デザイナーが全社を巻き込み、リアルタイムで業界を動かしていく。建設DX・助太刀のデザインチームが挑むダイナミックな業界改革
公開日:2025/10/23
変更日:2025/10/23

助太刀の専任担当が選考対策を直接サポート!
「建設現場を魅力ある職場に。」というミッションのもと、建設業界に特化したビジネスマッチングサービスや教育事業などを展開する株式会社助太刀。近年では国立大学や国土交通省と連携してカンファレンスを開催するなど、ITの力で建設業界の改革を先導するパイオニアとして今や22万を超える登録事業者に選ばれています。
2024年には17億円の資金調達を実施するなど成長を続ける同社では、さらなる事業拡大に向けて、デジタルプロダクトデザイナーおよびコミュニケーションデザイナーの採用を強化しています。
そこで今回は、プロダクト部 部長 兼 デザインマネージャー(2025年8月時点)の杉山さんに、建設業界に携わるやりがいや助太刀のデザイナーとして働く魅力について、詳しいお話を伺いました。
目次
ITの力で「3K」の業界を活性化。職人と現場をつなぐプラットフォーム
―――それではまず、御社の概要とご担当領域についてご紹介をお願いします。
杉山さん
プロダクト部 部長 兼 デザインマネージャーをしております、杉山弥優と申します。2020年の12月にジョインして、現在で4年半ほどになります。(※取材は2025年8月)
前職は教育関連のプロダクトや研修などを扱う会社で、プロダクトデザイナーとコミュニケーションデザイナーを共に担当していたのですが、弊社でも引き続きプロダクトデザインとコミュニケーションデザインの両方を担当しています。直近の事業拡大に併せて、コミュニケーションデザインはディレクションをメインに、メンバーのマネジメントも担当しています。
またプロダクトでは、PdMとしてプロダクト施策・全体方針の検討・機能開発についても携わっております。最近では営業部門のミーティングに参加し、デザイン・プロダクトの両面から成果貢献を行うべく全社を巻き込み業務に当たっています。 弊社は「建設現場を魅力ある職場に。」というミッションを掲げています。建設業界はいわゆる3K(きつい、汚い、危険)の印象が残る業界で、新規の入職者の方が少ないために人手不足が深刻化しています。助太刀のサービスをもとに建設業界を魅力ある業界にして、どんどん活性化していきたいという思いで事業を進めています。
人手不足の背景として、新しい取引先を探す時は知り合いに紹介してもらったり、WEBや電話帳の上から順に電話をかけたりするような、人脈ベースでアナログな世界が残っている点があります。これでは新たなつながりを創出するには限界があります。
また他業界に比べて工事会社と職人さんが古くからのつながりを重視する慣習が残っていて、これ自体は悪いことではないのですが、仮に職人さんがより条件の良い現場で働きたいと思っても、新しい取引先を探すことがなかなか難しいんです。これでは腕を磨いても年収を上げることができないなど弊害も生まれます。工事をお願いする会社側としては、取引のある職人さんが少ない場合、その職人さんに「他の現場に入ったから」と断られてしまうと、工事そのものが成り立たなくなってしまうという問題もあります。
助太刀のビジネスマッチングプラットフォームは、そういった従来の慣習を越えて、職人さんと工事会社の新しいつながりを増やす仕組みを作っています。これにより仕事を断るような機会損失を防ぎ、売上UPに繋がったお客様もいらっしゃいますし、独立後に取引先を見つけて事業を軌道に乗せた職人さんも多くいらっしゃいます。また、職人さんの一部にも「安定して働きたい」というニーズがあるので、正社員採用として転職先を探したり、より良い条件の現場や元請け企業とつながれるようなサービスを展開しています。直近では、スキルが足りないために現場に入れない職人さんに向けて、「助太刀学院」という教育サービス事業も新しく開始しました。「助太刀学院」でスキルを習得し、「助太刀」でより条件の良い元請けとつながったり、さらなるキャリアアップに向けて「助太刀社員」で転職を行うといったように、職人さんのキャリアを一気通貫で支援しています。
企画フェーズのさらに前からデザイナーが介入。より高品質で本質的な成果を
―――杉山さんから見た、助太刀のデザインチームについて教えてください。
杉山さん
組織体制に関しては、コミュニケーションデザイナー2名、プロダクトデザイナー1名、どちらも監修している私・マネージャー1名です。プロダクトデザイナーはアプリやブラウザ版のサービスと新規事業関連のUI/UXを、コミュニケーションデザイナーはそれ以外の全てのデザインを担当しています。 コミュニケーションデザインでは、各種Webサイト等のデジタル周りはもちろん、社内資料やノベルティ、展示会等のイベント用の会場装飾、チラシ、登壇者向けマニュアル、来場者の体験設計、動画の監修、インタビュー記事の作成や写真撮影など、多岐に渡って携わっています。プロダクトデザインでは、会社の全社戦略を元としたプロダクト機能の企画・プロトタイプ・デザインをPdM領域を越境しながら進めています。
現在はデザイナーが少ないため、デザイナー以外の他部門へバナーやメルマガ、ユーザーインタビューのサムネイル画像などのデザインフォーマットを作成して提供を行っています。それによって、スピード感を持って非デザイナーでもクオリティの高いクリエイティブを量産できる体制を整えました。
特に「助太刀社員」という求人サービスにおいて、求人原稿における写真が与える印象はやはり大きいので、より求人を魅力的に見せられるようなテキストの入れ方等をレギュレーションとしてまとめ、少しでも求人の応募率に貢献できるようにしています。―――本日実際にオフィスにお伺いして、工事現場をコンセプトにしつつもすごくおしゃれで素敵だなと思いました。「現場」のイメージを明るくおしゃれな感じに……といった意図があるのかなと感じたのですが、「助太刀らしいデザイン」というのは何か共通言語化されているのでしょうか?
杉山さん
「助太刀らしさ」についてのワークショップをチーム内で過去に開催しました。イメージボードのようにデザインを集めて、「これが助太刀らしさだよね」という共通認識は持てていると思います。
また代表を含めた経営陣と距離が近く、一緒にプロジェクトを進めることがとても多いので、「助太刀らしいデザイン」を経営陣も一緒に擦り合わせできているところも、助太刀らしさの浸透につながっているのかなと思います。―――チームの環境やカルチャー的な側面ではいかがですか?
杉山さん
皆ポジティブだなと思います。経営から降りてくることや新しいプロジェクトなど、色々なものが同時並行で走っているので、時には無理難題みたいなこともあったりするんですが(笑)、ただそういった時も「出来ません」と回答するのではなく「今あるリソースで、どうすれば最大限成果が出せるのか?」と前向きに常に考えて動いています。
プロダクトデザインはMVP(Minimum Viable Product=必要最低限の機能を実装したプロダクト)をまず出した上で改善を繰り返していきますが、私たちはその概念をコミュニケーションデザインの領域にも応用していて、毎回最高品質を出すというよりも「まずはスタートして、ここからもっと良くしていこう」という考え方を大切にしていますね。あとは、プロジェクトの上流から入ることがすごく多いです。いわゆる上流というと企画フェーズを想像されると思いますが、例えばサービスの価格を決める会議、カンファレンス会場を決める会議など、一見デザインとは関係ないところから入ることも多いです。そうすることによって、仮にプラン設計が分かりづらいと感じたときに「説明用のLPが必要では?」「お客様には〇段階に分けて伝えたほうが良い」といったクリエイティブやコミュニケーションプランを、ビジネスサイドと目線を合わせて考えやすいんですよね。より質の高いものを提供できて、なおかつ成果に近づくことができるので、なるべく早い段階で介入するようにしています。
まるで文化祭の熱量!事業成果に向けて、チーム皆でポジティブに乗り越える
―――杉山さん個人としては、日々大切にされているものはありますか?
杉山さん
デザイン観点で言うと、「組織や事業のゴールを意識すること」を一番大切にしています。質の高いキービジュアルをただ作るだけではなく、それを届ける方法や最もユーザーの価値につながる体験作りを重要視していて、メンバーにもそのように伝えています。
チーム作りの観点では、ポジティブな明るい雰囲気にするように努めています。メンバーの年齢層も幅広くて、マネジメントとしては私が最年少ではあるんですが、立場はあくまで役割として、フラットな形で知見を教え合ったり、意見交換ができるチームを意識しています。
―――お話を伺っているだけで、明るい闊達な雰囲気が伝わってきます!杉山さんが最年少というのは驚きでしたが、一緒に働くメンバーにはどんなことを求めますか?
杉山さん
スキルセットとしては、ビジネス要件を理解しデザインに落とし込む前に、要件をデザイナーとして再定義し、最適な形で提案・自走できることがベースとして必要と考えています。また、会社のミッション・バリューへの共感や、会社がどうしても変化が多いフェーズなのでポジティブに順応できるかどうか、「どう良くしていこう」という前向きな考え方ができる方であれば、若手の方も大歓迎しています。―――なるほど!他にはどのような要素を持つ方が活躍できそうでしょうか?
杉山さん
「越境できる方」が良いなと思っています。プロダクトデザイナーであれば、「要件が固まっていないのでできません」ではなく、自分でも仮説を立てながら開発やPdMと一緒に内容を詰めにいけるような方ですね。
コミュニケーションデザイナーにおいても同様で、ビジネスサイドからの依頼に対して「本質的に必要なもの」を考えられる方。「バナー作ってください!」と言われた時に、そもそも何でバナーなのか?今あるリソースやゴールから考えた時にバナーじゃなくてもこういった方法があるのでは?といったことを提案できる方が良いなと思っています。
―――言われたことをこなすだけでなく、そもそもの前提や足りない情報を自ら獲りに行ける方ですね。
杉山さん
そうですね。あとは三遊間(担当者が決まっていないタスク)を先回りして拾いにいってくれる方だと嬉しいです。もちろん担当業務が優先ですが、必要そうだと思ったら「私がやります」と手を上げて言えるようなマインドセットは、メンバー同士大事にしていることです。
あとは、言葉を選ばずにいうとガッツですかね……。というと何をさせられるんだという感じですが(笑)、様々な局面で一人でがむしゃらに行うのではなく「皆で頑張るぞ!」というシーンが多いんです。そういう意味でも、「三遊間を拾う」「より良くなる方法があれば提案する」といったところが大切になるのかなと思っています。
―――確かに、御社のミッション・バリューに通ずるものがある気がします。皆さんにしっかりと浸透しているんですね。
杉山さん
そうですね。弊社のバリューは「全員親方」「仲間とつくる」「ゲンバ主義」「職人たれ」の4つありますが、これらをデザインチームに置き換えると、「全員親方」はオーナーシップを持って自分事として捉えること。「仲間とつくる」は、チームメンバーに対してリスペクトを持って向き合い、助け合うこと。「職人たれ」は、デザイナーとして期待と想像を超えるものを提供すること。「ゲンバ主義」は、ユーザー交流会やユーザーインタビューを定期的に行い、本質的な真の課題を解決できるような取り組みを意識しています。―――可愛い上にわかりやすい資料ですね……!こちらもデザインチームで作成されたのでしょうか?
杉山さん
はい。事業拡大に伴う再定義の意味も込めて、経営や人事と一緒にコミュニケーションデザイナーと私でリライトしました。イラストもメンバーに描いてもらっています。
弊社のクリエイティブは9割が内製なので、もしかすると新しく入られた方は今までに経験がない作業もあるかもしれませんが、それぞれに得意なメンバーがフォローできる体制を整えているので、そのあたりは安心していただければと思います。
建設業への興味は不問。デザインで業界を動かす「本気」を重視
―――杉山さんが実際に働いているからこそわかる、助太刀の特徴や魅力は何ですか?
杉山さん
デザイン組織に限らず、部署を越えた横のつながりを大切にしているところです。デザインは全組織のハブになる立ち位置なので、毎月の全社成果報告会にもデザイナーが運営として入るなど、人事、経営、営業、マーケといった人たちとのつながりはかなり意識していると思います。
また、ボトムアップで提案できる環境も魅力です。実際に、他部署から「デザイナーって何をやっているのかわからない」「バナーを作ってくれる部署でしょ?」のようなイメージを持たれることもあるので、デザイナー主催の勉強会を実施して、事業成果に繋げるために大事にしていることや仕事の仕方を草の根的に発信し、職種を越えた交流に繋げた取り組みがあります。また、事業戦略に近いところにデザインで貢献できるのは大きいなと感じています。代表とのミーティングが週2であるのですが、それだけ会社としてデザインに関する関心が高く、信用されている証拠なのかなと。
他にも代理店営業との取り組みで、助太刀のサービスを拡販してくれている代理店さんの記事や表彰状を作成するなどより助太刀をご紹介していただけるような流れを作っていて、デザインで営業の取り組みを盛り上げることで事業成果に貢献できているのかなと思います。
―――自由度やデザインが事業に与えるインパクトがかなり大きいのですね。
杉山さん
そうですね。インパクトという意味では、去年から京都大学と共催、国土交通省の後援で「建設業働き方フォーラム」というカンファレンスを開催しています。建設関連の法律を整備する国土交通省のキーマンの方や、業界団体、ゼネコンからも業界を牽引するリーダーの方々に登壇いただき、持続的な建設業に向けた議論の場を作っています。
「建設業界では他に類を見ないイベント」とのお声もいただいており年々規模を拡大中で、建設業の未来をしっかりと見据えている助太刀の姿勢や今までの取り組みをPRする場にもなっています。私たちデザインチームがクリエイティブで関わることで、助太刀の事業が業界内で展開されていくサイクル作りに貢献できている実感があります。―――新しい方がジョインされたら、どんな組織を目指したいですか?
杉山さん
各種プロダクトやサービスにおけるブランディングの観点での共通化や、レギュレーションの定期更新など、プロダクトデザイン・コミュニケーションデザインのどちらも中長期的な未来や戦略に合わせてロードマップに応じた見せ方ができるようにしていきたいです。やりたいことはたくさんあるのですが、正直今は目の前のことで手一杯なので、人手が増えることでそのあたりにも着手して、一緒に助太刀を盛り上げていけたらと思います。
―――有難うございます!それでは最後に、応募を検討している方に一言お願いします。
杉山さん
今は建設業界に興味がないというデザイナーさんも多いと思います。ただ、現時点で業界への関心は特に必要ないと思っていて、実際「インパクトの大きいことをやりたい」「ユーザーやクライアントの声を直接聞ける環境で働きたい」「事業戦略に基づいたデザインをしたい」という想いで入社しているメンバーが半分以上です。
多分この記事を読んでるみなさんも、建設業界に大きな興味関心がある方ってそう多くないと思うんです。ただ、みなさんも通勤してるときなど日常生活の中で、道路工事をしてたり駅の改修工事をしていたり、そういう光景ってよく見てると思うんですよね。それくらい皆が毎日どこかで建設の現場に出会っているはずなんです。私も助太刀に入社する前は、建設業って特に身近な存在ではないと思っていたんですが、実は自分にとっても身の回りの近くにある問題だったんだなと、今では痛感しています。そんな業界で働く方々に対して影響度合いが大きいビジネスをやれてるっていうのは、とても価値のあることですよね。
業界知識は入社後の勉強会などで身につけることができますし、国土交通省など影響力の大きい団体はもちろん、実際に現場で働く職人さんからも直接声を聞ける環境です。私たちのデザインとサービスを通して、業界がまさに変わっていく過程や実際の反応を一緒に味わっていただくことができます。
「業界を変えていく」ことに、メンバー全員が本気です。大変なこともいっぱいありますが、トンネルを超えた先には絶対に成長が待っていると思います。楽しそうと思ってくださった方、ミッションに共感くださった方は、ぜひご応募いただけたら嬉しいです!
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この記事を書いた人


HIGH-FIVE編集部

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