較して、ゲーム業界でのHR市場で何か変わったことはありますか?
安藤
「ゲームクリエイターの考える働き方」が少し変わってきたのかなという印象を受けています。今まではどちらかというと、色々なプロジェクトで色々な経験を積むことができるという点で、派遣という働き方を選択する方が多かったんです。しかし最近では、1つの会社で正社員として働くというような志向性が高まってきており、そういった求人の数も年々増えてきています。
ただゲーム業界自体、世界的に見ると市場規模は伸びているんですが、国内に目を向けると結構横ばいだったりするんですよ。家庭用ゲーム機からスマホゲームのように、ハードウェアが次から次に変わっていきますからね。本当に移り変わりのスピードが早い業界なんです。
なので先ほどお話ししたように、求人数は増えているのですがその代わり、移り変わりに対応できるようなスキルを持つ「即戦力」のニーズがかなり高まってきている、というのがゲーム業界のHR市場の現状です。
――なるほど。年々求められるスキルも上がっていきそうですね。
安藤
ゲーム業界はレッドオーシャンですからね。高度な技術が必要なものも次々に出てきていて。「求人は沢山あるのに即戦力がなかなかいない」ということにマッチングの難しさを感じています。
誰もが知るような大手人気企業さえも、即戦力の採用に苦戦しているような状況なので……特に小さな制作会社などでは、全然人が集まらない、 お金もかけられないっていう状況になってしまっていますね。
――今のゲーム業界の人材雇用における課題になるのでしょうか。
安藤
そうですね。なので各社待遇の見直しや働き方の工夫に取り組んでいます。働き方の部分でいうと、例えば出産後復帰しやすい環境を整えたり、フルリモートで働くことができたり、ベースアップを行ったりなど。そういったそれぞれの推しポイントを強く打ち出していこうと積極的に動いている企業が多い印象です。
ゲームクリエイターのための業界特化型スカウトサービスとは?
――そんな市場感を受けて、今回お二人が中心になって「ゲーム業界特化型 転職スカウトサービス ゲームキャリアスカウト」を開発されたとお伺いしました!このサービスを開発された想いを聞かせてください。
安藤
実は人材紹介に携わっていた時からずっとこんなサービスできないかなと考えてたんですよ。
クリーク·アンド·リバー社のゲーム事業って、1996年スタートとゲーム業界の中では老舗なんです。年々競合が増えてきてはいますが、やっぱり「人」を「もの」として扱うのではなく、ちゃんとその人のキャリアを考えて、その人が転職すべきでないと思えば転職すべきではないとしっかり伝えようというのが僕らのスタンスなんです。なので、クリエイターのキャリアをしっかり実現させてあげたいという想いが強くあります。
そんな中で、実はゲームクリエイターにまだまだ知られていない会社ってたくさんあって、機会損失みたいなものって結構生まれているんだろうなと感じていて。で、僕らにできることを考えた時に「ゲーム業界に精通してる」っていうところが何よりの強みだったので、業界にとことん特化したようなサービスがあれば、ゲームクリエイターのキャリアを叶えたり、企業が人を採用することで新しいゲームを出して、売り上げが上がっていくことに繋げることができると考えたんです。
僕らがそういったサービスを作ることによって、ゲーム業界のHR市場のエントランス(入口)になれればなと思っていて。ゲームクリエイターが転職を考えたり、市場を知りたいなと思った時に、まず最初にここに入ってもらう。そして、クライアントも人が欲しいなと思った時に、まず最初にここを頼ってくれる。そういった存在になりたくてこのサービスを立ち上げようと決めました。
――素晴らしいですね!こういったサービスは今までに無かったのでしょうか。
安藤
あるにはあるんです!ただ「業界特化型」でしかもゲームだけに特化したっていうのはありませんでした。ゲームを含む、みたいなのはあるんですけどね。
小山
明日とかに出されたらおしまいですけどね(笑)
――開発していく中で、苦労した点や大変だったことはありますか?
小山
そうですね、沢山あるんですが……やっぱり特化型っていうところを謳っているので、クリエイター側・企業側がそれぞれどういった情報を見える化したり登録したりすることで、自分のスキルが正確に可視化されやすいか、スカウトしやすいかっていうところの項目を、かなり時間をかけて精査したところですかね。今も細かい調整を続けているぐらいです。やっぱり業界の流れも早いので、1年もたつと状況が変わってきてしまうんですよ。
他のサイトだとここまで細かい項目は無いはずなので、自分たちが今回作ったものがまず正となると思うと、考えることも多かったですね。
ゲームクリエイターファーストの登録項目で正確なマッチ度を図る
――先ほど「項目」にこだわったというお話しをお伺いしましたが具体的に教えていただけますか?
小山
はい!こちら会員側の登録画面です。プロフィール登録の項目からすでに他と違うことが分かると思いますが、まずゲームの開発職なのか、非開発職なのかっていうところから分けています。
あとはその中項目も今プロデューサーからプランナーまで記載がありますが、他の転職サイトではここがひとまとまりになっていたりするんですよ。デザイナー職の中の”何”をする人(担当)なのか、企画職の中の”何”なのかっていうところが情報として大事になってくるので、細分化して選択できるようにしたというところが一つめのポイントですね。
あともう一つ、ゲーム開発に携わっている方って1社の中でも色々なタイトルの開発されていると思うんです。なので、そのタイトルごとに何をやってるかっていうところがちゃんと記載できるようになっていたり、どういうジャンルを経験しているかが記載できるようになっています。このあたり企業側がしっかり見ているんですよね。スムーズな採用に繋げられるように、そういったところも登録できるようにしました。
開発からやっているのか、立ち上げからやっているのか、それともゲームが出てから運用している方なのかっていうところでもスキルが全く異なるんです。なので、どの段階からこのタイトルに携わっているかっていうのがちゃんと分かるようにもなっています。
そして使用ツールや言語。この辺りも詳細な選択肢を設けました。
――ツールの部分すごいですね!!メンテナンス大変そうだ……
小山
そうですね(笑)ここは移り変わりが結構あると思うので。 この技術スキルの部分も他の転職サイトだと、自分で記載しないといけなかったりするんですよ。
安藤
面倒くさがりな人だと入れない人もいるんですよね…大切な項目なのに。
小山
そうなんです。なのでサイト全体的に簡単に選択できるようにしたというのがあります。……で、最終的には企業側からはこういう感じで見えます。
――おおお!分かりやすい!見やすい!
小山
ゲームの経験がどれくらいあるのかっていうのが年数でわかるところと、経歴詳細のところ、ここは推しポイントですね!その会社に何年所属してて、何の職種で、どのようなプロジェクトでどの段階から何をしていたのかってところが詳細に分かります。多分ここだけ見れば企業側は「この人に会いたい!」というのが一目で分かると思います。
あとはゲームの方って例えば2Dデザイナーから3Dデザイナーへキャリアチェンジする方も多いので、それぞれの職種で何年経験があるのかなどもステータスで見れるようになります。……すみません、推しポイントが沢山あります(笑)
安藤
企業の人事やエージェントの全員が全員ゲームの職種に詳しいわけじゃないと思うんです。正確にマッチング度を図るためには、共通の言葉があった方が良いはずなのでこういった形(選択式)をとりました。もちろんクリエイターのためにもなりますよね!
ただそれも完璧ではないと思ってるので、自由記述欄は残しておいて、補足があれば入れてもらえるようにしています。
――まさにクリエイターファーストですね!
「僕らが業界のハブになる」
――今後DGはどのような未来を思い描いていますか?
安藤
DGの意見というよりは僕の思い描く将来像になってしまうんですが……。先ほどお話しした「業界の人事になる」や「ゲーム業界のHR市場のエントランス(入口)になる」のように、「僕らが業界のハブになる」というのがやはりやるべきことかなと思ってます。
そして今や世界は無視できないと思うので、例えば海外の方が日本のゲーム会社で働きたいってなった時にクリーク·アンド·リバー社にお願いしようとか、今回のゲームスカウトを通じて日本のゲーム会社に就職しようとか。国内だけではなくて、世界でポジショニングを築いていけるような立ち位置になるべきだと思いますし、そこは各マネージャー全員が意識している点だと思っています。
――最後にゲーム·エンタメ業界で転職を検討されているクリエイターの皆様に伝えたいことはありますか?
小山
そうですね。クリーク·アンド·リバー社の理念にあるように、うちの会社って本当にクリエイターファーストで、クリエイターが何をしたいのかっていうのを一番に考えている会社なんです。自分自身もそうなんですけど、周りも同じ考えを持ってるエージェントがとにかく多いんです。
今回リリースした「ゲームキャリアスカウト」に関しても、ちゃんとクリエイターが何を大事にしたいのかとか、 クリエイターがどうすれば自分の経歴をアピールできるのかっていうように、クリエイターファーストで考えたサービスになります。ぜひこれを使って、より良い転職をしていただけるようにお手伝いできたら良いなと思ってます。
――ありがとうございます!
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この記事を書いた人
HIGH-FIVE編集部
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