はじめに
こんにちは。株式会社クリーク・アンド・リバー社HIGH-FIVE編集部です。今回は、ハイクラス・エグゼクティブに特化したエージェントである鯉淵さんの転職支援ストーリーです。放送・映像業界の放送事業以外での事業を創るというミッションのもと「食」に関する事業プロデュースを有名なディレクターの右腕としてご活躍している方の実際のエピソードでお伝えします。
営業職から留学、青年海外協力隊でボランティア!?異色のご経歴の方の支援がスタート
鯉淵さん、改めて本日は宜しくお願いいたします。
今回ご紹介いただく事例ではどのような方をご支援されたのですか?
今回ご支援させていただいたTさんは、大学卒業後、食品商社で営業職をご経験され、ミラノ万博の日本館スタッフとして勤務し、日本に帰国されています。
その後、外資系物流会社に勤務されるものの、30歳を目前にした際、長年の夢であり、
かねてからご興味を持たれていた、「青年海外協力隊として発展途上国で自分の経験を活かしたい」という思いで
グアテマラに飛び、コーヒー協同組合にて活躍されているという非常に稀なご経歴の方です。
今後は海外で培った事業立ち上げや推進の経験を活かしつつも、
新たなフィールドでチャレンジがしたいとご相談にお越しいただきました。
非常に礼儀正しく、お人柄も明るく朗らかでとっても素敵な方だったのですが、
その少し変わったご経歴から、正直、どういった支援ができるのかも最初は未知数でした。

異業界、未経験、ブランク…多くの不安を抱えた転職活動
面白いご経歴の方ですね!今回の転職活動では、どんな課題を持っていたのでしょうか?
初回面談でお話ししていく中で、Tさんが転職活動に対していくつか不安を抱えていることが分かったんです。整理していくと、主に以下3つに整理できました。
(1)青年海外協力隊から戻り、短期留学をしたという経緯があるため、企業に属した経験としてはかなりブランクがあり、厳しい転職活動になるのではという不安
(2)事業開発をしたいという思いはあるものの、青年海外協力隊でボランティアとしてやった経験しかないので、評価いただけるか不安
(3)キャリアの幅を広げたいので飲食業界以外の領域にチャレンジしたい。食品商社にいた経歴から食品商社からはオファーが出ているが、その他の業界で受け入れ先があるのか不安
確かに、どれも選考の中でネックになってしまいそうなポイントですよね…。鯉淵さんから見たTさんの課題はどのようなものでしたか?
この3つの他にエージェントとして課題だなと感じたのは、「語学力を活かしたい」という希望以外の部分が、かなりふわっとしているなということでした。
Tさんが希望されていた事業開発のポジションは、業界に対する知識・周囲の人を巻き込む推進力など多様な知見・スキルが求められますし、なにより向き合う事業に対する熱意が重要です。今後どんな業界で、どんなことをしていきたいのかがあまりイメージできていない様子でした。
今の貴方に最も必要なことは?一対一の対話から見えた、本当に目指すべき道
とはいえ、すべての課題を解決できる求人を探すのはかなり難しいように思えますが・・・。
そうですね。複数の課題を一気に解決するのは難しいと思いました。
そのため、「まずは新規事業開発のスキルを積むことを最優先にして、転職活動を進めませんか?」と、ご提案いたしました。
Tさんの場合、食業界を離れたいと言いつつも、これまでのキャリアの中で長く関わってきたこともあり、とにかく「食」が好きな方でした。その想いと知見を活かせたほうが、未経験のポジションでも活躍できる場所があるのではないかと考えました。
また、英語・イタリア語・スペイン語を使いこなす語学力もTさんの強みですが、それ以前に、「明るいお人柄で多彩な語学を使いこなし、どんな人とでも良好な関係を築ける」という素晴らしいコミュニケーション能力が何よりも強みになると、お話ししていく中で確信していました。この強みを活かして経験を積んでいけば、いずれ必ず希望の領域でご活躍いただけると思ったのです。
そのような考えもあり、Tさんには「今、新規事業開発の経験を積むことで将来的にも経営層に入っていける可能性は広がりますし、食以外の領域にチャレンジする・語学を活かすという部分は後からでもついてくるのでは?」とご提案いたしました。
「とにかく会ってみてほしい!」エージェントにしかできないお人柄マッチング
将来のために今できることを、見つけていったのですね。どのような求人をご紹介したのでしょうか?
大手テレビ局グループが、放送以外の事業を生み出すべく新規事業創出に特化した会社を設立されたことを思い出しました。その会社が手掛ける事業の一つが、有名プロデューサー率いる「食」に関するプロデュースというものだったのです。
元々は、企業全体でのM&A人材のオーダーをいただいていたのですが、社長に掛け合い、「食という軸で是非会っていただきたい方がいます」とご紹介しました。
最初はなかなか興味を持ってもらえませんでしたが、Tさんの強みであるコミュニケーション能力やこれまでのバイタリティ溢れるご経歴などを熱弁し、なんとかプロジェクトの責任者の方と会ってもらえるまでにこぎ着けました。
求人がないところを、切り開いていったのですね!
実は、この会社は今回が初めての中途採用だったのですが、これまで社風やお人柄でマッチする方をなかなか見つけられず、1人も採用に至っていないという状況でした。
また、親会社やグループ会社との調整業務も多く、プロジェクト責任者の方も求める人物像に強いこだわりがあり、活躍いただくために必要なコミュニケーション能力をお持ちの方を見つけられていない課題を持っていたのです。
そのような企業側の課題に、Tさんはベストマッチでした。
「こんなにコミュニケーション力が高い人は見たことがない!」「是非うちに来てほしい」と、とにかくそのお人柄を評価いただきました。
Tさんも、「これまでの経験を活かしながら、やったことのない業務にもチャレンジできる」と会社に魅力を感じていただけたようで、すぐに就業が決定しました。
青年海外協力隊ではボランティアのため、ほぼ年収0円でしたが720万円へ年収もアップも実現し、1年後には契約社員から正社員に。現在は、食分野プロデュース事業の新規事業開発副部長としてご活躍されていらっしゃいます!
エージェントからヒトコト
最後にTさんのご支援の中で、特に印象に残っていることはありますか?
「求人」ありきの提案ではなく「人」ありきの提案をしたことで、双方にとって新しくて面白くワクワクする結果に繋がったことですね。
ご本人、企業側、エージェントにとっても、誰も想像しなかった転職支援になったと思っています。
まだ立ち上げたばかりの会社なので苦労することもたくさんあると思いますし、「語学を活かす」というご希望は叶えられたわけではないです。
しかしながら、中途でテレビ局に入ること、そして事業を創るというご経験は、Tさんにとって確実にキャリアを強化し幅を広げるものであると思っています。非常にコミュニケーション能力が高く、キャッチアップ能力も高いTさんでしたら確実にご活躍できると思いますし、心から応援しています!
飲みにいく仲にもなりましたので、エージェントとしても人としても、末永くお付き合いできれば嬉しいです。

とても素敵なストーリーでした!本日はありがとうございました!