初めての転職活動…やり方がわからないところからのスタート
今回支援された方はどんな方ですか?どんな課題を持っていたのでしょうか?
今回ご支援させていただいたMさんの簡単なご経歴からお話ししますね。
Mさんは子どものころから映像が好きで、日本の高校卒業後に映像を学ぶため、アメリカへ留学をされて3年間映像の勉強をされていました。
卒業後も滞在を続けて現地で映像の仕事を1年ほどされていたのです。その後、帰国され、日本の制作会社でバラエティ番組やWeb配信番組の企画から完パケまでの一連の業務に従事されていました。
いわゆるAD(アシスタントディレクター)のような立ち回りです。
私もたくさんのADの方とお会いしているのですが、他のADの方より特出している点として、構成・台本執筆の経験をお持ちでそこにはご本人も自信を持っていらっしゃる印象でした。
また、海外のメディアにも詳しく、普段からアンテナを高く持ち、エンタメ(エンタテインメント)や社会問題などの情報を集めていらっしゃる方だとお見受けしていました。
仕事内容や職場の人間関係は充実していたのですが、会社の経営状況が芳しくないことが理由で初めての転職活動をスタートする段階にお会いしました。
転職活動をそもそもしたことがないため転職活動の仕方からわからない、自分にマッチしている会社(雰囲気や方向性など)がどんな会社なのか、面接ではどんなことを話せばいいのかわからないといった、初めて転職活動をする方がよくお持ちになる悩みをMさんも持っていました。
【本人が感じていた課題・不安】
(1)はじめての転職で、活動の仕方がわからない
(2)自分に合う会社をどうやって探せばいいのかわからない
(3)面接対策
求職者の生い立ちやバックグラウンドまで把握し、本当にマッチングする求人だけをご案内
古川さんから見たMさんの課題とはどのようなものでしたか?
初回面談で、土台となる今までの経験の振り返り作業から、企業に対してどんな点をアピールすればいいのかの棚卸をしました。
面接の場で、これまでの経緯や自分のできること、仕事の経験をいかに分かりやすく、自分の言葉で伝えられるかどうかが課題でした。あとは、ご経歴やお人柄から、Mさんにマッチする会社はなんとなくイメージができていたのですが、その会社数は多くないと思ったため、一社一社への応募や面接対策を丁寧に進める必要があると思いました。
マッチする会社が多くないと思った、というのは具体的にどんなところからそう感じたのですか?
一般的に、映像のADを経験されている方は、
同じような業務の求人は多くあるのですが、Mさんのお話のなかで、
これまでの生い立ちや育ってきたバックグラウンド、
行動を起こしてきたきっかけなどを掘り下げていくうちに
日本以外の広い国でのカルチャーや社会的マイノリティへの関心が強いことがわかりました。
また、これまでの業務の中で、自分の言葉で執筆するということもされていたため、そういったスキルを活かせる、メッセージ性のあるコンテンツを作っている会社であれば共感度が高くマッチングができるのではないかと思いました。
生い立ちやバックグラウンドまでヒアリングをするのですね。一見キャリアとは関係のない話題のように思えるので意外です
映像業界だけでなく、クリエイターの方は、その道を目指すきっかけになった原体験や子どものころに好きだったコンテンツなどを持っていることが多いです。
それを伺うことで人となりや「本気度」のような部分まで分かるので、伺うようにしています。そういうキャリアとは少し軸が違うお話をすることで面談の場がリラックスして本音を話していただきやすいという効果もあるのかな、と思っています。
課題制作をこちらから提案して企業側が持っていたスキル面の懸念を払しょく
企業への応募が進み、選考は順調に進んだのですか?選考中に心掛けていたことはありますか?
ご入社に至ったクライアント企業についてですと、Mさんが当時お持ちの映像企画や編集スキルは、当該企業にはやや弱い印象でした。一方で企業や所属社員とのカルチャーマッチ度は高いと思い、クライアント企業側へエージェントからも面接の度に細かいフィードバックをおこなうなど、フォローを続けました。
具体的にはどんなフォローの仕方で進めていったのですか?
面接が何度かあったのですが、面接が終わるたびにお会いしてお茶をしながら振り返りをしていました。面接を重ねるごとにご本人の迷いもなくなり、「この会社に入りたい」という思いが高まっていることを感じました。
ただ一方で、Mさんの映像制作におけるスキル面の不足を、クライアント企業側が懸念されているようにも感じていました。
Mさんは普段から海外のメディアを見たり、執筆や構成の業務もされたりしているため、そういった志向はこの企業で活かせるはずだし、Mさんの強みとして刺さると思いました。そこで、「スキルを見極めるための課題を出してくれませんか?」とクライアント企業側に依頼したのです。
選考フローにないのに課題の提案ですか!選考が増えることで通過可能性が低くはなりませんか?
そうですね、ケースバイケースだと思っています。今回のケースだと、Mさんが持つセンスや価値観が、この企業にマッチするはずだ!という私の中での確信があったので提案をしました。
そういったものは言葉で伝えきることは難しく、クリエイターなのでアウトプットしてもらったほうが伝わると思ったのです。結果、その課題の内容が、企業が配信していたコンテンツの方向性ととても合っていて、内定獲得へのキーポイントになったと思っています。
課題でスキル面を見てもらい、あとは「企業への共感度」をアピールポイントに、そこはぶれないように面接の度にすり合わせをしていきました。スキルとお人柄の掛け合わせで合否が決まるものですが、スキルの足りない部分を課題でカバーし、理念共感やカルチャーフィットの部分は面接の度にアピールするように心掛けてもらいました。
企業側が何を重視して面接をしているかの情報があるからこその対策ですね
過去の面接情報を蓄積しているのはもちろんですが、カルチャーや社員メンバーの皆さんの雰囲気というのはなかなか言語化しづらい部分もあります。
そういうところの情報はエージェントである自分と先方とのやり取りの蓄積でお伝えできる部分ですね。抽象的になってしまいますが「この企業と雰囲気が合うな」と最初の面談の時から感じ、面接を重ねるごとにMさんの志望度も高まっていったので、最初に感じたその思いが確信に変わっていきました。
まさにエージェントが持っている情報を活かしてのサポートだったわけですね
そうですね。当社では、いわゆる人材紹介だけではなく、コンテンツ制作や派遣事業もおこなっているので、今回ご入社が決定したクライアント企業とも、いろんな角度からお付き合いをしています。先方の人事だけでなく現場の方とも各部門でお付き合いがあり、それぞれから入ってくる情報を、社内の部門を超えて共有をしているのです。
冒頭にお話しした通り、Mさんは初めての転職活動で企業の情報もどうやって調べていけばいいかわからないような状態でしたので、頼っていただけた分、求人票に出てこないような情報まで細かく共有をしていくことを心掛けていました。
エージェントからヒトコト
最後にMさんのご支援の中で特に印象に残っていることはありますか?

当初、Mさんはこの企業に対しての興味は低かったのです。
それでも「Mさんに絶対に合うから!」とこちらの企業をお勧めし、
選考を通じてどんどんと志望度が上がっていきました。
Mさんがひとりだけで転職活動をしていたら出会わなかったであろうご縁を生み出せて、
私も嬉しかったです。
希望とは異なる求人を紹介された場合に、エージェントがあなたのどんな部分を見てその求人を勧めているのか、エージェントに確認してみることをオススメします。
自分だけでは見つけられないご縁をつないでくれるのも、
転職エージェントを活用するメリットだと思いますし、
その転職エージェントがあなたのためを思って動いてくれるエージェントなのかの
良しあしも分かるかと思います。
とても素敵なストーリーでした!本日はありがとうございました!